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「フリゲート」という単語は「フレガータ」({{lang|la|fregata}})を語源とする。これは[[地中海]]で用いられた[[ガレー船]]であり、複数のマストと帆、多数の橈を備えた快速船の別称であったが、のちに転じて、広く快速の帆走軍艦を指すようになった。[[イギリス海軍]]初のフリゲートは諸説あるが、一般的には、鹵獲した[[フランス]]の[[私掠船]]を模して建造され、1646年に進水した「[[:en:HMS Constant Warwick (1645)|コンスタント・ワーウィック]]」とされる{{Sfn|青木|1996}}。
 
どの程度の軍艦を「フリゲート」として類別するかは定見がなく、判然としない部分があるが、おおむね備砲24~40門程度の[[シップ (帆船)|シップ]]型の軍艦がこのように称された。一般的に[[砲列甲板]]は単層で、甲板長は40メートル程度、排水量は1,000トン程度であった{{Sfn|田中|1984}}。また[[18世紀]]ごろに備砲の数による[[イギリス海軍の等級制度|等級制度]]が整備されると、[[5等艦]]・[[6等艦]]がフリゲートとされるようになった。この時代のフリゲートは、勅任艦長(海佐艦長)が艦長に任ぜられる最小規模の軍艦であり、艦隊[[決戦]]では[[戦列艦|戦列]]には加わらずに通信の中継や損傷艦曳航などの補助的任務にあたっていた。特に快速力と高性能を活用した[[偵察]]・通報はフリゲートの独壇場であり、「艦隊の目」として若く有能な艦長が配される事が多かった{{Sfn|田中|1984}}。また決戦以外の場でも、敵国の船舶に対する[[通商破壊]]や、逆に敵の[[私掠船]]・通商破壊艦退する[[シーレーン]]防衛により、多くの戦歴が記録された{{Sfn|青木|1996}}。特に敵船の拿捕に成功すれば捕獲賞金の分配があり、海軍将兵としての薄給を遥かに上回る収入を一気に得ることができたことから、フリゲートへの乗り組みは海軍将兵の憧れの的であった。腕の良い艦長であれば年収250年分の捕獲賞金を得た例もあったとされるが、逆に捕獲賞金に釣られた艦長が商船狩りに熱中して作戦をなおざりにした例もあり、大局的見地からは弊害も少なくなかった{{Sfn|青木|1982|pp=117-118}}。
 
[[フランス革命戦争]]・[[ナポレオン戦争]]を通じて、フリゲートの大型化・火力強化が進められた。例えばイギリス海軍では、[[1794年]]の時点では[[:en:12-pounder long gun|12ポンド砲]]搭載の32門艦と28門艦が多数を占めていたが、1814年の時点では[[:en:18-pounder_long_gun|18ポンド砲]]を主砲とした38門艦と36門艦が主力となっていた。また[[アメリカ海軍]]は、1794年の再設立以降は戦列艦を持たなかったこともあって、[[:en:24-pounder long gun|24ポンド砲]]を主砲とする44門艦・36門艦と、他国よりも重武装・大型のフリゲートを主力とした。折からの英海軍の慢性的な乗員不足による戦力低下もあって、[[アメリカ独立戦争|独立戦争]]・[[米英戦争]]ではイギリス海軍のフリゲートに対して優位に立った{{Sfn|青木|1996}}。
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* {{Cite book|first=Stephen|last=Saunders|title=[[ジェーン海軍年鑑|Jane's Fighting Ships 2009-2010]]|year= 2009|publisher=[[:en:Jane's Information Group|Janes Information Group]]|isbn=978-0710628886|ref=harv}}
* {{Cite book|authorlink=:en:Eric Wertheim|first=Eric|last=Wertheim|title= [[:en:Combat Fleets of the World|The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition]]|year= 2013|publisher=Naval Institute Press|isbn=978-1591149545|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|authorlink=青木栄一 (地理学者)|last=青木|first=栄一|year=1982|title=シーパワーの世界史〈1〉海軍の誕生と帆走海軍の発達 |publisher=出版協同社|ncid=BN06116852|ref=harv}}
* {{Cite journal|和書|last=青木|first=栄一|year=1996|month=9|title=帆走フリゲイトの回顧|journal=[[世界の艦船]]|issue=514|pages=78-81|publisher=[[海人社]]|ref=harv}}
* {{Cite book|author=IISS|title=The Military Balance|year=2016|publisher=[[ラウトレッジ]]|isbn=978-1857438352|ref=harv}}