「対地接近警報装置」の版間の差分

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'''対地接近警報装置'''(たいちせっきんけいほうそうち、Ground Proximity Warning System、'''GPWS'''、Terrain Proximity Warning Systemとも)とは、[[パイロット (航空)|操縦士]]の自覚なしに[[航空機]]が地物に異常接近した場合、操縦者に警報する装置。'''地上接近警報装置'''とも言う。
 
== 概要 ==
[[電波高度計]]の対地高度・気圧変化による昇降率・離着陸形態・[[計器着陸装置|グライドスロープ]]からの偏差情報に基づき、航空機が地表に異常接近した場合に警告灯の点灯と、「上昇せよ(Pull Up)」というや「降下するな(Don't sink)」など状況に応じた音声による警報が行われる<ref name="kyokai1996">「航空電子入門」日本航空技術協会、pp.189-200。ISBN 978-4-902151-66-4</ref>。警報は回避操作が行われてから航空機が危険な状態から脱するまでの時間的余裕をもって発せられ<ref>[http://www.jal.co.jp/jiten/dict/p153.html#05-03-4 GPWS : ground proximity warning system] -航空実用辞典</ref>、航空機が危険な状態から脱するまで継続する。なお、GPWSは他の警報装置と異なり警報の作動が直接操縦者による航空機の機動に結びつくため、[[主脚]]の状態を検知することで、通常の運航や通常の進入着陸の際は警報を発しないように設計されている<ref name="kyokai1996" />
 
上記の機能に加えて、地球上の約 95 % の地形データ(空港の位置と周囲の障害物を含む)をデータベースに持ち、[[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]]等を利用して得られる航空機の正確な位置と照合して、従来のものに比べて素早く音声および画面表示による警告と情報が与えられる新型のもの (enhanced GPWS, EGPWS) もある。これは、従来の電波高度計によるGPWSでは、切り立った崖や急斜面では回避が間に合わない可能性があるためである<ref>[http://www.ana.co.jp/ana-info/ana/lounge/hard/hard2/taiti.html 対地接近警報装置] -[[全日本空輸]] Safety Information</ref>
 
== 事故 ==
* GPWSを搭載しなかったばかりに発生した事故の一つに、[[エールアンテール148便墜落事故]]がある。当時のフランスではGPWS搭載は義務化されておらず、速いのが売りのエールアンテールにとっては、GPWSは高速でのファイナルアプローチの邪魔でしかなく搭載をしていなかった。結果、最新鋭機である[[エアバスA320]]に不慣れだった事も災いし大事故発生と相成った。
 
* [[日本航空123便墜落事故]]では山が近づいてきた時にこの警報が作動したが、操作不能だった為に急上昇できず[[御巣鷹の尾根]]に激突し墜落した。
 
== 出典 ==
<references />
 
== 関連項目 ==
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== 外部リンク ==
* [http://www.ana.co.jp/ana-info/ana/lounge/hard/hard2/taiti.html 対地接近警報装置] -[[全日本空輸]]
* [http://www.jal.co.jp/jiten/dict/p153.html#05-03-4 GPWS : ground proximity warning system] -航空実用辞典
* [http://www.planecrashes.org/cockpit-sounds-and-warnings.html Cockpit Warning Sounds] - planecrashes.org
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