「国際標準模式層断面及び地点」の版間の差分

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'''国際標準模式層断面及び地点'''(こくさいひょうじゅんもしきそうだんめんおよびちてん、Global Boundary Stratotype Section and Point 略称:'''GSSP''')とは、各[[地質時代]]を区切る境界を示すものとして、国際的同意の下に定められた層序断面及び境界の位置のことである<ref name="CGTS">{{Cite book|和書|author= J. G. オッグ|coauthors= G. M. オッグ・F. M. グラッドシュタイン|translator= 鈴木寿志|title= 要説 地質時代|origyear= 2008|year= 2012|publisher= 京都大学学術出版会|pages= 1-5}}</ref><ref name="JGS">兼岡一郎 (2011) [http://www.geosociety.jp/faq/content0322.html 「地質年代表における年代数値」]日本地質学会</ref>。
 
GSSPは、[[国際地質科学連合]] (International Union of Geological Sciences, IUGS) の下部組織である[[{{ill2|国際層序委員会]]|en|International Comission on Stratigraphy}} (International Commission on Stratigraphy, ICS) の決定及び勧告に基づいたIUGSの批准によって定められる。そのほとんどは、[[化石]]記録に基づく[[古生物学]]的変化つまり生層序層準が設定の基準となっている。 GSSP の策定は1977年に始まり、2015年現在、66のGSSPが定められている<ref>国際層序委員会 (ICS) {{PDFlink|[http://www.stratigraphy.org/ICSchart/ChronostratChart2015-01.pdf ''International Stratigraphic Chart'']}}</ref><ref>国際層序委員会 (ICS) {{PDFlink|[http://www.stratigraphy.org/GSSP/GSSPTable2015-01.pdf ''GSSP Table - All Periods'']}}</ref><ref name="CGTS"/>
<!-- #段落全体は『要説 地質時代』が元です。-->
 
== 概要 ==
[[地球史]]を読み解くための基準として用いられる地質年代の定義が不正確であると、地域間の対比が行えず、地球史を理解する上で問題が生ずる。そのため、年代対比が正確に行われるための基準として、各地質年代区分の境界及びその代表的な層序が保存されている場所(模式地)を定める必要がある。これがGSSPである。したがって、その選定にあたっては「対比の有用性」が重要視され、歴史的に見て重要な地層や境界であっても、露頭への到達が難しい場所など、対比に使いにくいものである場合は、選定の対象から外されることになる<ref name="CGTS"/>
 
== 国際標準模式層断面及び地点が設定されるための必要条件 ==
GSSPを設定するには以下の5つの条件が必要とされる<ref>{{Cite book|和書|author= J. G. オッグ|coauthors= G. M. オッグ・F. M. グラッドシュタイン|translator= 鈴木寿志|title= 要説 地質時代|origyear= 2008|year= 2012|publisher= 京都大学学術出版会|pages= 4}} 表1.2参照</ref>
<!-- 以下の箇所も含めての出典です。 -->
 
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== 批准された地質階の国際標準模式層断面及び地点 ==
{{main|en:List_of_GSSPs}}
{{main|国際標準模式層断面及び地点の一覧}}
GSSPが批准され地質区分の境界が明確になると、後世の地質学者のため、模式層断面において区分境界となる箇所に「[[ゴールデン・スパイク]]」が打ち込まれる。最初に層序境界が定められたのは、当時地域によってまちまちであった[[シルル紀|シルル系]]-[[デボン紀|デボン系]]の境界である。この問題を解決するために、1972年の国際的合意の下(決議書は1977年に出版)、[[チェコ共和国]][[プラハ]]近郊の村であるクロンク (Klonk) をGSSPとすることが決定され、青銅製の銘板が置かれた<ref>{{Cite book|和書|author= J. G. オッグ|coauthors= G. M. オッグ・F. M. グラッドシュタイン|translator= 鈴木寿志|title= 要説 地質時代|origyear= 2008|year= 2012|publisher= 京都大学学術出版会|pages=62-64}}</ref>。そのため、GSSPを示す意味で「ゴールデン・スパイク」やその意匠がしばしば用いられている。
 
== 国際標準層序年代 ==
<!-- {{main|en:Global Standard Stratigraphic Age}} -->
GSSPは、保存状態のよい地質断面と鍵となる事変によって設定されるため、時代を溯るにつれて策定は困難となる。特に[[先カンブリア時代]]以前は化石記録が欠如し、当時形成された[[堆積岩]]自体が少なく、強い[[変成作用]]や擾乱を受けているなど、当時を知ることのできる情報に乏しい。そのため、先カンブリア時代層序小委員会では、100万年 ([[MA#Ma_2|Ma]]) 単位の年代数値によって細分を行うことを勧告し、これを受けてIUGSは1990年に'''国際標準層序年代''' (Global Standard Stratigraphic Age, '''GSSA''') を批准し、これによって地質時代を区分している<ref name="JGS"/><ref>{{Cite book|和書|author= J. G. オッグ|coauthors= G. M. オッグ・F. M. グラッドシュタイン|translator= 鈴木寿志|title= 要説 地質時代|origyear= 2008|year= 2012|publisher= 京都大学学術出版会|pages=24-26}}</ref>
 
== 脚注 ==