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'''ヨシ'''または'''アシ'''(葦、芦、蘆、葭、[[学名]]: {{Snamei|Phragmites australis}})は、[[イネ科]][[ヨシ属]]の[[多年草]]。河川及び湖沼の水際に背の高い群落を形成する。ヨシを3ないし4の[[種 (分類学)|種]]に分ける場合があるが、一般的にはヨシ属に属する唯一の種とみなされている。[[日本]]では[[セイコノヨシ]]({{Snamei|P. karka}} (Retz.) Trin.)および[[ツルヨシ]]({{Snamei|P. japonica}} Steud.)を別種とする扱いが主流である。
 
英語で一般的に Reed と呼ばれるが、湿地に生える背の高い草の総称も{{仮リンク|リード (植物)|en|Reed (plant)}}(Reed)と呼ばれる。
 
== 日本語における原名 ==
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まっすぐに伸びる茎は木化し、[[竹]]ほどではないにせよ材として活用できる。古くから様々な形で利用され、親しまれた。日本では[[稲刈り]]の後に[[芦刈]]が行われ、各地の風物詩となっていた。軽くて丈夫な棒としてさまざまに用いられ、特に葦の茎で作った[[すだれ]]は葦簀(よしず)と呼ばれる。また、屋根材としても最適で[[茅葺]]民家の葺き替えに現在でも使われている。なお、神社の儀式で用いる「たいまつ」は、ヒデ(松の木の芯)とヨシを一緒に束ねたものを使用する場合が一般的である<ref>『神社有職故実』46頁昭和26年7月15日神社本庁発行。</ref>。
 
====船====
[[日本神話]]では[[ヒルコ]]が葦舟で流される。最近では、葦舟の製作も[[市民活動]]として行われるようになってきている。ちなみに、南米で葦舟といわれるのは、この葦ではなく、[[カヤツリグサ科]]の[[フトイ]]の仲間、古代エジプトにおいて同じく[[カヤツリグサ科]]の[[パピルス]]を使っている。
 
====楽器====
葦の茎は竹同様に中空なので、[[笛]]として加工するにもよく、[[葦笛]]というのがある。西洋の[[パンフルート]]は、長さの異なる葦笛を並べたものである。[[ギリシャ神話]]においては、妖精シュリンクスが牧神パンに追われて葦に身を変えたところ、風を受けて音がなったため牧神パンによって笛に変えられたという逸話から、その名が付けられている。古代中国における楽器、[[簫]](しょう)も同じ系統である。また、[[篳篥]]の「舌」、[[オーボエ]]や[[ファゴット]]、中東の[[クラリネット]]に似た{{仮リンク|シプシ|en|Sipsi}}と呼ばれる楽器や[[サクソフォーンズルナ]]など<ref>{{cite web|url=http://www.fromnorway.net/yaylas/zurna/zurna_faq.htm#6|title=Norwegian food, recipes from Norway,Norwegian news and link directory fromnorway.net|website=www.fromnorway.net}}</ref>、西洋[[木管楽器]]の「[[リード (楽器)|リード]]」としても活用される。勘違いされるが、英語で葦を意味するリードには幾つかの種が含まれ、本種もリードに使用されるが、多くの西洋楽器のリードに使われるのは[[ダンチク]]という種である。
 
====紙====
[[製紙]]原料のヨシ[[パルプ]]については、[[中華人民共和国|中国]][[湖南省]]の[[洞庭湖]]周辺や[[上海市]]の[[崇明島]]などで実用化され、[[トイレットペーパー]]や紙コップなどに加工されている他、旧[[ソ連]]や[[ルーマニア]]で製造工場が稼動していたことがあり、日本国内においても、[[滋賀県]]の[[琵琶湖]]産のものなどが[[名刺]]や[[ハガキ]]用に少量生産されている。
 
====その他====
この他にも、[[肥料]]、燃料、食料、[[生薬]]原料、漁具、葦ペン、ヨシパルプなどの用途があり、現在でも利用されるものや、研究が行われているものもある<ref>{{Cite book|和書
|author = 西川嘉廣