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木下源造 (会話 | 投稿記録)
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{{出典の明記|date=2016年3月29日 (火) 12:58 (UTC)}}
'''幽玄'''(ゆうげん)とは、文芸・絵画・芸能・建築等、諸々の芸術領域における日本文化の基層となる理念の一つ。
 
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その後、[[能楽]]・[[禅]]・[[連歌]]・[[茶道]]・[[俳諧]]など、中世・近世以来の日本の芸術文化に影響を与え続け、今日では一般的用語としても用いられるに至っている。
 
== 概要 ==
* 物事の趣が奥深くはかりしれないこと。また、そのさま。
* 趣きが深く、高尚で優美なこと。また、そのさま。
* 気品があり、優雅なこと。また、そのさま。
* 上品でやさしいこと。そのさま。
* 中古の「もののあはれ」を受け継ぐ、[[中世]]の[[文学]]・[[芸能]]の美的理念の一。言葉に表れない、深くほのかな余情の美。
美的理念の一つ。中世芸術の中心的理念。本来中国([[後漢]])の[[典籍]]に見出される語で,原義は[[老荘思想]]や[[仏教]]の教義などが深遠でうかがい知ることができないこと、深遠微妙な性命的神秘性を意味した。[[智ギ|智顗]]はこの語を「微妙にて測り難し」、[[法蔵 (唐)|法蔵]]は「甚深」と解説している。
 
『[[古今和歌集]]』真名序や『[[本朝文粋|本朝続文粋]]』など日本の文学作品でも,神秘的で深い意味があるらしいが明確にはとらえられないという意に用いている例がある。[[歌論書]]や歌合判詞などでは,縹渺たる雰囲気をもっている作品,神仙的な優艶な気分の漂う作品,面影を彷彿させる作品などの評語としてこの語を用いる。[[藤原俊成]]が歌合判詞類に14例用いるなどこの語をしばしば用いた。次第に〈優〉〈艶〉をも包摂するようになりつつ,歌論,連歌論でしきりに用いられ,また[[能楽]]論にも応用された。[[鴨長明]]『[[無名抄]]』では言外に漂う余情であるとした。[[藤原光俊]] (真観)は優艶に近い概念としてとらえている。歌僧正徹や能楽においてはやさしい美しさ,女性的なたおやかな美と考えている。『[[古今集]]』では上古の歌の神秘な趣を「興幽玄に入る」と評し、[[壬生忠岑]]『[[和歌体十種]]』では優れた歌体である「高情体」の属性を「義幽玄に入る」と規定している。
 
このように時代により、また人や作品によりやや幅があるが最も日本的な美の一つである。
 
== 和歌の幽玄 ==