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'''家系'''(かけい)とは、血筋、血脈のことを指す。一定の血族集団の中で一定の[[階級]]または[[氏]]、[[名字|家名]]、[[家格]]、[[家業]]、家財を[[世襲]]で継承する場合、あるいは[[先祖]]伝来の[[地位]]、あるいは[[家業]]を受け継ぐ場合につかわれることが多い。類似概念としては[[家柄]]などがある。
 
== 階級・血族集団としての家系 ==
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古代、それぞれの文明圏において村落社会が形成され、侵略や服属による勢力拡大により勢力圏が形成されると、その首長の地位は、優れた者を選挙により選出する民主主義を有した国を除いて、その多くが父系または母系により形成された[[氏族]]により世襲に基づく継承がなされていった。
やがて、君主を頂点とする国家が成立するようになると、[[君主]]とその臣下の地位は世襲化されていった。
 その国家における[[皇帝]]ないし[[国王]]の地位・領土を継承する[[皇族]]や[[王族]]。さらに、臣下の位にあり、一定の領土を継承する[[公爵]]はじめとした[[爵位]]を継承する[[貴族]]や[[諸侯]]。さらに貴族・諸侯の配下として領土を保有した西欧の[[騎士]]、あるいは中国の[[卿]][[士]][[大夫]]などといった[[豪族]]など、その地位や勢力により、血族集団間の階級が生まれ、重層的な身分制を敷く封建社会が成立するようになった。このように一定の血族集団が特権的かつ優位性を有する地位・名声を連綿と継承していることを家系という。
中華文明圏の諸国を始め、儒教的価値観の影響を受けた国々や地域では、家系を重んじる価値観が強く、例えば韓国では族譜として、先祖伝来の記録を書き残す習慣が残存している。日本でも家系図に系譜を記す習慣があったが、近年では薄れてきている。
日本においても、[[天皇]]の地位は代々[[皇族]]により世襲され、[[摂政]][[関白]][[大臣]]や[[征夷大将軍|将軍]]の地位を世襲した[[公卿]]や[[武士]]など、特定の氏や家名や階級を代々継承した血族集団により独占されてきた歴史を有する。また、[[氏]]と家の概念が区別されており、家系に関する研究も盛んである。
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また、同じく職業上の家系として代表的なものは、医師や教師、その他[[弁護士]]、[[司法書士]]、[[税理士]]、[[公認会計士]]など、いわゆる[[士業]]を営む個人事務所などでは、その職業や分野に精通した親族が多い場合、親族の職業に情報を得やすい環境にあることから親の事務所を継ぐよう促される場合もある。
 
冒頭に挙げたように、古来からの慣習により、武道・芸道など特定の家系が宗家・家元としてその流派や伝統を継承している場合も、職業上の家系にあたるものである。武道でいえば剣術・居合道その他にその例をみることが出来、[[芸道]]でいえば[[能楽]]や[[歌舞伎]]もそのひとつである。または、[[表千家]]や[[裏千家]]をはじめとする[[茶道]]、[[華道]]、あるいは礼法の分野でも特定の家系による伝統の継承が見受けられる。今日では、'''二世タレント'''というように、伝統芸能によらない俳優や歌手、タレントなどの芸能人にも二世、三世が登場するようになり、あたかも職業上の家系のように見受けられる傾向もある。
 
こうした古典芸能の分野はともかく、民主主義社会においては、職業選択の自由や機会の均等が重んじられることから、一定の職業に就く者が何らかの強制が働く場合や他者よりも圧倒的優位に立つことで機会の不平等が起きることは好ましくないとする場合も多いが、実際にはこうした家系というものが多く存在する。
 
== 個人の性格・身体面における家系 ==
親族内で[[性格]]や素養、あるいは身体的な特徴などを共有する場合が多く、代々類似した個性を受け継ぐ場合、家系という概念が用いられる。
特に身体面においては[[医学]]的には[[遺伝]]により、親族で代々一定の[[病気]]が発症しやすい場合も存在し、そのような場合、「癌の家系」などと家系という概念がしばしば用いられる。