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==== カキと食中毒 ====
古くから食べられてきたカキであるが、その一方で「あたる」食品(食材)としても知られている。カキの[[食中毒]]が注目されるのは非加熱状態で食べられる機会が多いことと関係している。
 
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という点である。
 
===== 貝毒 =====
{{main|貝毒}}
貝毒は貝が捕食する海水中の有毒プランクトンを蓄積したものである。対策として、生育海水中の植物プランクトンの種類および貝に含まれる毒が定期的に検査されている<ref name="kaidoku">[http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/suikisei/kaidoku.html 貝毒対策] 宮城県</ref>(参照:[[マウスユニット]])。有毒プランクトンの発生し易い時期は3月から5月。広島県立総合技術研究所の研究によれば、濾過海水中で一定期間飼育することで、毒の量を規制値以下に減毒できるとしている<ref>{{Cite journal|和書|author=高田久美代 |author2=高辻英之 |author3=妹尾正登 |title=麻痺性貝毒により毒化したマガキのろ過海水中での蓄養による減毒 |date=2008-01-15 |publisher=公益社団法人日本水産学会 |journal=日本水産学会誌 |volume=74 |number=1 |naid=110006595212 |doi=10.2331/suisan.74.78 |pages=78-80 |ref=harv}}</ref>。
 
===== 細菌 =====
細菌は海水中に常時一定数存在するものであり、ごく少量であれば食中毒症状を引き起こすことはない。しかし、気候や水質、保存方法などによっては細菌が大量に増殖することもあり、生食する際には注意が必要である。なお、現代の日本国内の生食用カキの場合は上述のように流通段階では十分な対策が取られているが、実際には、食中毒原因菌である腸炎ビブリオ(''Vibrio parahaemolyticus'')、黄色ブドウ球菌(''Staphylococcus aureus'')<ref>清水晃、尾崎潤一郎、河野潤一ほか、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsfm1984/8/3/8_3_135/_article/-char/ja/ 魚介類および食肉からの黄色ブドウ球菌の分離と性状] 食品と微生物 Vol.8 (1991-1992) No.3 P.135-141, {{DOI|10.14840/jsfm1984.8.135}}</ref>、糞便性大腸菌群( Escherichia coli )<ref>[http://www.mac.or.jp/mail/080701/01.shtml 糞便系大腸菌群及び大腸菌について] 食品分析開発センター</ref>が検出される事があり<ref name=kasei.47N1>{{PDFlink|[https://www.kasei-gakuin.ac.jp/library/kiyou/zenbun/47N1.pdf 飲食物の安全性に関する細菌学的研究(第7報)-食用カキを対象として-]}} 東京家政学院大学紀要 第47号 p.1-10</ref>、残った少量の細菌を増殖させてしまうような環境で保存することの方が危険であると指摘されている<ref name=kasei.47N1 />。
; [[腸炎ビブリオ]]
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: 食品中で増殖し加熱しても分解されない耐熱性の毒素(エンテロトキシン)を産生する。
 
===== ウイルス =====
; [[ノロウイルス]]
: [[2000年]]頃より特に注目されている。ノロウイルス感染力は85℃以上で1分間以上加熱されることにより不活化するとされており、中心部まで十分に加熱することが重要とされる<ref>沸騰した湯で最低でも1 - 2分程度、約180度前後の油で4分以上揚げることで食中毒の危険性は大幅に軽減する。</ref>。
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: 日本では報道により、「ノロウイルスと言えばカキ」という印象が広まり、特に2006年から2007年にかけて[[風評被害|ノロウイルス感染報道があるごとにカキの売上が減少]]した。
 
==== カキの食べられない月 ====
[[File:Landingoftheoyster2008.jpg|thumb|the Whitstable Oyster Festival 2007 の初日のカキの水揚げ]]
産卵期にはカキは[[精巣]]と[[卵巣]]が非常に増大し、食用とはならない。一般にカキとして認識されている'''マガキ'''の場合は、グリコーゲン含量が増える秋 - 冬にかけてが旬とされており、英名に「R」のつかない月、すなわちMay, June, July, Augustの[[5月|5]]、[[6月|6]]、[[7月|7]]、[[8月]]は産卵期であり食用には適さないとされている<ref name="kampoiyaku"/>。ただし、春から夏に旬を迎える'''イワガキ'''と呼ばれる種類のカキもあり、それぞれ養殖も盛んであることからマガキに限らないならば通年食べることができる。また、産地によっては、水温などの条件により旬が変わることもある。本来は冬が旬であるが、大型で夏でも生殖巣が発達しない「3倍体牡蠣」も開発され、市場に出ている。需要をまかなうために日本産のマガキを輸入して養殖するようになった。それ以来イギリスなどで流通するカキの相当部分は日本由来のマガキであるという。イギリスで実際に開催されるカキのお祭り([[w:Whitstable Oyster Festival|Whitstable Oyster Festival]])に使われるカキもイギリスで養殖された日本のマガキで、開催されるのも夏である。カキの養殖により通年カキが手に入るため「R」のつかない月は、カキを食べないという習慣は英語圏で消えつつある。
 
==== 料理 ====
[[ファイル:Oyster knife DSC09237.jpg|thumb|200px|剥き身に加工するための殻を開ける道具]]
カキの殻の表面は剃刀の刃のように薄いものが重なっており、生食の際には[[軍手]]などの手袋を用いないと手のひらに無数の傷がつく。網焼きや生食では身だけでなく汁もともに吸う。多くの人はカキの身にのみ栄養があると考えているが、身が浸されている殻の中の海水を含む汁にも多くの栄養素が含まれていることが知られている。カキの独特の風味は貝類の内臓の味であるということを[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]の科学番組『[[所さんの目がテン!]]』で検証しており、ここでは[[ハマグリ]]の内臓を寄せ集めて作った[[カキフライ]]もどきが本物と区別が付かないことを、20人中18人が騙されたという結果で示した<ref>{{Cite web |date=2004-11-07 |url=http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/04/11/1107.html |title=驚き○○で カキフライ |work=所さんの目がテン! |publisher=日本テレビ放送網 |accessdate=2008-12-30 }}</ref>。