「ルーヴル・ピラミッド」の版間の差分

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ルーヴル・ピラミッドのガラスが666枚であるという説は1980年代から存在した。ルーヴル・ピラミッド建築中に出版されたルーヴルの公式案内書に、ガラスの総枚数が666枚であると、二箇所で記されていたのである(ただし、同じ公式案内書には672枚と記されている箇所もあった)。様々な新聞がこの666という数字について報道したが、最終的に完成したルーヴル・ピラミッドに使用されたガラスは、菱形603枚、三角形70枚の、計673枚だった<ref>{{cite web |url=http://www.glassonweb.com/articles/article/94 |title=Articles - Louvre Pyramid |publisher=Glass On Web |date= |accessdate=2011-01-16 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20020112004520/http://www.glassonweb.com/articles/article/94/ |archivedate=2002年1月12日 |deadlinkdate=2017年9月 }}</ref>。また、デヴィッド・シュガーツは、ルーヴル・ピラミッドのガラスは689枚だと主張した<ref>''Secrets of the Code'', edited by Dan Burstein, p. 259</ref>。シュガーツはこの枚数は、設計者のイオ・ミン・ペイの事務所から入手したものだとしている。
 
ルーヴル・ピラミッドに使用されている正確なガラスの枚数は、初歩的な数学から算出することができる。エントランスがある壁面を除く三つの壁面には、三角形のガラスが18枚使用されており、最下部には17枚の菱形のガラスが使用されている。これを[[三角数]]に当てはめると<math>\textstyle\frac{17\cdot(17+1)}{2}=153</math>となり、三角形のガラス18枚と併せたガラスの枚数は171枚と算出される。エントランスがある壁面は、他の壁面に比べて菱形のガラスが79枚、三角形のガラスが2枚、それぞれ少ない。よって菱形のガラスの総枚数は<math>4\cdot153-9=603</math>、三角形のガラスの総枚数は<math>4\cdot18-2=70</math>となり、すべてのガラスの総枚数は673枚ということになる。
 
ルーヴル・ピラミッドに使用されているガラスの枚数が666枚だという伝説が再び脚光を浴びたのは、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[小説家]][[ダン・ブラウン]]が2003年に発表した[[小説]]『[[ダ・ヴィンチ・コード]]』の影響だった。作中で主人公[[ロバート・ラングドン]]が「ミッテラン大統領の明確な指示により、このピラミッドにはぴったり六百六十六枚のガラス板が使われている-666は悪魔の数字だとする[[陰謀論]]者たちのあいだで、この奇妙な指示はつねに議論の的となってきた」という[[モノローグ]]が書かれているためである<ref>{{Cite |和書 |author = ダン・ブラウン |translator = 越前敏弥 |title = ダ・ヴィンチ・コード 上 |date = 2006 |edition = 文庫初 |publisher = [[角川書店]] |isbn = 9784042955030}}</ref>。しかしながらデヴィッド・シュガーツは、イオ・ミン・ペイ事務所の女性広報担当の話によれば、ミッテランがルーヴル・ピラミッドに使用するガラスの枚数に口出ししたことは一度もないと反論している。ルーヴル・ピラミッドに使用されているガラスの枚数が666枚だという説が、1980年代にフランスの新聞によって流布されたのは事実である。しかしながら、この女性広報担当は「古い情報を鵜呑みにして真実を確認しないのであれば、この666という数字を巡る[[都市伝説]]を信じてしまう愚かな人ということになるでしょう」としている<ref>''Secrets of the Code'', p. 259</ref>。