「明日の神話」の版間の差分

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==原水爆という背景==
太郎による原爆をテーマとした作品には、『燃える人』『瞬間』『死の灰』、そして『明日の神話』ある。
 
1954年に日本の[[第五福竜丸]]がアメリカの水素実験で被爆した事件は、広島、長崎の原爆の恐怖を人々に蘇らせ[[原水爆禁止日本協議会|原水爆禁止世界大会]]につながった<ref name="反戦反核">{{Cite book|和書|author=大杉浩司|chapter=明日の神話完成に至る反戦・反核へのメッセージ|title=明日の神話 岡本太郎の魂メッセージ|publisher=青春出版社|date=2006|isbn=4-413-00848-0|page=80-83}}</ref>。1955年に原爆をモチーフとした構図の口火を切ったのは、太郎の戦後の代表作のひとつ『燃える人』<ref>[http://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=4743&edaban=1 岡本太郎:燃える人 (1955)](独立行政法人国立美術館)</ref>であり、原爆が炸裂する瞬間を描いた激しい構図を持つ<ref name="反戦反核"/>。第5回原水爆禁止世界大会記念美術展「日本人の記録」は広島の朝日会館で開催され、太郎の『燃える人』など日本の代表的な芸術家の作品が展示された<ref name="反戦反核"/>。続いて同年の『瞬間』も<ref name="瞬間"/>、炸裂した瞬間を描いた<ref name="反戦反核"/>。太郎は、『瞬間』を通して原爆という事実は日本人全てが引き継がなければならない問題だと考えた<ref name="瞬間">{{Cite journal |和書|author=大杉浩司|date=2012-04|title=連載6回目『瞬間』|url=http://www.asunoshinwa.or.jp/npo/images/taroletter07back.pdf|format=pdf|journal=『明日の神話』かわら版|issue=7}}</ref>。他に1956年『死の灰』がある<ref name="反戦反核"/>。こうした作品を通して太郎の水爆への思いは醸成されてきた<ref name="反戦反核"/>。