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{{出典の明記|date=2011年6月}}
[[File:FS Redoutable torpilles.jpg|thumb|240px300px|魚雷の装填 奥に見える丸い開口部が魚雷発射管]]
'''魚雷発射管'''(ぎょらいはっしゃかん)は艦艇から[[魚雷]]を発射させる装置である。管状発射口が水面上にあるも構造'''水上発射管'''(すいじょうはっておりゃかん)管内水面下魚雷を装填、あるもの(および潜水外へ向けに装備し一方口から)は'''水中発射管'''(いちゅうはっしゃかん)という
 
管状の構造をしており、管内に魚雷を装填、艦外へ向けた一方の口から発射する。
 
== 概要 ==
[[画像:Torpill6-Bougault.jpg|thumb|250px|射出中の魚雷]]
水上艦艇および潜水艦に魚雷発射及び弾庫の目的で搭載される。また狭い水路の防備として陸上に設置した例も少数ながらある。航空機や水上艦艇から魚雷を発射する場合は魚雷を水中に投下するだけでも十分であるが、[[潜水艦]]においては魚雷発射管を用いる必要がある。これは水中において、艦内への水の浸入を防ぎつつ物体を艦外へ放出する必要があるためである。発射口が水面上にあるものを水上発射管、水面下にあるもの(および潜水艦に装備したもの)は水中発射管という。水上艦でも[[第二次世界大戦]]までは艦種を問わず、[[戦艦]]などにも水中発射管が装備されていた例があったが、現代の水上艦艇では一部を除いてはあまり見られない
 
水上艦でも[[第二次世界大戦]]までは艦種を問わず、[[戦艦]]などにも水中発射管が装備されていた例があったが、現代の水上艦艇では一部を除いてはあまり見られない。
== 潜水艦における魚雷発射管 ==
 
== 潜水艦における魚雷発射管 ==
潜水艦において魚雷発射管は最も重要な装置の一つであるが、その構造は複雑である。水中において魚雷を発射する際の問題点は、艦内への水の浸入を防ぐことと魚雷発射後艦の重量バランスが変化することである。
 
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魚雷発射管の装備位置は、現代の潜水艦においては前方に向けたものがほとんどであるが、側方や後方に向けて装備されたものもあった。
 
魚雷発射管は潜航中の潜水艦にとって数少ない外界との交通部であり、魚雷以外にも、[[ミサイル]][[機雷]]の射出、種々の[[センサー]][[デコイ (兵器)|デコイ]]の放出、艦内で発生したゴミを圧縮し鉄板で成形して投棄したりする際に用いられることがある。
 
== 水上艦艇の魚雷発射管 ==
[[ファイル:Destroyer Velos D-16 torpedo tubes.JPG|250px|thumb|[[フレッチャー級駆逐艦]]の5連装533mm魚雷発射管。<br/>[[ギリシャ]][[アテネ]]近郊の博物館船、D-16 ヴェロス(旧米海軍DD-581 チャレット)]]
[[ファイル:Mark 32 surface vessel torpedo tube.jpg|thumb|250px|Mk 32 短魚雷発射管]]
水上艦における発射管は魚雷の発射と、特に現代においては装填した魚雷の保護筐体として発射管が用いられる。発射には圧搾空気により魚雷を射出する方法等がある。初期の魚雷艇や短魚雷装備艦艇では発射管を用いず、管状ではない射出装置などにより側方や後方に魚雷を投下する方法を取っていたものもあった。水線上に装備した水上発射管がほとんどであるが、一部には[[ネルソン級戦艦]]など水中発射管を装備していた艦艇もある。
 
魚雷は大航海時代より重用されていた大砲の砲弾などよりも炸薬量が多く、弱い水線下に命中して浸水を起こす効果も大きい。砲熕兵器が威力に応じて巨大化してしまうのに対して、魚雷発射管は簡便軽量である特性を活かし、水雷戦が重視されていた[[第二次世界大戦]]においては、単装、連装や3連装、さらには5連装の水上発射管も開発・装備されていた。

[[長門型戦艦]]の新造時や[[コロラド級戦艦]]にも装備されていたが、戦艦の装備としては艦の機動性や主砲射程との関係よりあまり有効な装備ではなかった。そのため、長門型では改装時に撤去している。

発射管は固定式と旋回式があり、[[大日本帝国海軍|日本海軍]][[駆逐艦]][[巡洋艦]]では旋回式が用いられ、[[ドイツ海軍 (国防軍)|ドイツ海軍]]の[[Sボート]]などでは前方へ向けた固定式が用いられた。しかし、射程、速力共に優り砲弾より炸薬量の多い[[対艦ミサイル|]]([[艦対艦ミサイル]]の発達に伴い、水上発射管は衰退した。日本における水上艦艇への攻撃を想定した水上発射管は、魚雷艇PT-15号(平成7年3月除籍)が最後である。
 
現在、[[アメリカ海軍]]や[[海上自衛隊]]の艦船は、潜水艦への攻撃を目的とした[[Mk 32 短魚雷発射管]](68([[魚雷発射管#日本での運用|68式3連装短魚雷発射管]])などを装備している。
 
=== 魚雷発射管搭載数の例 ===
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! 搭載数 !!口径!!艦級!! 運用者 !!備考
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| 4連装10基 40門 ||rowspan="4"|61cm||[[軽巡洋艦 ]]「[[北上 (軽巡洋艦)|北上]]」「[[大井 (軽巡洋艦)|大井]]」||rowspan="4"|日本海軍||1941年重雷装艦に改装
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| 5連装3基 15門 ||61cm||駆逐艦 [[島風 (島風型駆逐艦)|島風]]||日本海軍||
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| 4連装2基 8門 ||61cm||[[夕雲型駆逐艦]]||日本海軍||次発装填装置付き
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| 3連装3基 9門 ||61cm||[[吹雪型駆逐艦]]||日本海軍||
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| 5連装2基 10門 ||rowspan="3"|53.3cm||[[フレッチャー級駆逐艦]]||rowspan="2"|アメリカ海軍||
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| 4連装4基 16門 ||53.3cm||[[バッグレイ級駆逐艦]]||アメリカ海軍||
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| 5連装2基 10門 ||53.3cm||[[J/K/N級駆逐艦|J/K級駆逐艦]]||rowspan="2"|[[イギリス海軍]]||
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| 単装2基(水中) 2門 ||62.2 cm||[[ネルソン級戦艦]]||イギリス海軍||
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| 3連装2基 6門 ||32.4cm||[[あたご型護衛艦]]||海上自衛隊||