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英語圏では一般的に'''コレクタブルカードゲーム'''<ref>{{lang-en-short|collectible card game}}</ref>とも呼ばれる。他に'''カスタマイザブルカードゲーム'''<ref>{{lang-en-short|customizable card game}}</ref>という名称もある。
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トレーディングカードゲームとは、各[[プレイヤー]]が[[コレクション]]した[[カード]]の中から、自由に、あるいはルールに則して組み合わせたカードの束(「[[デッキ]]」と呼ぶ)を持ち寄り、2人以上で対戦を行うゲームである。原則として、デッキはプレイヤーひとりひとりが1つずつ用意し、同じタイトルでも持ち主が異なるカードやデッキを混ぜて遊ぶことはない。
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ひとつのトレーディングカードゲームには通常、何百種類という数のカードが存在し、それぞれのカードにはオリジナルモンスターやアニメーション原作などのキャラクターをはじめ、様々なイラストが描かれている。また、その描かれたイラストに合わせて、カードごとに異なった能力値や効果が与えられ、数字や文章などで表記されている。これらのカードを組み合わせて作るデッキは、非常にバリエーションに富んだものとなり、
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などといった遊び方ができるようになっている。ゲームへのモチベーションを保つための大会などのイベントも定期的に開催されている。より詳しくは[[#特徴|特徴]]を参照のこと。
トレーディングカードゲームの多くはカードに「'''レアリティ'''」「'''レアネス'''」などと呼ばれる希少度の段階を設けている。主にゲームの根幹となる基本的な効果を割り当てられたカードの希少度は低く、ゲーム内において効果の高い、あるいは複雑な効果を持つカードの希少度は高い。このように、収集性とゲームを結びつけたシステムは商業的な成功に多大な可能性を示し、特にアニメなどのキャラクターグッズとしてかなりの成功を収めている。また一部のタイトルではトレーディングカードゲームの持つ競技性を重視し、後述の『マジック:ザ・ギャザリング』のように厳密にルールを設定し、国際競技や世界大会が開催されているものもある。
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===トレーディングカードゲームの発祥
トレーディングカードゲームは[[トレーディングカード]]で遊ぶゲームである。トレーディングカードはそれ自体の観賞性などから、収集が目的となる場合が多かったが、[[トランプ]]、[[UNO (ゲーム)|UNO]]などの古典的なカードゲームの発展形として創作されてきたカードゲーム(日本では[[翔企画]]の『[[モンスターメーカー]]』、海外では『[[6ニムト!]]』などが代表であろう)からのアプローチとして、トレーディングカードの仕組みと流通形態を巧みに利用した卓上ゲーム、すなわちトレーディングカードゲームが考案された。
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またウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、1993年9月に国際公式競技組織「{{lang|en|Duelists' Convocation}}」(後のDCI)を設立、世界大会や賞金大会などを開催し、単なる娯楽とは異なる「[[マインドスポーツ]]」としてトレーディングカードゲームの競技性をアピールした。
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日本でトレーディングカードゲームが制作され始める前にも、『[[SDガンダム]]』や『[[ドラゴンボール]]』を題材とした『[[カードダス]]』や『[[Jリーグ]]カード』など、低年齢向けの単純なルールでゲームもできるトレーディングカードはあった。しかし、これらはゲームを主体としたものではなかったため、公式のルールサポートが行われていなかったり、大会などが開催されることも無かったりするなど、現在のトレーディングカードゲームの概念からは外れている部分が多い。また、1980年代後半にアメリカからの[[テーブルトークRPG]]の波及と共に日本でも『[[モンスターメーカー]]』を先駆けとしたイラスト付RPG風カードゲームが『[[ダイナマイトナース]]』を始めいくつも生まれていたが、これらはトレーディングカードゲームではなく普通のカードゲームであり、テーブルトークRPGの沈静化とともに次第に姿を消していった。
1993年にアメリカで『マジック:ザ・ギャザリング』が発売されると、日本でもテーブルトークRPG誌で紹介され、翌1994年には[[テーブルゲーム]]専門店などで輸入販売が行われるようになる。テーブルゲーム愛好家と言う限られたユーザー層ながらもアメリカ同様のブームを巻き起こすが、テキストが英語であるため、普及するにつれ日本語版の公式発売を望む声が高まっていった。
1996年に初の本格的な日本製トレーディングカードゲームとして<ref>ただしコンピュータゲーム類を含めれば、[[TOPCAT (ブランド)|TOPCAT]]の『[[ZAP!
1997年には[[富士見書房]]が、国内市場での『マジック:ザ・ギャザリング』に対する明確な対抗馬として初の本格的オリジナルキャラクターゲーム『[[モンスターコレクション]]TCG』を発売した。日本国内のファンタジー系有名イラストレーターやマンガ家を起用し、マンガ・アニメファンの取り込みを狙ったタイトルであった。その他、トレーディングカードゲーム以外の原作に依存しないオリジナルのゲームとして株式会社[[ブロッコリー (企業)|ブロッコリー]]の『[[アクエリアンエイジ]]』が生まれる。マンガ・アニメファンを狙ったトレーディングカードゲームとしては[[ガンダムシリーズ|機動戦士ガンダムシリーズ]]を主題にしたバンダイの『[[ガンダムウォー]]』、株式会社[[リーフ]]・[[アクアプラス]]の人気女性キャラクターを使った[[ティーアイ東京]]→[[イマ・エンターテイメント]]の『[[リーフファイトTCG]]』などが多く出されていくようになる。
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2003年には、男児向けのTCAGである『[[甲虫王者ムシキング]]』が登場しヒットした。のちに女児向けの『[[オシャレ魔女 ラブandベリー]]』なども人気を博しており、これらのゲーム筐体はゲームセンターはもちろん、スーパーマーケットや玩具店といったより身近な場所に置かれ、週末には順番待ちの子供の行列が出来ることもある。
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『[[マジック:ザ・ギャザリング]]』は、思考力や技術を競うことを重視して作られたタイトル(競技系トレーディングカードゲーム)であり、カードに描かれたキャラクターは重視されておらず、プレイヤーに設定されたポイントの有無で勝敗が決するなど、対戦の中心はあくまでもプレイヤーであった。なお『マジック:ザ・ギャザリング』は他のメディアを原作に持たず、背景設定などは完全にオリジナルである<ref>ただし、[[千夜一夜物語]]や[[三国志]]をモチーフにした[[#シリーズ(エキスパンション)|シリーズ]]も発売されている。</ref>。
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[[メディアクリエイト]]の調べでは、日本でのトレーディングカードゲームの市場規模は
漫画やアニメ・ゲームなどとタイアップするか、若しくはそのキャラクターを用いたタイトル(キャラクタートレーディングカードゲーム)が主なヒット作となっている。『遊戯王OCG』『デュエル・マスターズ』『 [[カードファイト!!
上記のように近年のトレーディングカードゲームでは同じ製作会社・漫画家、同系列の作品ジャンル同士を、同じタイトルとして発売することが非常に多い。これは一つの作品としては、トレーディングカードゲーム化が難しいものでも、複数の類似作品を集めることで、そのジャンルのファンを多数取り込むことが可能であり、近年の[[スター・システム (小説・アニメ・漫画)|スターシステム]]ブームが取り入れられている。また、カードに使用するキャラクターが底を突くことを防ぐ作用もある。
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2017年現在、毎年のように新たなるトレーディングカードゲームが展開され、[[パズル&ドラゴンズ|パズル&ドラゴンズ トレーディングカードゲーム]]、[[グランブルーファンタジー|グランブルーファンタジー トレーディングカードゲーム]]といったスマートフォン用アプリを原作とした商品も登場している。なお、両者は共に1年未満で商品展開を打ち切られている。
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多くのトレーディングカードゲームは、以下のような形式で販売されている。
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また公式の販売形態では任意のカードが入手しづらいため、非公式ではあるが任意のカード単体を'''シングルカード販売'''するカードショップも少なからず見られる。
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なお特殊な頒布形態として、『[[Z/X]]』は販売以外にスタータデッキの各カードを印刷してあり、切り取って使用するタイプのパンフレットとして製本して、それを店頭無料配布していた。
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パッケージにはカードが封入されているほか、プレイに必須の小道具が付属していることもある。
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また、プレイに必須ではないもののプレイに役立つ小道具が付属していることもある。それらの小道具は個別に販売されることもあるほか、自作したり代用品が用いられたりすることもある。
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トレーディングカードゲームでは、カードの普及による市場飽和や対戦環境の硬直を防ぐため、新しいカード群が定期的に追加発売される。そのため発売されるカードは、カード群ごとにひとつの'''シリーズ'''と見なされる(通常は「'''エキスパンション'''」と呼ばれる。以下「シリーズ」で統一)。これらは通常、以前のシリーズのカードと組み合わせて遊ぶこともできる。新旧の組み合わせで思わぬ効果([[#コンボとエラッタ|コンボ]])が生まれることもあり、これもトレーディングカードゲームの魅力の一つといえる。新しいシリーズが発売されると、ゲームの戦略や方向性が大きく変化し、ユーザー全体に少なからぬ影響を及ぼす事もある。
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トレーディングカードゲームは、ひとつのタイトルにつき百種類以上のカードから構成されるが、これらのカードは異なる名前と能力を持つ。また、カードの多くは「基本ルールより優先すべき特殊ルールが適用される能力」を持っている。
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トレーディングカードゲームの最大の魅力は、各プレイヤーが集めたカードの中から好きなカードを選んで、デッキ<ref>[[グループSNE]]では「デック」と称している。</ref>を構築することにある。デッキは、何百種類もの異なったカードから組み立てることができ、その組み合わせと戦略には限りがない。
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公式のカード販売形態ではカードがランダム入手となるため、必ずしもデッキの戦術・戦略に相応しいカードが入手できるとは限らない。そのため、プレイヤー同士がお互いのカードを合意の上で交換する状況がしばしば見られる。このカード交換を「トレード(trade、原義は取引)」と呼ぶ。トレーディングカードゲームの「トレーディング」とは、こうしたトレード行為を指す。
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また、カードの価値を金銭に換算してトレードを行う場合もあり、一般に「金銭トレード」と呼ばれる。金銭トレードは、個人間はもちろん、トレーディングカードゲームを販売している店舗が仲介業者として行っているケースも多々見られる。仲介業者が行う金銭トレードは、業者によるカードの単体販売と見なされ、一般に「シングルカード販売」と呼ばれる。詳細は[[#投資|投資]]を参照のこと。
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トレーディングカードゲームでは、単体のカードの効果とは別に、カードの効果を複数組み合わせることで強力な相乗効果を起こせる場合がある。これを「'''[[コンボ (ゲーム)|コンボ]]'''」「'''シナジー'''」などと呼ぶ(以下「コンボ」で統一)。強いデッキを組むためには、効果的なコンボをデッキに組み込むことがほぼ必須となっている。
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新規カードの追加など大幅な変更が行われる場合は、同時に禁止カードやエラッタが適用されることもあり、それらは発効と同時に即座にすべてのゲームに強制適用される。
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トレーディングカードゲームは『マジック:ザ・ギャザリング』を原点とするため、アメリカ英語に基づいた用語や『マジック:ザ・ギャザリング』の設定に基づいた用語が多く見られる。例えば「デッキ/デック」は本来「ひとまとまりのカード」を意味する英語 ''deck'' であり、日本語で言う「トランプ」も英語では deck である(日本では慣用的に「デッキ」と読まれるが、英語の発音は「デック」の方が近い)。また、カードを置く向きを縦向きから横向きに変えることを「タップ」(その逆にする事は「アンタップ」)と呼称するが、これは元々『マジック:ザ・ギャザリング』のルール用語であり、ウィザード・オブ・ザ・コースト社が商標登録している(ため、他のタイトルでは意図的に異なる用語が使われる<ref>例えば[[ブシロード]]系のトレーディングカードゲームでは、「スタンド」と「レスト」という用語を用い、『[[遊戯王OCG]]』では縦向きを「攻撃表示」、横向きを「守備表示」としている。</ref>)。従って、この用語を用いるトレーディングカードゲームは日本国内では『マジック』の他は『[[デュエル・マスターズ]]』以外は存在しない<ref>『デュエル・マスターズ』の発売元は『マジック』と同じ(元々『マジック』の入門版の位置付で開発された為)である。</ref>。
トレーディングカードゲームプレイヤーの年齢層は幅広く、イベントなどでは中年の専門家などと十代の少年達が、好きなトレーディングカードゲームについて活発な会話をする状況も頻繁に見受けられる。
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トレーディングカードゲームの対戦はしばしば「'''[[デュエル]]'''」(''duel''、[[決闘]]の意)と呼ばれる(ただし、アーケードカードでこの語が使われることはほとんどない)。元々は『マジック:ザ・ギャザリング』における用語であった(ただし現在では「ゲーム」に改められている)が、漫画『遊☆戯☆王』でこの語が頻繁に使用されたこともあり、トレーディングカードゲーム界隈では普遍的に用いられる。また同様の理由で、プレイヤーを「デュエリスト」と呼ぶこともある<ref>『[[カードファイト!!ヴァンガード]]』のプレイヤーは「ヴァンガードファイター」、『バディファイト』のプレイヤーは「ファイター」、『バトルスピリッツ』のプレイヤーは「カードバトラー」など、ゲームシステム毎に別の呼称を用いる場合もある。</ref>。公式の呼称で「デュエリスト」を用いるゲームは、『遊戯王OCG』以外は前述の理由により『デュエル・マスターズ』のみである。
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対戦環境の硬直を防ぐため、一定期間ごとに新しいカードが追加発売されると言うゲームの性質上、そのタイトルにおける主要な公式大会に参加し続けるには、新しいカードが発売される毎に一定量を購入し続けなければならないケースが多い(ただし、トッププレイヤー([[プロゲーマー]])の経済的理由による引退を防ぐため、一定基準(賞金額など)を満たしたプレイヤーに対して新シリーズのパックを運営者から提供するタイトルもある)。なお、アーケードカードではゲームへの参加とカードの購入は1セットなので、ゲームに参加し続ければ同時にカードを(ユーザーの意思に関わらず)購入し続けることになる。また、アーケード以外でも公式大会の中に、新作のプロモーションを兼ね、そのデッキ(スタータデッキ/ブースターパック)以外の使用出来ない条件で行われる試合を設定する場合もある。
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トレーディングカードゲームはプレイヤーが任意のカードを選んでデッキを構築するため、ゲームそのもののルールや大会のルールとは別に「使えるカードの範囲」についての制限が設けられている。この制限を「'''レギュレーション'''」「'''フォーマット'''」などと呼ぶ(以下「レギュレーション」で統一)。[[#コンボとエラッタ|コンボやエラッタ]]と同様、ルールの共通認識を取りやすいため、非公式の対戦において公式大会のレギュレーションに準じる事例は珍しくない。
トレーディングカードゲームのレギュレーションは、大きく二種類に分けられる。事前に十分な時間をかけ構築・調整されたデッキを用いる「'''構築戦'''(コンストラクテッド)」と、その場で配られたカードだけで即興で構築したデッキを用いる「'''[[限定戦 (カードゲーム)|限定戦]]'''(リミテッド)」である。構築戦・限定戦とも、さらに細かな分類がある。
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構築戦の場合、使えるカードの自由度が高いため、そのレギュレーションで使えるコンボの発見と活用、そうしたコンボへの対策を考えることが重要である。強力すぎて一方的な試合となるようなコンボを防ぐため、枚数制限や禁止カード、エラッタなどの制限が別途設けられることもある。またデッキの運用法さえ把握していれば(初心者であっても)ある程度の強さが保証されることから、公式大会の上位入賞デッキをそのまま、あるいは自己流にアレンジして使う者も少なからず見られる。
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限定戦の場合、どのカードを使えるかは運や駆け引きに拠る点が大きいため、よほどの幸運がない限りコンボは成立せず、枚数や禁止カードなどの制限は設けられていない。だが、所有カードなどの資産量に大きく左右されないという意味ではイーブンであることから、カード単体に対する全般的な知識が重要となり、即応力や記憶力などのトレーディングゲームそのものに対する基礎的な能力も求められる。その為、「プレイヤーの真の実力を見たければ限定戦」と言う者もいる。
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ほとんどのトレーディングカードゲームには、上述した販売上の共通点のみならず、ルールにもいくつかの共通点がある。ただし、一部のアーケードカードには当てはまらない点もある。
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トレーディングカードゲームはルール上の共通点も多いが、ルールの細かな差異によって異なるゲーム性を持ち、多くのタイトルを生み出す要因のひとつとなっている。以下に代表的なルールを示す。
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*自身が一定数のポイントを溜める(ダメージ制):『ヴァンガード』や『ヴァイスシュヴァルツ』等。原則として時間制限はないが、公式大会などでは開催時間の都合で時間制限が設けられる場合もある。
*プレイヤーに設定されたポイントを削って0にする(ライフ制):『マジック:ザ・ギャザリング』『遊☆戯☆王OCG』『バトルスピリッツ』など(シールドを全て失った後にダイレクトアタックを受けると敗北する『デュエル・マスターズ』もこの部類とみなされる)。
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**多くのタイトルでは、自分の山札が0になると敗北とみなされる。そのため、相手の山札を0にすることを意図的に狙う戦略(デッキ破壊)も存在している。
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トレーディングカードゲームは一般的に、一定規模の金額が投資として要求されるゲームと認識されている。その主な理由にはおよそ以下の様なものがある。
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単にデッキを構築し対戦するだけであれば、カード資産を問わない限定戦を行う、カード資産を十分に持つ者から余剰カードを分けてもらうなどの方法で、コストを掛けなくても遊ぶことができる。しかしゲームに勝利するためには戦術や戦略に基づいたデッキ構築が欠かせず、戦術や戦略に適した任意のカードを入手したいと言う欲求が投資を煽る一因となっている。
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なお[[TCAG]]においては、「カードの購入」と「プレイ料金の支払い」と「ゲームのプレイ」が一体であることから、「掘り師」や「狩り師」と呼ばれるプレイヤーが一部のゲームで問題視されている。これらについては「[[掘り師 (ゲーム)]]」を参照。
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トレーディングカードゲームのカードのほとんどは劣化しやすい紙製であるため、カードの保存状態はカードの価値を大きく左右する。特にカード裏面の傷や汚れは、裏返した状態でカードを特定する目印と見なされ、公式大会で反則対象になり得るため敬遠され、カードの価値も低く見られがちである。TCAGの場合、傷や汚れのあるカードを使用しても特に問題はないが、筐体のカード読み取りに支障をきたすため、やはり避けられる傾向にある。
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カードの状態保存と対戦でのカード使用を両立させるため、「'''(カード)スリーブ'''(card sleeve)」と呼ばれる保護袋が用いられる場合も多い。カードスリーブについての解説は[[カードスリーブ]]を参照のこと。
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トレーディングカードゲームでは、ゲーム経験が同等であっても、カード資産(所有しているカードの総量と種類)によってある程度のユーザー格差が発生する。これは、カード販売形態がランダム性を持ち、プレイに必要最低限の環境を整え維持するだけでもある程度の継続的な投資を要求されるためである。特に、新しい[[#シリーズ(エキスパンション)|シリーズ]]が発売される場合には、同様にある程度のまとまった投資が必要となる。またカードに対する知識・情報が勝利に直結することの多いトレーディングカードゲームにおいて、カード資産は(経験が少ないほど)重要な情報源となり得る。
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最近{{いつ|date=2017年8月}}では、このような後発者が圧倒的に不利となる風潮を修正するため、多くのタイトルで「構築済みデッキ」などにデッキ構築の基本となるカードや、入手が困難であった強力なカードを収録することなどで、新規参入者を確保するため努力は続けられている。ただし収録されたカードが高額カードだと、それ目的で熟練者や転売目的の者が買い占めることも多く、さらに店によっては[[希望小売価格]]より高い値をつけたり、店側で開封してシングルカードとして販売するなどして(複数入っていたレアカードがバラ売りされて、合計値は構築済みデッキを買うより高い)、結局はメーカーの意図とは裏腹に肝心のターゲットである初心者の手に渡らないという問題が発生することもある。
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トレーディングカードゲームが一定の市場とプレイヤーの規模を確立している現在では、[[オリジナルカード]]などと称する[[二次創作物]]の企画が盛んに行われている。詳細については[[オリジナルカード]]の項目を参照。
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トレーディングカードゲームは[[コンピュータゲーム]]にも影響を与えている。トレーディングカードゲームを再現したゲームは[[コンピュータゲームのジャンル]]の一つとして認められつつある。
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トレーディングカードゲームにおいて、カードの効果はルールに従って厳密に適用されるため、[[プログラム (コンピュータ)|コンピュータプログラム]]との相性は良いと言える。複雑な効果が組み合わさった場合、対戦者同士で効果の適用について揉めたり、さらには公式大会においてすら判断が割れる場合もあるが、プログラムに判定を委ねることで公正に処理できる。カードの整理や、卓上に展開する手間もコンピュータ上なら容易に解決する。反面、プログラムされた以外の遊び方が出来ない、新シリーズのデータを追加することが困難(これはオンライン化で解決可能)など、トレーディングカードゲームならではの遊びの幅を狭めてしまうという欠点もある。手元に現実のカードが残らないので、コレクションするモチベーションも低い。逆にコレクション性を重視しないプレイヤーからは高評価となる。しかし最近{{いつ|date=2017年8月}}、コレクション部分を意識したオンライントレーディングカードゲームで、ゲーム内で手に入れたカードをプレイヤーの手元に郵送する会社もできた。逆に、[[パスワード (コンピュータゲーム)|パスワード]]等を用いて、現実に手に入れたカードをゲーム内に出現させるという手法もある。同様にリアルのカードからデータを読み込む外部入力装置(スキャナやカメラ)を用いたアーケードゲーム筐体やスマホゲーム(『[[GUNDAM CROSS WAR]]』等)もある。
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