「成長ホルモン放出ホルモン」の版間の差分

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【診断および鑑別診断2:異所性GHRH産生腫瘍による先端巨大症や下垂体性巨人症の地域差】
 
 2016年末の時点で11例の異所性GHRH産生腫瘍による先端巨大症が報告されているが、地域差があるかもしれない.北海道(人口 540万人):0名,東北圏(904万人):1名,関東圏(4,166万人):7名,中部・東海圏(1,501万人):1名,近畿圏(2,077万人):0名,中国・四国圏(1,132万人 ):0名,九州・沖縄圏(1,452万人):2名.症例数が11名と明らかに少ないため,本症の発症に地域差があるか,診断率に差があるか,現時点では不明である.一方,本邦以外のAsiaでの異所性GHRHにもとづく先端巨大症の報告は1例のみである(6th PEMA, 41歳,白人男性,BMJ case rep 2016).本疾患に対する認知度と診断技術水準(GHRH測定)はかなりの地域差があるといえる.
 
【診断および鑑別診断3:神経内分泌腫瘍(NET)におけるGHRH産生】
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 日本における11症例の異所性GHRH産生腫瘍に基づく先端巨大症は,いずれも,膵臓,気管支,消化管や副腎などに,明瞭な腫瘍(CT検査で容易に診断できる)が存在していた.うち7例は膵神経内分泌腫瘍(PNET)(MEN1を含む)に基づくもので,いずれも,腹部超音波検査あるいはCTで膵臓に明かな腫瘤陰影を示した.
 一方,下垂体GH産生腺腫による通常の先端巨大症や下垂体性巨人症では,一見,腺腫陰影に乏しい症例が散見される(腫瘍径1.0cm未満は全症例の約2割).たとえば,empty sella内の残存微小GH腺腫や海綿静脈洞内のGH腺腫,あるいは低解像度のMRI画像での腫瘍同定不成功例などである.
 したがって,通常の画像検査(各部位のエコー検査,全胸部CTあるいは全腹部CT)で腫瘍陰影が明らかでない先端巨大症や下垂体性巨人症においては,再度,詳細な下垂体MRI検査,例えば1.5T~3.0Tの造影MRIを用いて,T1強調の冠状断SPGR法(GE社MRIの撮像法に準ずる),2),1.0~2.0mm スライス幅で,トルコ鞍内のみならず,その近傍を撮像し,得られた下垂体画像所見に対する2nd opinionを,下垂体疾患専門医に求めるべきである.
 
【血中GHRHの測定】