「ミサイル」の版間の差分
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; [[弾道ミサイル]]
: [[大気圏]]上層や大気圏外を弾道飛行して目標へ到達するミサイル。射程で分類されるが明確な基準はない。ICBMだけは[[第二次戦略兵器制限交渉|SALT-II]]で射程5,500km以上の弾道ミサイルと規定されている。[[核弾頭]]を積んだ戦略ミサイルと通常弾頭を積んだ戦術ミサイルがある。
:; [[大陸間弾道ミサイル]]
:; [[中距離弾道ミサイル]]
:: 射程2,000-6,000km程度のもの。
:; [[準中距離弾道ミサイル]]
:: 射程800-1,600km程度のもの。
:; [[短距離弾道ミサイル]]
:: 射程約800km以下のもの。[[スカッド|スカッドミサイル]]もこれに入る。
:; [[潜水艦発射弾道ミサイル]]
:: 射程の長短にかかわらず[[潜水艦]]から発射される弾道ミサイルはすべてSLBMに分類される。
:; [[空中発射弾道ミサイル]]
:: 射程の長短にかかわらず[[航空機]]から発射される弾道ミサイルはすべてALBMに分類される。現在までに攻撃兵器として実戦配備されたALBMは無いが、弾道弾迎撃ミサイルの標的としてはいくつか実用化されている。
:; [[対艦弾道ミサイル]]
:: 海上の艦船を対象としたもの
:
; [[地対地ミサイル]]
: 地上から発射される対地ミサイル。
; [[空対地ミサイル]]
: 航空機から発射される対地ミサイル。
; [[艦対地ミサイル]]
: 艦船から発射される対地ミサイル。地対地ミサイル(surface-to-surface missile)の略語もSSMで混同を防ぐため、艦対地ミサイル(ship-to-surface missile)を特に区別してShSMと呼ぶこともある。
; [[対レーダーミサイル]]
: [[レーダー]]を攻撃するミサイル。誘導装置が通常の対地ミサイルとは異なるため、専用に開発・運用される。主な目標は地上配備のレーダーであるが、[[巡洋艦]]などに搭載されている艦載レーダーも攻撃することができる。航空機である[[早期警戒機]]のレーダー波を探知するミサイルは対空ミサイルに分類される。
; [[対戦車ミサイル]]
: 対戦車ミサイルは、地上の[[戦車]]や装甲/非装甲車両を攻撃することを主目的とするミサイルである。[[歩兵]]、車両、[[ヘリコプター]]から運用される。運用上の制限から小型である事が多く、誘導能力が無い[[対戦車ロケット]]も平行して配備されている。
=== 巡航ミサイル ===
[[巡航ミサイル]]
=== 対艦ミサイル ===
[[対艦ミサイル]]は水上艦船を攻撃するミサイルである。艦船の移動速度は車両と同等のため、対艦ミサイルを対地ミサイルの一部として扱う事がある。この場合の略号は {{lang|en|ship}} ではなく {{lang|en|surface}} を用いる。洋上は彼我共に探知範囲が大きくなるため対艦ミサイルは一般的な対地ミサイルより射程が長く、中には弾道ミサイルに匹敵する射程を持つミサイルもあり、これらは対艦用の巡航ミサイルとも呼べる。
; [[地対艦ミサイル]]
: 陸上から発射される対艦ミサイル。沿岸防備用兵器として配備される事が多い。車両に搭載した移動発射式のものが主体である。
; [[艦対艦ミサイル]]
: 水上艦から発射される対艦ミサイル。明示的に艦対艦ミサイルとする場合は潜水艦から発射される対艦ミサイルは含まれない事が多い。
; [[空対艦ミサイル]]
: 航空機から発射される対艦ミサイル。航空機は機動力に優れるため、このグループのミサイルの射程は他のプラットフォームから発射される対艦ミサイルより短いものが多い。
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[[画像:ASAT missile launch.jpg|thumb|250px|母機から切り離されたASATミサイル]]
対空ミサイルは空中の目標を攻撃するミサイルである。
; [[地対空ミサイル]]
: 地上から発射される対空ミサイル。拠点防空用の長射程ミサイルと野戦防空用の中短射程ミサイルに分けられる。
; [[艦対空ミサイル]]
: 艦船から発射される対空ミサイル。個艦防空用の短射程ミサイルと艦隊防空用の長射程ミサイルに分けられる。
; [[空対空ミサイル]]
: 航空機から発射される対空ミサイル。航空機同士の戦闘で使用される兵器である。視程外距離戦闘で用いられる長射程ミサイルと近距離で使用される短射程ミサイルがある。短射程ミサイルは[[ヘリコプター]]や低脅威度の航空目標への攻撃や格闘戦に用いられる。
; [[弾道弾迎撃ミサイル]]
: 空中の弾道ミサイルを迎撃するミサイル。[[宇宙空間]]の飛行中や大気圏の落下中の高速度の目標ミサイルを迎撃するためには、高度な技術が求められる。
; [[対衛星ミサイル]]
: 衛星軌道上の[[人工衛星]]を攻撃するミサイル。技術的にも政治的にもかなり特殊なミサイルである。
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ミサイルは推進装置と誘導装置を持ち、推進装置だけで誘導装置を持たない[[ロケット弾]]や、推進装置を持たず誘導装置だけを持つ[[誘導爆弾]]や誘導砲弾とは区別される。一般の[[爆弾]]や[[砲弾]]は推進装置も誘導装置も有しない。推進装置は一般に固形[[ロケット]]を使用するが、[[大陸間弾道弾]]には[[液体ロケット]]を使用するもの、[[巡航ミサイル]]には燃費の良い[[ジェットエンジン]]を使用するものがある。
軍用[[航空機]]は空を飛ぶことで目標を攻撃するが、自ら目標に向かって失われることは想定されておらず、砲弾と大砲の関係のように、別の投射体を放つためのプラットフォームとなっている兵器である
無人で放たれた後は短時間の1度限りの使用であるため、高熱や振動・圧力に起因する強度低下や再使用の整備は考慮せずに済み、比較的新しい技術を導入しやすい。
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;索敵装置
目標を捜索
;誘導装置
{{main|ミサイルの誘導方式}}
誘導装置はミサイルの先端付近に取り付けられ、目標を追跡
;安定翼
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=== 弾頭 ===
弾頭は誘導装置の直後に置かれる事が多く、ミサイルが目標を破壊するために必要な装置である。英語ではウォーヘッド
; 通常弾頭
: 核兵器や生物兵器、化学兵器以外の弾頭であり、弾頭部の重量は携帯ミサイルの数キログラムから対艦ミサイルの数百キログラムまでの幅がある。ミサイルは飛翔するために軽量であることが要求され、多くの爆弾と比べれば弾殻は薄く、肉厚高抗張力合金鋼やチタン合金で作られているものが多い。
:* 榴弾弾頭:高性能火薬を主体とした弾頭である。通常型榴弾弾頭は均質な弾殻に高性能火薬が詰められ、起爆のタイミングの違いによって内爆型と外爆型とがある。調整破片型
:* 集束型弾頭:多数のフレシェット
:* ロッド型弾頭:弾頭内に多数の金属ロッドが収められており、隣り合うロッド間の連接の有無によって連続ロッド型と不連続ロッド型がある。連続ロッド型では弾頭が爆発するとロッド同士が空中でいくつかの大きな輪を作る。不連続ロッド型ではロッド同士がバラバラで放たれる。共に航空機やミサイルの撃墜を目的に使用される。
:* 指向性爆薬弾頭:単純な炸裂弾ではなく、爆薬の爆発エネルギーによって前方や下方といった1方向にだけ高速で金属を打ち出す仕組みを持つ。[[成形炸薬弾|成形炸薬]]弾頭では高速 (7,000-9,000m/s) の棒状金属を打ち出し、[[モンロー/ノイマン効果]]により、直近にある口径の6-8倍の厚さの均質圧延鋼板を打ち抜く。前後に2つの成形炸薬弾を並べたタンデム型もある。対戦車ミサイルの弾頭で使用される。[[自己鍛造弾|自己鍛造破片]]
:* ディスペンサー:[[クラスター爆弾]]のように対人、対戦車、対滑走路用の子弾子(サブミュニション、小型爆弾)を内部に多数抱えて目標上空でこれらを散布するための運搬容器であるディスペンサーを弾頭として持つものがある。これらによって目標周辺を広範囲に制圧することができる。短距離地対地ミサイルや巡航ミサイルに搭載されている。[[MLRS]]や[[MGM-140 ATACMS|ATACMS]]の対戦車子弾子BATには誘導装置が組み込まれており、小型の[[誘導爆弾]]となっている。[[炭素繊維]]のフィラメント・ボビンを無数に詰めたディスペンサー弾頭は電力設備の配線をショートさせる。
; 核弾頭
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: [[生物兵器]]や[[化学兵器]]を搭載した弾頭。いずれも国際条約によって使用が禁止されている。
; 無弾頭
: 直撃によって目標を破壊する [[THAADミサイル]]のような運動エネルギー迎撃体
=== 信管 ===
{{main|信管}}
弾頭を起爆するための装置で、弾頭に組み込まれて使用される。英語ではフューズ
; 触接信管
: 目標へ衝突した瞬間に動作する信管。接触信管、衝撃信管とも呼ばれる。対戦車ミサイルなどで使用されるほか、大部分のミサイルでバックアップ用に装備されている。
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; 翼による空力制御
: ミサイルに取りつけた翼を動かすことでミサイルの姿勢を制御する。現状では最もポピュラーな制御方法である。宇宙空間に進出する弾道ミサイルではこの方法は使用できない。またミサイルの側面に翼が取りつけられるため体積効率が良く無い。このため保管の際には分解しておき発射直前に翼をとりつけたり、翼を機体内に格納したり機体まわりに折り畳んでおき、発射後に自動的に伸展する方法が取られる。一般には後退翼や三角翼がもちいられ、[[動翼]]と静翼の二組が取りつけられる。静翼はミサイルの方向安定を司り、大きな面積を持つ。動翼はミサイルの操縦を司り、誘導装置からの信号を元に操縦装置によって駆動される。多くは動翼を後翼とするが高機動ミサイルでは動翼を前翼とする設計もある。三角翼では翼幅が大きくなるため、スペースに制約がある艦載ミサイルでは[[スタンダードミサイル]]や[[ESSM|発展型シースパロー(ESSM)]][[艦対空ミサイル]]のようにミサイルの全長に渡って取り付けられた細長い翼を静翼とする設計が用いられる。[[ロシア]]では[[短距離弾道ミサイル]] {{lang|ru-Latn|OTR-21 Tochka}} (SS-21) に採用された「すのこ尾翼」が[[空対空ミサイル]]の R-77 でも採用された。この形式の尾翼は最小限の体積で表面積を大きく取れるため有効な操縦が可能とされる。
; 可動ノズルによる推力偏向制御
: ロケットエンジンのノズルを[[ジンバル]]やスイベルなどに載せて可動とし、ノズルの方向を変える事で推力の方向を変更しミサイルを操縦する。翼による空力制御と異なり大気圏外でも使用できるほか、翼が不要になればミサイルはコンパクトとなり体積効率が良くなる。航空機では狭い機内や機外により多くのミサイルを搭載できるようになる。ノズルの機構は複雑になる。アメリカの[[ジュピター (ミサイル)|ジュピター]][[中距離弾道ミサイル]]、[[ポラリス (ミサイル)|ポラリス]][[潜水艦発射弾道ミサイル]]、[[アスロック#VLA|VL-ASROC]][[対潜ミサイル]]等で採用されている。
; バーニアノズルによる制御
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主に艦船から発射されるミサイルでは、戦闘による被弾時や平時の火災時の誘爆を回避できないか検討されている。
固体推進剤は通常、[[爆燃]]せずに燃焼するのみであるが、火災で長時間加熱を受けると、ミサイル内部の推進剤全体が自己発火寸前の状態(スロークックオフ)となり、やがて何らかのきっかけで[[爆轟]]することが知られ(英駆逐艦[[シェフィールド (駆逐艦)|シェフィールド]]
艦船用ミサイルの推進剤に限らず、同様のリスクを低減するための弾薬は
1988年から米国防省は三軍共同で、熱や衝撃によっても予定外には爆発しない弾薬類とその周辺システムの開発を目指した、IM
例えば、固体推進剤を納めた外殻をらせん状の薄い鋼板3-4層で構成し、火災による過熱や被弾による衝撃でらせんが解けるように製造する。固体推進剤が燃える場合でも閉鎖されたモーターケース内部で爆燃や爆轟せずに、開放環境で燃焼するようなものが開発されている。
252行目:
;SSKP
:SSKP = ロックオン確率 × 誘導確率 × 任務信頼度 × 弾頭効果
;SSHP
:誘導確率:目標に直撃出来る誘導の確率
:SSHP = ロックオン確率 × 誘導確率 × 任務信頼度<ref name="ミサイル技術のすべて" />
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