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[[オーク (トールキン)|オーク]]の出現に恐れを抱いたナンドールの一部は、レンウェの息子'''デネソール'''(Denethor)に率いられ、遅ればせながら青の山脈を越えてベレリアンドに入った。かれらは同族であるシンダールに歓迎され、山脈にほど近いオッシリアンドに住み着いた。[[モルゴス]]がシンゴル王に対してオークの軍勢を差し向けたとき、援軍要請を受けたナンドールは大挙して参戦し、合戦を勝利へと導いたが、武装が貧弱だったために受けた被害もまた大きかった。デネソールはアモン・エレブの丘の上で包囲されて討ち死にし、ナンドールはかれを悼んで新しい王をいただこうとはしなかった。
 
この戦いがナンドールに与えた恐怖は多大なものがあった。庇護を求めてシンゴル王の国に入るものも大勢おり、その中には後に[[トゥーリン]]を罵倒して殺されるサイロス(Saeros)のように国の要職につくものもいた。一方オッシリアンドに残ったものたちは、以後は戦いに打って出ることはせず、森の中に用心深く隠れ住んだ。かれらは木々に溶け込む色の服装をしていたので、「緑のエルフ」すなわち'''ライクウェンディ'''(Laiquendi)と呼ばれた。かれらはオッシリアンド最大の河[[中つ国の河川#ケ|ゲリオン]]に宿る[[ウルモ]]の力に守られ、容易には姿を見せなかったが、その歌声を遠く耳にすることはできた。そのため[[ノルドール]]は、かれらの住む土地を「楽の音の国」'''リンドン'''(Lindon)と名づけた。
 
ライクウェンディは静かな暮らしを好み、[[人間 (トールキン)|人間]]が東から来訪したときには、これを疎ましく思い追い払おうとしている。しかし戦いから完全に無縁になることはできず、合戦に敗れた[[フェアノールの息子たち]]を迎え入れたり、[[ベレン (トールキン)|ベレン]]とともにシンゴル王の国を荒らしたドワーフの討伐におもむいたこともあった。