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{{出典の明記|section=1|date=2016年12月}}
[[東日本]]では角焼き餅を入れたすまし仕立て、[[西日本]]では丸餅を茹で味噌仕立てにするのが一般的ではあるが、地方による違いがある。 また土地の特産物を入れるなど、地域ごとに特色がある<ref>[http://megalodon.jp/2010-0103-1000-08/www.gsi.go.jp/WNEW/LATEST/special96-97-szouni.htm 国土地理院] 日本全国お雑煮マップ 写真付き 2010年1月3日10:00</ref><ref>[http://www.konishi.co.jp/html/fujiyama/zouni/zouni/index.html 伝承料理研究家奥村彪生 面白雑煮東西南北]</ref><ref name="oshi">[http://www.ways.co.jp/report/0311.htm 第3回 教えて下さい!行く年来る年の過ごし方]</ref>。
 
* 海でとれた[[魚]]やその加工品を入れるのは、[[岩手県]]・[[富山県]]など海沿いの各地にある。一方、海から遠い山地では野菜を多く使用する。
[[明治]]~[[大正]]に全国各地から移住者が来た[[北海道]]では、出身地(地域ごとの集団移住の場合は母村という)の作り方を引き継ぎ、近隣地域や近所の家と異なる雑煮が点在している<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25085520W7A221C1BC8000/ 小田嶋政子:雑煮は「母村」の味 移住多い北海道、食文化は全国にルーツ]『日本経済新聞』朝刊2017年12月30日(文化面)</ref>。
* 海でとれた[[魚]]やその加工品を入れるのは[[岩手県]][[富山県]]など海沿いの各地にある。一方、海から遠い山地では野菜を多く使用する。
*[[岩手県]]の[[三陸海岸]]地方では、醤油仕立ての雑煮に[[クルミ]]をすり潰して作ったタレを添え、このタレに雑煮餅をつけて食す。
* [[宮城県]]の[[仙台藩|仙台]]雑煮は伊達藩の華やかさを残す雑煮で伝え海の幸」「山の幸をふんだんに使った豪華さで有名である。 [[松島湾]]で取れた[[はぜ]]の焼き干しで出汁をとる。[[ダイコン|大根]][[ニンジン|人参]][[ゴボウ|牛蒡]]の千切りを引き菜といい、これを冷凍しておく。昔は寒い冬の夜一晩中屋外に出して凍らせたという。それに[[凍み豆腐]]、からとり([[サトイモ|里芋]]の茎を干したもの)、[[セリ]]、蒲鉾、[[筋子|はらこ]]等を入れる。餅は焼いた角餅で、醤油・塩・酒で調味する。
* [[千葉県]]北部と[[茨城県]]の一部の[[下総国|下総]]雑煮は、角焼き餅を入れたすまし仕立てで、鶏肉・ダイコン・ニンジン・サトイモ・ゴボウ・、大根、人参、里芋、牛蒡、[[コンニャク]][[青菜]]などを入れ具沢山である。[[東京]]の[[江戸]]雑煮は、具の種類に[[シイタケ|椎茸]]蒲鉾[[鳴門巻き]]が加わるが、具は少なめで、茹でた[[コマツナ|小松菜]]と[[海苔]]をのせる。[[千葉県東部]]も、角焼き餅を入れたすまし仕立てだが、具はニンジン人参と油揚げの細切りを少々入れる程度で、[[ハバノリ]]をたっぷりかけて食べる<ref>[http://www.pref.chiba.lg.jp/ninaite/recipe/furusato/ryouri09.html ちばのふるさと料理 - はば雑煮] - 千葉県ホームページ</ref>。
* [[新潟県]]の[[越後国|越後]]雑煮は、[[サケ|鮭]]の頭や身・[[イクラ]]に、ダイコン・ニンジン・ゴボウ・大根、人参、牛蒡、[[ネギ]]、コンニャク、[[銀杏]]などを入れ、切り餅を使った醤油仕立ての雑煮である。また、[[地域おこし|町おこし]]のための[[イベント]]を開催する。
* [[長野県]]の[[信州]]雑煮は、[[ブリ|塩ブリ]]を入れる。[[能登国|能登]]の塩ブリが[[飛騨高山]]を経て運ばれる。餅を茹でてから、ダイコン・ニンジン・サトイモ・大根、人参、里芋、[[ミツバ|三つ葉]]を入れ、味噌仕立てにする。なお、[[長野県]]の[[佐久地方]]雑煮は、素焼きした[[ウグイ]]の稚魚と[[セリ]]と焼角餅を入れ、醤油仕立て<ref>『立地と人々の生活』郷土版舎125頁</ref>。
* [[愛知県]]の[[尾張国|尾張]]雑煮は、削り節と醤油を合わせたすまし汁に、角餅と青菜([[名古屋]]近辺では「[[餅菜]]」と呼ばれる小松菜によく似たもの、[[豊橋都市圏|豊橋近辺]]では[[ミズナ|水菜]])を入れて煮たあと削り節をかける。
* [[京都]]の雑煮は、白味噌仕立てで、丸餅は焼かずに炊いておく。[[アワビ]][[ナマコ]]・ダイコン・、大根、親イモ子イモ、[[コンブ|昆布]]、開きゴボウ牛蒡を入れる。コンブはヨロコブに通じ、親イモは出世、子イモは子孫繁栄、ダイコン大根は根を張って安定した生活、開きゴボウ牛蒡は開運を願っている。材料が溶け込みこってりと甘く、京雑煮独特の味である。
* <span id="奈良県"></span>[[奈良県]]の雑煮は、白味噌仕立てで、[[サトイモ]]・[[ダイコン]]・里芋、大根、[[豆腐]]を入れて白一色にする家庭と、[[ニンジン]]人参を加えて紅白にする家庭がある。関西の他府県と同様の丸餅であるが、焼いて入れるのは奈良独特である。さらに奈良県の雑煮を特徴付けるのは「[[きな粉雑煮]]」である。餅を汁から取り出して別皿の[[きな粉]]を絡めて食べる。多くの奈良県民には当たり前の食べ方であるので、例えば、[[寿司]]に[[醤油]]をつけて食べるのを敢えて「醤油寿司」と言わないのと同様、通常は「きな粉雑煮」とは呼ばず、単に「雑煮」と呼んでいる。
* [[島根県|島根]]や[[鳥取県|鳥取]]の一部では、[[アズキ|小豆汁]]に餅を入れた「小豆雑煮」。また[[出雲国|出雲]]の広い範囲ですまし汁に[[十六島 (出雲市)|十六島]][[イワノリ|海苔]]など海苔を載せた雑煮を食べる。
* [[広島県|広島]]では、[[牡蠣]]が入る事もある。餅は丸餅で焼かずに茹でる。
* [[徳島県]]と[[高知県]]の県境にある[[祖谷山]]では、マイモ(サトイモ里芋の親芋)と豆腐だけが入った[[イリコ]]と昆布の出汁の澄まし汁を食べる。これはこの地では米が育たず餅が貴重品だった事に由来する。また、芋3つの上に、大きく切った豆腐を2つ十文字に重ねて載せるという特徴的な盛り付けをするが、これは平家が戦で刃を交えた様子を表しているといわれ、この見た目から「うちちがえ雑煮」と呼ばれていた。
* [[香川県]]の一部では、白みそに餡餅入りの雑煮。しかし、食べる県民と食べない県民の比率は半々であり、好みが分かれる<ref>[https://www.shikoku-np.co.jp/bl/digital_news/article.aspx?id=K2016010100000008300 アンケートでみるうどん県民の「素顔」=雑煮「あん餅派」52% 島しょ部は「あんなし」優勢 うどんは「週1以上」9割 マンバ、女性の7割超] 四国新聞 2016年1月1日</ref>。
* [[福岡県]]とその近隣では、[[トビウオ|焼きアゴ]]でダシを取り、[[カツオナ|カツオ菜]]([[高菜]]の一種)や塩[[ブリ]]等が入った[[博多]]雑煮を食べる。[[クリ|栗の木]]の枝の先端だけを削った「栗はい箸」で食べるのが伝統。
* [[長崎県]][[長崎市]]では、[[トビウオ|焼きアゴ]]ダシのすまし仕立てで、焼いた丸餅、ブリ、鶏肉、かまぼこ蒲鉾[[ハクサイ|白菜]]ニンジン人参しいたけ椎茸、[[唐人菜]](長崎白菜)またはカツオ菜など、具を必ず奇数にして入れる。[[島原市]]近隣では[[具雑煮]]といって、季節にかかわらず通年食べられる。
* [[熊本県]]では、鰹と昆布や[[スルメ]]などでだしを取り焼かない丸餅を入れ、ダイコン大根ニンジン人参ゴボウ牛蒡サトイモ里芋、椎茸、蒲鉾、ミツバ三つ葉などが入り[[肥後野菜]]の[[水前寺もやし]]なども入る。鶏肉かブリ、地域によっては[[クルマエビ|車エビ]][[タイ|鯛]][[蠣]][[ハマグリ|]]などを入れる。
* [[宮崎県]]では、[[猪肉|猪(しし肉]]入りの雑煮。
* [[沖縄県]]には現在も正月に雑煮や餅を食べる風習はなく、祝時の汁物としては[[イナムドゥチ]]や[[中身汁]]がポピュラーである。しかし同じ[[琉球王国|琉球文化圏]]に属する[[鹿児島県]][[奄美地方]]においては比較的普及している。