削除された内容 追加された内容
Okritre (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
編集の要約なし
29行目:
'''ハヤシライス'''は、薄切り[[牛肉]]と[[タマネギ]]を洋風の[[ソース]]で煮たものを[[米飯]]の上にかけた料理。海外の料理をもとに日本で変化した[[洋食]]に分類される。[[近畿地方]]では'''ハイシライス'''とも呼ばれる<ref>[http://www.jiyuken.co.jp/menu/choice.html おすすめメニュー - 自由軒オフィシャルサイト]</ref><ref>[http://www.harijyu.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=44 ハイシライスソース | はり重 - すき焼き・しゃぶしゃぶ・日本料理・洋食・精肉販売・通信販売]</ref><ref>[https://news.walkerplus.com/article/111270/ 【関西の洋食】新世界「グリル梵」のヘレカツサンド!創業から変わらぬ味で今も人気 | NewsWalker]</ref>。
 
牛肉ではなく[[豚肉]]が使用される例もある<ref>{{efn2|丸善丸の内本店内のレストランでは「ポーク早矢仕ライス」が提供されている。</ref>}}。[[マッシュルーム]]やその他の具材を加えたり、彩りとして[[グリーンピース]]や[[パセリ]]などを散らすこともある。
 
ソースは[[ドミグラス]]を基本とするが、[[ブラウンソース]]や[[トマトソース]]をベースとしたものもある。家庭料理のレシピでは[[トマトケチャップ]]と[[ウスターソース]]で代用される。
家庭料理のレシピでは[[トマトケチャップ]]と[[ウスターソース]]で代用される。
 
即席の固形[[ルー (食品)|ルー]]やソースも市販されている。
40 ⟶ 39行目:
 
; ハッシュド(Hashed)・「はやす」説
: [[ハッシュドビーフ]]・ウィズ・ライス(Hashed beef with Rice<ref>{{efn2|{{Harv|柳瀬尚紀|1999|p=123-128}}では、数種類の国語辞典に記載されたハヤシライスの英語名を比較し、どれもバラバラで一定していないことを指摘している。また、『広辞苑』初版ではhashed rice(細切れにされた米)という明らかな和製英語が掲げられており、これが後の版ではHashed meat and riceというこなれた英語に変更されていることから、英語名に特に典拠があったわけではなく、改訂を進めるうちにより正しい英語に修正してしまったのではないか、と述べている。</ref>}})が「ハッシ・ライス」あるいは「ハイシ・ライス」となり、それが訛って「ハヤシライス」となったとする説。
: 言語学者の[[楳垣実]]は自著の中で、[[古語]](および古語の影響の残る方言)で「こまかく切る」という意味を持つ「はやす」という動詞<ref>{{efn2|古くは[[保元物語]]などに、切るという意味での使用例がある。標準語や[[京言葉|京都弁]]などには残っていない言葉だが、[[秋田弁]]や[[出雲弁]]などの方言にこの言葉が保存されている(→[[方言周圏論]])。</ref>}}を取り上げ、英語のハッシュド (Hashed) がハッシ・ハイシなどと訛った上で、「はやす」との意味の類推から「はやし肉」などといった語が生まれたことによって、ハヤシライスになったのであろう、と述べている<ref>{{Cite book |和書|author = 楳垣実 |year = 1944|title = 日本外来語の研究 |edition=増補版 |publisher = 青年通信社出版部|pages = p161 |ncid=BN09546381}}</ref>。
: この傍証として、[[1908年]]発行の『海軍割烹術参考書』にドライハヤシとして[[ハッシュドポテト]]の調理法が書かれており、当時Hashedをハヤシと表記した例と認められる<ref>{{Cite book |和書|author =[[高森直史]]|title =帝国海軍料理物語 : 「肉じゃが」は海軍の料理だった |publisher =[[光人社]] |series=[[NF文庫]] |date=2010-08 |page=131 |isbn=9784769826521 }}</ref>。
: ハッシュド・アンド・ライス(Hashed and rice)の変化したものと見る説もある{{Sfn|平川陽一|2003|p=256}}。
63 ⟶ 62行目:
*また、[[1907年]]には既に『固形ハヤシライスの種』という商品が発売されていたことが確認されている<ref>{{Cite book |和書 |author=澁川祐子 |year=2013 |title=ニッポン定番メニュー事始め |page=209 |publisher=彩流社 |location= |isbn=978-4-7791-1934-7 |quote= }}</ref>。
 
食文化研究家の[[小菅桂子]]は、元宮内庁大膳職主厨長だった[[秋山徳蔵]]が考案した宮内庁版ハヤシライスが元祖であるとしていた。秋山の料理は東欧料理の[[グヤーシュ]]をベースとして創作されたもので<ref>{{efn2|書籍『にっぽん洋食物語大全』{{Harv|小菅桂子|1994}}に、元[[宮内庁]]大膳課の料理人である[[渡辺誠 (料理人)|渡辺誠]]が、ハヤシライスのルーツは[[グヤーシュ]]であると自説を述べるくだりがある。</ref>}}、これが[[上野精養軒]]のコックであった「林」に伝わり「ハヤシライス」という名で世に広まったという説である。<ref>{{efn2|しかしながら秋山が宮内庁に入庁したのは1913年(大正2年)であるため、明治時代からハヤシライスが存在していたという事実とは明らかに矛盾する。</ref>}}。
 
[[銀座]]の老舗洋食店[[煉瓦亭]]三代目の木田明利は「日本橋丸善が元祖ではあるが、あれは[[チャプスイ]]に近い」とし、ドミグラスソースのハヤシライスは自店が元祖であると語っている<ref>{{Cite book |和書 |author=森まゆみ |year=2003 |title=明治・大正を食べ歩く |page= |publisher=[[PHP研究所]] |location= |isbn=978-4569632926 |quote= }}</ref>。
69 ⟶ 68行目:
1980年発行の『丸善百年史』には、丸善創業者の早矢仕が野菜のごった煮にご飯を添えたものを友人に饗応し、それが有名となって人にハヤシライスと称され、いつしかレストランのメニューにもなったとの説が書かれている。しかし、書中ではこれをあまりに話ができすぎていると指摘し、明治初年以来の洋食屋である[[神田佐久間町]]の三河屋にてハッシュ・ビーフが流行った旨を言い、「これとライスと合せて称したものが、ハヤシライスの語源に違いない。しかし三河屋も有的が贔屓にした料理屋であるから、間接に関係があるといえば、いえないこともあるまい」とも記載されている。
 
1935年発行の『季刊明治文化研究 第五輯』([[明治文化研究会]])に掲載された『早矢仕有的傳』([[蛯原八郎]]著)においても同様の説が唱えられており、有的の長男である早矢仕四郎の言葉として、「ハッシュ・ビーフ」が「ハヤシ・ビーフ」にいつの間にか転訛したのだ、と述べられている<ref>[http://www.geocities.jp/yuuteki80/raisu201.html 「丸善百年史」と「早矢仕有的傳」]</ref><ref>{{efn2| 『丸善百年史』にせよ「早矢仕有的傳」にせよ、早矢仕有的が作った「野菜のごった煮」がいかなるレシピの料理であったかは説明されていない。また、三河屋で流行ったという「ハッシュ・ビーフ」についても、日本のハッシュドビーフに相当する料理であったのか、英語のHashに相当する料理(コーンビーフハッシュに近い料理)であったのかも説明がなく、不明である。</ref>}}
 
これに対し早矢仕の子孫は、『早矢仕有的年譜』においては彼が幕末より西洋医術を学んで[[1868年]]に医院を開業し、そこで栄養失調患者に治療として食べさせたのが始まりと記述されている、と反駁している<ref>[http://www.geocities.jp/maruya80/ ハヤシライスの名前の由来]</ref>。もっとも、ドミグラスソースが日本に伝来したのは明治30年代であり、有的が作った料理については[[醤油]]か[[味噌]]の味つけだったのではないか、と丸善の広報担当者は推測しており、また「早矢仕ライス」の名で丸善のレストランで提供されたハヤシライスも、初期には[[トマト]]ベースであったと唱える説も聞かれる<ref>菊地武顕『あのメニューが生まれた店』6p 平凡社</ref>。
75 ⟶ 74行目:
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{notelist2}}
 
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
 
93 ⟶ 96行目:
{{Commonscat|Hayashi rice}}
{{columns-list|2|
* [[日本料理]]
* [[ハーシュ (料理)|ハーシュ]]
* [[ビーフシチュー]]
99 ⟶ 101行目:
* [[林家ライス・カレー子|林家ライス]] - 漫才師
}}
 
{{牛肉}}
{{米料理}}