「マグネシウム合金」の版間の差分

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KUMADAI不燃マグネシウム合金成分
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== 合金成分 ==
マグネシウム合金の添加元素として最も基本的なものは[[アルミニウム]]と[[亜鉛]]である。この2種を含むマグネシウム合金は、ASTMの定めるAZ(Aはアルミ、Zは亜鉛を表す)から始まる呼称で呼ばれる。通常のマグネシウム合金は燃焼しやすいが、[[カルシウム]]を数%添加して燃焼開始温度を200〜300℃上昇させた[[難燃性マグネシウム合金]]も開発されている。さらに2012年4月熊本大学先進マグネシウム国際研究センターが、Mgの沸点を超える発火温度1105℃および機械的強さ460MPaを持つ不燃性高強度マグネシウム合金「KUMADAI不燃マグネシウム合金(Mg-10%Al-5%Ca 合金)」を開発している。アルミニウムを3%、亜鉛を1%添加したAZ31合金は比較的塑性加工しやすいため、主に[[圧延]]や[[押出加工]]で製品が製造されている。一方、アルミニウムを9%、亜鉛を1%添加したAZ91合金は、[[鋳造]]・[[ダイカスト]]・[[チクソモールディング]]などの[[溶融加工法]]に用いられている。また、耐熱性や機械的性質の向上のため、少量の[[希土類]]元素を添加した合金も開発されている。
 
[[結晶構造]]を変形しやすい[[体心立方格子構造|体心立方晶]]にする目的と、さらなる軽量化を狙い、原子量の小さい[[リチウム|Li]]を用いたMg-Li基合金も開発されている。現在 ASTM で規格化されているものは LA141 (Mg-14%Li-1%Al 合金)だけであるが、ラボレベルではLiを37%含有する合金が開発されている。この合金の密度は0.96 Mg/m<sup>3</sup>であり、[[水]]よりも軽い。