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ハイジャックの目的は様々で、[[亡命]]、[[刑務所]]で服役している仲間([[政治犯]]や[[テロリスト]]など)の釈放、[[テロリズム]]、[[身代金]]([[人質|人質行為]])など意図が明確なものから、乗り物自体に対する異常な興味や精神的錯乱、テロに便乗した[[模倣犯]]といったものにまで及ぶ。
 
[[1931年]]に初の航空機ハイジャックが起きて以降、[[1940年代]]後半から[[1950年代]]後半はいわゆる[[東側諸国]]において[[西側諸国]]への[[亡命]]を目的としたハイジャックが多発した。[[1960年代]]後半から[[1980年代]]前半にかけては[[パレスチナ解放人民戦線|PFLP]]や[[日本赤軍]]、[[バーダー・マインホフ・グループ]]などの極左過激派によるハイジャックが頻繁に起きるようになった。また、[[アメリカ合衆国]]では犯罪者などが[[キューバ]]行きを要求する通称「キューバ急行」が多発していた。[[2000代]]以降ではイスラム過激派による[[アメリカ同時多発テロ事件]]におけるハイジャックのように、政治的要求をするのではなく、テロ実行の手段としたハイジャックも行われている。
 
== 語源 ==
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== 主なハイジャック事件の一覧 ==
::;ハイジャックを除く民間航空機に対して行われたテロ行為や破壊行為については、[[航空機テロ・破壊行為の一覧]]を参照のこと。
=== 1969年以前 ===
 
=== 19691959年以前 ===
* [[1931年]][[2月21日]]
** 便名: パンアメリカン・グレース・エアウェイズ{{enlink|Pan American-Grace Airways|en}}<ref name=ASN19310221-0>{{Cite web|url=https://aviation-safety.net/database/record.php?id=19310221-0|title=ASN Aircraft accident Ford Tri-Motor registration unknown Arequipa Airport (AQP)|publisher=Aviation Safety Network|language=en|accessdate=2017-11-25}}</ref>
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** 詳細: 「[[滄浪号ハイジャック事件]]」を参照。
 
=== 1960年代 ===
* [[1961年]][[5月1日]]
** 便名: [[ナショナル航空]] 337便<ref name=ASN19610501-1>{{Cite web|url=https://aviation-safety.net/database/record.php?id=19610501-1|title=ASN Aircraft accident Convair CV-440 registration unknown|publisher=Aviation Safety Network|language=en|accessdate=2017-11-25}}</ref>
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** 詳細: 「[[エジプト航空181便ハイジャック事件]]」を参照。
 
== 日本における主なハイジャック事件 ==
日本航空のハイジャック事件は「[[日本航空ハイジャック事件]]」、全日空のハイジャック事件は「[[全日本空輸ハイジャック事件]]」もそれぞれ参照。
日本においては、特に[[1970年]]3月31日の[[共産主義者同盟赤軍派|赤軍派]]による[[よど号ハイジャック事件]](よど号乗っ取り事件)が初のハイジャックとして有名である。これは[[運輸省|運輸]][[政務次官]]・[[山村新治郎 (11代目)|山村新治郎]]が人質の身代わりになり、犯人グループが[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]への亡命に成功するなど、解決に際して非常に問題の多い事件であった。さらに、この時点ではハイジャック自体を処罰する法律は存在しておらず、この事件を受けて、[[航空機の強取等の処罰に関する法律]]、いわゆる「ハイジャック防止法」が成立し施行された。なお、日本航空のハイジャック事件は[[日本航空ハイジャック事件]]、全日空のハイジャック事件は[[全日本空輸ハイジャック事件]]もそれぞれ参照。
 
=== 主な*[[1970年]]3月31日:[[よど号ハイジャック事件 ===]]
:[[共産主義者同盟赤軍派|赤軍派]]による国内初のハイジャック事件。これは[[運輸省|運輸]][[政務次官]]・[[山村新治郎 (11代目)|山村新治郎]]が人質の身代わりになり、犯人グループが[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]への亡命に成功するなど、解決に際して非常に問題の多い事件であった。
*[[1970年]][[8月19日]]:[[全日空アカシア便ハイジャック事件]]
:ハイジャック防止法が初めて適用された事件である。
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*[[1999年]][[7月23日]]:[[全日空61便ハイジャック事件]]
:航空機と運航システムに異常な興味を示した犯人が[[客室乗務員]]を脅し操縦席に乱入、機長を刺殺して操縦桿を握り、機体を急降下させた。副操縦士らがコックピットに突入し犯人を取り押さえ、機体のコントロールを奪還した。日本で初めて死者が発生したハイジャック事件となった。
::;ハイジャックを除く民間航空機に対して行われたテロ行為や破壊行為については、[[航空機テロ・破壊行為の一覧]]を参照のこと。
 
== ハイジャック防止のための取り組み ==
[[1970年代]]初頭に過激派などによるハイジャックが頻繁に起きるようになり、各国はその対応に追われ、空港での[[セキュリティチェック]]の強化やハイジャックに対応した[[特殊部隊]]の創設などを行った。また、1978年、西ドイツの[[ボン]]で開催された第4回7カ国首脳会議では、「航空機ハイジャックに関する声明(ボン声明)」が採択された。
 
日本においては、国内初のハイジャック事件である「[[1978年よど号ハイジャック事件]]」が発生した時点では、ハイジャック自体を処罰する法律は存在していなかった。このため、この事件を受けて[[航空機の強取等の処罰に関する法律]]、いわゆる「ハイジャック防止法」が成立し施行された。また、1978年3月に新東京国際空港は日本発のハイジャック防止組織として[[成田国際空港]]に財団法人[[空港保安事業センター]]を開設した(なお、センターの本部は[[東京国際空港]]ある)。
 
[[1980年代]] - [[1990年代]]にはその勢いは一時的に収まったものの、[[アメリカ合衆国]]で[[2001年]][[9月11日]]、ハイジャックされた航空機による[[アメリカ同時多発テロ事件]]が発生したことから、ハイジャックの防止は再び世界的課題となる。
 
各国の空港で手荷物・身体検査・[[本人確認]]の徹底や[[乗客名簿]]の公安当局への提出、鋏付き[[ソーイングキット]]やミニ[[爪切り]]などあらゆる“刃が付いた・棒状鋼”の機内持ち込み禁止、果ては[[機内食]]の[[カトラリー]](スプーン・フォーク・ナイフ)がスチール製から[[樹脂]]製へ変更されるなど(<ref>[[エコノミークラス]]のみ。[[ビジネスクラス]]や[[ファーストクラス]]では現在もステンレスを採用している航空会社もある。</ref>など、警備が大幅に強化されるようになった。
 
[[2007年]]2月23日、[[アメリカ合衆国国土安全保障省]]は、[[ヒト]]一人間1人の全身を透視出来る、大型全身[[X線]]スキャナを空港に試験導入(被検者は金属探知で異状ありとされた人物に限るという)。これにより危険物持込や薬物密輸阻止に資するとしているが、[[アメリカ自由人権協会]]は“搭乗予定者を裸に剥くも同然であり人権侵害”として、議会に完全実施の禁止措置を要請している。一方[[イギリス]]では、2010年1月以降、[[ヒースロー空港]]を始めとする全ての空港に全身スキャナーを導入、搭乗者に搭乗前通過を義務付けている。
 
ハイジャックに対応する保安要員として、[[スカイマーシャル]]が搭乗する国もある。アメリカ([[連邦航空保安局]])やイスラエルにおいては、ハイジャックに際してはスカイマーシャルに犯人への対処を任せつつ、[[パイロット (航空)|パイロット]]は[[強化ドア]]に護られた[[コクピット]]に篭って、一刻も早く機体を緊急着陸させることとなっている。
 
[[2010年]]1月、[[イギリス]]は[[ヒースロー空港]]を始めとする全ての空港に全身スキャナーを導入、搭乗者に搭乗前通過を義務付けている。
 
航空機の奪取や航空機内での犯罪に関しては、各国とも重大な事案と認識されており、その対応に関して複数の国際条約が制定されている。
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=== 映画 ===
*{{仮リンク|ハイジャック (映画)|label=ハイジャック|en|Skyjacked (film)}}(原題:Skyjacked、1972年)
*:[[ジョン・ギラーミン]]監督、出演は[[チャールトン・ヘストン]]、[[ジェームズ・ブローリン]]、[[イヴェット・ミミュー]]、音楽[[ペリー・ボトキン・ジュニア]]。妄想に駆られた者がアメリカ合衆国の国内線旅客機を乗っ取りモスクワに行けと要求するが、ソヴィエト連邦はその受け入れを拒否する。
*[[パッセンジャー57]](1992年)
*:[[ケビン・フックス]]監督。
*[[エグゼクティブ・デシジョン]](1996年)
*:[[スチュアート・ベアード]]監督。
*[[エアフォース・ワン (映画)|エアフォース・ワン]](1997)(1997年)
*:[[ウォルフガング・ペーターゼン]]監督。[[VC-25]]「[[エアフォースワン]]」をハイジャックしたテロリストとの闘いを描く。
*[[コン・エアー]](1997年)
*:[[サイモン・ウェスト]]監督。輸送機をハイジャックした凶悪犯と元陸軍突撃隊員との闘いを描く。
*[[エア・レイジ]](2000年)
*:エド・レイモンド([[フレッド・オーレン・レイ]])監督。[[ボーイング747]]をハイジャックした[[テロリスト]]と[[特殊部隊]]の闘いを描く。劇中では何故か747の初号機のデモカラーが用いられていた。
*[[ユナイテッド93]](2006年)
*:[[ポール・グリーングラス]]監督。[[ユナイテッド航空93便テロ事件]]を扱った[[ノンフィクション]]の映画。
*[[フライト・ゲーム]](2014年)
*:[[ジャウム・コレット=セラ]]監督。 航空保安官のビル・マークスと姿の見えないハイジャック犯との戦いを描く。
 
=== 漫画・アニメ ===
*[[ゴルゴ13]](1968年 -
*:[[さいとう・たかを]]作。ゴルゴ13においても、7巻「AT PIN-HOLE!」・19巻「ジェット・ストリーム」・49巻「ガリンペイロ」・118巻「未明の標的」・134巻「高度7000メートル」などのエピソードでハイジャックが主題となっている(巻数は[[リイド社]]の[[SPコミックス]]を示す)。
*[[エロイカより愛をこめて]]
*:[[青池保子]]作。NATO情報部将校「鉄のクラウス」から「ルビヤンカ・レポート」を奪取するため、KGBの「銀のオーロラ」がロンドン発ボン行きのルフトハンザ機をハイジャックする。
 
=== 小説 ===
*シャドー81
*:ルシアン・ネイハム作。ハイジャッカーは最新鋭の[[戦闘機]]を操るパイロットで、乗っ取った機内にはいない。対象の旅客機の背後につき、後方から[[空対空ミサイル]]という“銃”を突きつけて政府を脅迫する、変り種作品。
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=== 正規の方法で行われるジャック ===
*メディアジャック(テレビ-ジャック、サイトジャック) - [[宣伝]][[広告]]としても用いられる。上記の電波ジャックもこの意で使用される場合がある。
:[[宣伝]][[広告]]としても用いられる。上記の電波ジャックもこの意で使用される場合がある。
 
== 脚注・出典 ==