「毛細血管」の版間の差分

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=== 連続性毛細血管 ===
連続性毛細血管(continuous capillary)は骨格筋組織や中枢神経系など多くの組織にみられるので筋型あるいは中枢神経型の毛細血管といわれる。細胞質は薄くなっても100~200nmの厚さがあり窓は空いていない。隣接する細胞との境界のところで両細胞の縁がめくれ返るように辺縁ひだをつくることが多い。内皮細胞の外側は完全に基底膜で取り巻かれる。内皮細胞の間には密着結合が存在するがその程度は器官によって異なる。内皮細胞の細胞質を横切って両方性に巨大分子のトランスサイトーシスを示す多数の小胞が認められる。連続型毛細血管が毛細血管でもっとも一般的なタイプであり[[筋]]組織、[[皮膚]]、結合組織、[[肺]]、外分泌腺、[[胸腺]]、神経組織などに存在する。連続性毛細血管をもつ臓器では分子量が1kDa以上の水溶性の物質はほとんど血管外に移行できない<ref>臨床薬物動態学 改訂第5版 p345-360 ISBN 9784524257584</ref>
 
=== 有窓性毛細血管 ===
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=== 非連続性毛細血管 ===
非連続性毛細血管(discontinuous capillary、sinusoid capillary)は細胞内と細胞間に大小の孔がある型の毛細血管で肝臓の類洞(類洞毛細血管)にみられる。内皮細胞内の間隙は円形や卵円形の孔で、径1μmを超えるものから、50nmほどの小さい孔まである。小さい孔はふるいのように集まる傾向がある。小さい孔はふるいのように集まる傾向がある。細胞間の接合は部分的にゆるやかでしばしば1μmを超える細胞間隙をつくっている。この型の毛細血管では基底膜に相当する物質がまばらに内皮細胞の外側に存在するだけで基底膜は連続的な層をなさない。類洞はほとんど不連続な基底膜しかなく、他の毛細血管よりもはるかに大きい。30~40μmという直径を持つことで血流を遅くしているという点で、通常の毛細血管と大きく異なる。非連続性毛細血管は[[肝臓]]、[[脾臓]]、一部の内分泌器官、骨髄などで見られる。非連続性毛細血管をもつ臓器では100kDa程度の高分子でも容易に血管外に移行できる<ref>臨床薬物動態学 改訂第5版 p345-360 ISBN 9784524257584</ref>
 
 
 
=== 特殊な毛細血管 ===