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等多種多様である。いずれの手法においても、現実世界に対する心の持ち様を変化させていくことを目的としており、集中力が養われるに伴い心の変化が起こるとされる。
 
瞑想の具体的効用として、[[感情]]の制御、[[集中力]]の向上、気分の改善等の日常的な事柄から、瞑想以外では到達不可能な深い自己洞察や対象認知、[[智慧]]の発現、さらには[[悟り]]・[[解脱]]の完成まで広く知られる。[[宗教]]や[[宗派]]、あるいは瞑想道場により、瞑想対象や技術が異なる。
 
[[仏教]]における瞑想法では、人間の心が多層的な構造を持っていることを踏まえ意識の深層段階へと到達することを目的とした手法が組み立てられる場合がある。例えば、[[大乗仏教]]における[[仏教哲学]]・[[仏教心理学]]では意識は[[八識]]に分類され、その中には[[末那識]]や[[阿頼耶識]]と呼ばれる層があり、仏教の瞑想法はそこへ到達するための方法と言われている。末那識、阿頼耶識は、近代になって西洋心理学で[[深層心理]]と呼ばれるようになったものに近いと言われている。一方、[[上座部仏教]]においては、瞑想修行の進展に伴い心の変化を九段階に体系化(一般的認識である[[欲界]]を超えた後に現れる第一[[禅定]]から第九禅定)しており、第一禅定以上の集中力において[[仏陀]]によって説かれた観瞑想の修行を行うことで解脱が可能と言われている。
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瞑想は欧米で補完・代替医療としても注目され、研究が行われてきた。初期の研究は、超越瞑想の普及を目指すマハリシ財団旗下の大学で超越瞑想を対象に行われたものが多い<ref name="コーワン"/>。これは[[ヒンドゥー教]]に由来する瞑想法で、支持者は自己啓発法やリラックス法として科学的に効果が証明されていると主張し普及を行っている<ref name="コーワン"/>。支持者は他の瞑想法と異なり心を集中させることはないとしており<ref>Maharishi Mahesh Yogi on the Bhagavad-Gita: A Translation and Commentary, Chapters 1-6 (Penguin Books; Reprint版 1990年)</ref>、研究者は「マントラ(静かに復唱する単語、音、または語句)を用いて心に入り込む雑念を追い払う」と説明している<ref name="厚生労働省">[http://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c02/07.html 瞑想 [[アメリカ国立衛生研究所]]] 「統合医療」情報発信サイトの翻訳 厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業</ref>。多くの研究者は、超越瞑想の研究はその実践者や支持者によるもので、研究結果及び研究方法の妥当性に疑問を投げかけている<ref name="コーワン">ダグラス・E・コーワン、デイヴィッド・G・ブロムリー 著 『カルトと新宗教 アメリカの8つの集団・運動』 村瀬義史 訳、キリスト新聞社、2010年</ref>。瞑想法の種類によって心身への影響は異なると考えられているが、その点を考慮せず行われた研究も少なくない。
 
2001年に[[マサチューセッツ総合病院]]のサラ・ラザール(Sara W.Lazar)は、瞑想と経験による神経可塑性に関する実験を行った<ref>{{Cite journal
| last = Lazar
| first = Sara W
| title = Mindfulness practice leads to increases in regional brain gray matter density
| journal = Psychiatry Research: Neuroimaging
| volume = 191
| issue = 1
| pages = 36-43
| publisher = Elsevier
| doi = 10.1016/j.pscychresns.2010.08.006 }}</ref>。募集で集めた瞑想の未経験者の脳を[[MRI]]でスキャンした後に、半分の被験者を8週間で1日平均27分間あるがままに観察する瞑想プログラムに参加させ、終了後に再び被験者をMRIでスキャンした。全被験者のプログラム前と後を比較した有意な結果として、瞑想の参加者は学習や記憶に関連する[[海馬]]の灰白質密度が高まり、不安やストレスに関連する[[扁桃体]]の灰白質密度が低下していた。ラザールの実験は、瞑想が脳の自己認識、思いやり、内省といった分野に比較的急速に生理的変化を生じさせる可能性があることを示した<ref name="Zoli"> アンドリュー・ゾッリ、アン・マリー・ヒーリー『レジリエンス 復活力:あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か』須川綾子訳 ダイヤモンド社 2013 ISBN 9784478012338 pp.174-181.</ref>。
 
[[ペンシルバニア大学]]の{{仮リンク|アンドリュー・ニューバーグ|en|Andrew B. Newberg}}は、深い瞑想状態や祈りの状態にある者の脳内の神経学的変化を研究した。ニューバーグによると、深い祈りを込めた瞑想は、上[[頭頂葉]]後部の活動を低下させ、血流を減少させていた。また瞑想者の[[メラトニン]]や[[セロトニン]]濃度は上昇し、[[コルチゾール]]や[[アドレナリン]]濃度は低下していた。前者2つのホルモンはリラックス時には上昇し、後者2つはストレス負荷により上昇するので、この変化は理に適っているとした。