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ノート:月蝕での合意
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食年(346.6201日)と12朔望月(354.3672日)には7〜8日もの差があるが、それでうまく日月が重なり、日食が起こるであろうか。太陽と月は共に30分前後の視直径であるから、ちょうど交点でなくとも、その前後の場所で出会えば食が起こり得る。その範囲は、条件により多少異なるが<ref>月が近地点にあれば大きく見えて白道上を早く移動し、地球が遠日点にあれば太陽は小さく見えて黄道上をゆっくり動く、等。</ref>、交点の前後15度から18度程度である。仮に交点から15度もしくは18度近く離れた所で月と太陽が最接近(日月の合)すれば、月は太陽の一部を隠して北極もしくは南極付近で食が見られる。その約354日後には日月は更に交点の近くで合となり(最接近し)、低緯度で中心食となる。しかしその後は月と太陽は離れる一方となり、4回程度で食は起こらなくなる。上の表で、例えば桃色の場合は南極での中心食で始まり、急速に北上して北半球で周期を終えており、水色で示した食は、北極に近い高緯度での中心食に始まり、南下して南極での部分食として終わっているのがわかる。すなわち、太陽が交点から反対側の交点に行くには173.3101日弱かかり、元の交点に戻るのには346.6201日を要する一方、6朔望月は177.1836日、12朔望月は354.3672日である。従って、月と太陽の位置のずれは回数を重ねるごとに大きくなる。それは、ある時点で日食が起きた場合、いつまでもその状況は続かず、4回ほどで途切れてしまう事を意味する。回を重ねるたびに日月の距離が大きくなり、ついには食を起こさなくなるのである。むろん、新たな周期が始まっては繰り返され、よって日食が途絶える事はないのは、表を見ても明らかである。
 
通常は交点での日月の合は1回であるが、太陽の移動速度は1日に1度というゆっくりしたものであるため、交点から離れた手前で合となって食を起こした場合、29.5306536日後に再び月が巡って来た時にもまだ食の起こる範囲内にいる場合がある。従ってこのような場合には1ヶ月足らずの間隔で日食が見られる。ただし、日月の位置の隔たりが大きいので、起きる食は高緯度での部分食がほとんどで、表の2011年がそれに当たる。まれに中心食になっても極地で辛うじて見られる程度である。
 
さて、黄道と白道は天球を取り巻く円(正確には楕円)で表わされる。これらが傾きを持って交差しているから、交点は円の中心をはさんで2ヶ所ある事はすでに何度も述べたとおりで、従って食の季節は通常は年2回であり、日食は1年に最低2回は必ず起こる。しかし、食の季節が3回になる年もある。これは、既に述べた如く、交点が太陽の動く方向と逆向きに動いている(前進している)ためである。もし交点が固定されていれば太陽は平均およそ365日周期で元の交点に戻り、これが食年となるが、実際には346.6201日でしかない。食年は1年より19日ほど短いので、年の初めに食の季節があれば、年末に3度目の食の季節が巡って来る事になる。一方、前述の通り1朔望月は29.5306日であるから、これを12倍すると約354日になり、やはり1年よりおよそ11日短い。従ってある年の1月初めに日食があれば、その年半ばと12月末の3回日食が発生する機会が訪れる。前述のように、食の季節には日食が少なくとも1回、多い時には2回起こる。よって日食は年によっては3回ないし4回、まれには5回起こる([[1935年]])。