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1970年代を中心に、アメリカのラジオ番組『[[アメリカン・トップ40]]』やアダルト・コンテンポラリー・チャートでの記録を塗り替え、[[ソフト・ロック]]や[[イージー・リスニング]]、[[アダルト・コンテンポラリー]]・ミュージックといったジャンルにおける主要なヒットメーカーとなった。ビルボード・ホット100チャートで1位となったシングルが3曲、アダルト・コンテンポラリー・シングル・チャートで1位が15曲ある。さらに、トップ10入りは12曲に及ぶ。アルバム・シングルの総売上枚数は1億枚を上回るとされている<ref name = "webbio"/>。
 
14年間の活動で、11枚のアルバム(うち『[[遙かなる影_(アルバム)|遙かなる影close to you]]』『[[カーペンターズ (アルバム)|カーペンターズ]]』『[[ア・ソング・フォー・ユー (アルバム)|ア・ソング・フォー・ユー]]』『[[ナウ・アンド・ゼン (カーペンターズのアルバム)|ナウ・アンド・ゼン]]』『[[緑の地平線〜ホライゾン]]』の5枚がトップ10シングル曲を収録)、31枚のシングル、5本のテレビ・スペシャル番組、テレビ・シリーズ番組を1本制作した。アメリカ本国をはじめ英国、日本、オーストラリア、オランダ、ベルギーなど世界各国でツアーを行った。
 
オリコンチャートブックの集計では1970年から1989年(いわゆるレコード時代)の日本での海外アーティスト別アルバム売上枚数はビートルズに次いで第2位である。シングル売上枚数は第1位。CD時代に入った後も、1995年発売のベスト盤『[[青春の輝き〜ベスト・オブ・カーペンターズ]]』が200万枚越えるセールスを記録する等、日本においても時代を超越して愛され続けているグループである。
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A&Mレコードとの契約において、リチャードとカレンはスタジオ内での自由を与えられた<ref name="mpi"/>。『[[涙の乗車券 (カーペンターズのアルバム)|オファリング]]』と題されて1969年にリリースされた彼らの最初のアルバムには、リチャードがスペクトラム時代に作曲ないし共作した楽曲もいくつか収録されている<ref name="offering">Carpenter, Richard (1969). Album notes for ''Ticket to Ride'' by The Carpenters. A&M Records. [http://musicbrainz.org/release/af34b180-66f3-42e6-bfe4-134bd038999f.html Ticket to Ride] at [[MusicBrainz]].</ref>。このアルバムにおける人気曲は、ビートルズのヒット曲をバラード風にアレンジした「[[涙の乗車券]]」で、[[ビルボード]]・ホット100で最高54位、アダルト・コンテンポラリー・チャートでトップ20位入りするなど、まずまずのヒットとなった<ref name="cr81">{{Harvnb|Coleman|1994|p=81}}</ref><ref name="allmusic">[http://www.allmusic.com/artist/carpenters-mn0000051909 Allmusic]</ref>。この曲の成功を受けて、『オファリング』は1970年に『[[涙の乗車券 (カーペンターズのアルバム)|涙の乗車券]]』へと題名を変えて再発された。
 
アルバム『涙の乗車券』のチャート・アクションは今一つ振るわなかったが、リチャードとカレンは[[バート・バカラック]]/[[ハル・デヴィッド]]作の「[[遙かなる影|close to you]]」でついに成功を手にする。このシングルは1970年にリリースされて初登場56位となり<ref name="cr85">{{Harvnb|Coleman|1994|p=85}}</ref>、1970年7月22日にはチャート1位に昇りつめ、4週にわたって首位の座を守った<ref name="mpi"/>。また1970年ビルボード誌年間ランキングでは第2位となっている。ベストセラーとなったアルバム『[[遙かなる影 (アルバム)|遙かなる影close to you]]』の収録曲からはこの曲と「[[愛のプレリュード]]」がRIAAによってゴールドディスクに認定され、同アルバムは『[[ローリング・ストーン]]』誌による『偉大なアルバム500選』 (''"[[:en:Rolling Stone's 500 Greatest Albums of All Time|500 Greatest Albums of All Time]]"'') の175位にも選ばれている<ref>[http://www.rollingstone.com/news/story/5938174/the_rs_500_greatest_albums_of_all_time/ ''Rolling Stone Magazine: 500 Greatest Albums'']</ref>。その年の最優秀新人部門をはじめとする2つのグラミー賞も受賞した。
 
遙かなる影close to you」が1位となった直後に、カーペンターズがカヴァーした「愛のプレリュード」([[ポール・ウィリアムズ (シンガーソングライター)|ポール・ウィリアムス]]/[[ロジャー・ニコルス]]作)がビルボード・ホット100で第2位となり、アダルト・コンテンポラリーチャートでは首位を7週間保持した。リチャード自身もこの曲はグループの「代表曲」だと認めている<ref name="mpi"/><ref name="allmusic"/>。この曲はもともとウィリアムズとニコルズがクロッカー・ナショナル銀行のテレビCM曲として前年に作曲したものだが、リチャードはテレビで聴いたときにその曲のヒット性にいち早く気づいたのである。「愛のプレリュード」はウィリアムズとニコルズにとって初のヒット・シングルとなった。
 
2人はその年の締めくくりとして、クリスマス・ソング「[[メリー・クリスマス・ダーリン]]」をリリースした。この曲は、カリフォルニア州立大学時代に2人の参加していた合唱団の監督を務めていたフランク・プーラーとリチャードが共作した作品で、1970年のビルボードのホリデイ・チャートで上位にランクインして、翌年以降も同チャートにたびたび登場した。
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== 評価と影響 ==
; 音楽評論家からの酷評
: カーペンターズの絶大な人気は、音楽評論家たちの批判をはねのける勢いをもっていた。バラードやミドルテンポのポップスを中心とした2人の音楽性は、批評家たちから退屈で甘ったるいと斬り捨てられていたのである。しかし、レコード業界は2人にいくつもの賞を授与した。カーペンターズはそのキャリアにおいて3度のグラミー賞を受賞している(1970年に最優秀新人賞および「遙かなる影close to you」で最優秀ボーカル・グループ賞<ref name="cr95">{{Harvnb|Coleman|1994|p=95}}</ref>、1971年に『スーパースター』で最優秀ボーカル・グループ賞<ref name="cr108"/>)。また、1973年には、投票によって第1回[[アメリカン・ミュージック・アワード]]の最優秀ポップ・ロック・デュオにも選ばれた<ref name="ama1974">{{cite web |url= http://en.wikipedia.org/w/index.php?title=American_Music_Awards_of_1974&oldid=144310426 |title= American Music Awards of 1974|accessdate=2007-12-29 |work= Wikipedia}}</ref>。
: 多くの批評家たちから「ミルクを飲んで、アップル・パイを食べて、シャワーを浴びる」といった印象だと批判されたことに対して、リチャードはインタビューにおいてたびたび「自分はミルクなど好きではないし、ワインも飲む。マリファナ合法化のために投票さえした」とまで言いながら、そうした評価を払拭しようと努めている<ref name="superstars70s">{{cite book | title= Superstars of the 70's|year= 1976|publisher= Octopus Books Limited|location= London, England|isbn= 0706404475}}</ref>。
: レイ・コールマンの著書 ''"The Carpenters: The Untold Story"'' (『カレン・カーペンター:栄光と悲劇の物語』)においてもリチャードは、カーペンターズのイメージをひたすら「清廉潔白」にしておこうと務めるA&Mの経営陣や、彼らの音楽よりも彼らのイメージばかりを批評する評論家に対して、自分がいかに嫌悪感を抱いていたかを強調している<ref name="cr109">{{Harvnb|Coleman|1994|p=109}}</ref>。<!-- 英語版では原文が長めに引用されているが、訳出は控える -->
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: 1990年代のR&Bグループ、[[ボーイズIIメン]]さえもが自分たちに影響を与えたアーティストとしてカーペンターズの名を挙げている。1990年に[[オルタナティヴ・ロック]]・バンドの[[ソニック・ユース]]は ''"Tunic (Song for Karen)"'' という曲を録音した(アルバム『[[GOO (アルバム)|GOO]]』収録)。これはカレンが新しい「友だち」の[[デニス・ウィルソン]]や[[エルヴィス・プレスリー]]、[[ジャニス・ジョプリン]]らの元を訪ねてもう一度ドラムを演奏するために家族へ別れを告げるという内容の歌である<ref name="sonicyouth">[http://www.sonicyouth.com/ sonicyouth.com]</ref>。批評家からはそのサウンドが「ソフトすぎる」と批判されていたにもかかわらず、カーペンターズを[[ロックの殿堂]]へ入れるべきだとする運動や嘆願書が数多く存在する<ref name="petition2">[http://www.gocarpenters.com/ gocarpenters.com]</ref>。
: 1994年のトリビュート・アルバム『[[イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター〜カーペンターズに捧ぐ]]』では、[[ソニック・ユース]]や[[ベティー・サーヴァート]]、[[少年ナイフ]]、[[グラント・リー・バッファロー]]、[[マシュー・スウィート]]、[[クランベリーズ]]といったアーティストによって、カーペンターズのヒット曲のオルタナティブ・ロック的解釈が試みられた<ref name="musiccity">[http://www.music-city.org/Various-Artists/If-I-Were-a-Carpenter-21765/ music-city.org]</ref>。
: カーペンターズの曲の多くは、もはやポップ・スタンダードとなっている。特に「[[遙かなる影|close to you]]」などは[[カラオケ]]で歌われることも多い。この曲は『[[バックマン家の人々]]』で挿入歌として使用され<ref name="parenthood">{{cite web |url= http://www.imdb.com/title/tt0098067/soundtrack|title= Parenthood (1989)|accessdate=2007-12-29 |work= Internet Movie Database}}</ref>、『[[ザ・シンプソンズ]]』の2つのエピソードや『[[ザ・シンプソンズ MOVIE]]』でも使われている<ref>{{cite video | people=Brooks, James L.; Groening, Matt; Jean, Al; Scully, Mike; Silverman, David; Castellaneta, Dan; Smith, Yeardley|year=2007|title=Audio commentary for [[ザ・シンプソンズ MOVIE|The Simpsons Movie]]| medium=DVD||publisher=20th Century Fox}}</ref>。代表曲の一つ「[[愛のプレリュード]]」は結婚式や披露宴の定番であり、映画『スタスキー&ハッチ』 (''"[[:en:Starsky & Hutch (film)|Starsky & Hutch]]"'')<ref name="sandh">{{cite web |url= http://www.imdb.com/title/tt0335438/soundtrack|title= Starsky & Hutch (2004)|accessdate=2007-12-29 |work= Internet Movie Database}}</ref>や『[[1408号室]]』<ref name="imdb1408">{{cite web |url= http://www.imdb.com/title/tt0450385/soundtrack|title= 1408 (2007)|accessdate=2007-12-29 |work= Internet Movie Database}}</ref>でも印象的に用いられている。「[[スーパースター (デラニー&ボニーの曲)|スーパースター]]」は[[ルーサー・ヴァンドロス]]や[[ルーベン・スタッダード]]から[[ベット・ミドラー]]、[[ソニック・ユース]]に至るまで、数多くのアーティストによってカヴァーされた。[[クレイ・エイケン]]はテレビ番組『[[アメリカン・アイドル]]』でこの曲を歌い、若い世代にもこの曲を知らしめた<ref name="realitytvworld">[http://www.realitytvworld.com/news/clay-aiken-solitaire-opens-at-%234-in-billboard-hot-100-chart-2413.php realitytvworld.com]</ref>。
: 「愛のプレリュード」と「遙かなる影close to you」は、その良質さと歴史的重要性からグラミーの殿堂入りを果している<ref name="grammyhalloffame">[http://www.grammy.org/recording-academy/awards/hall-of-fame grammy.com]</ref>。
; アーティスト達からの評価
: 自分に大きな影響を与えた人物としてカレン・カーペンターの名を挙げている現代のアーティストには、[[クリスティーナ・アギレラ]]、[[グウェン・ステファニー]]、[[シャナイア・トゥエイン]]、[[アナスタシア (歌手)|アナスタシア]]、[[メアリー・J. ブライジ]]、[[アリシア・キーズ]]、[[リアン・ライムス]]、ケリー・ジョーンズ([[ステレオフォニックス]])、ジョニー・ボーレル([[レイザーライト]])、ジョー・オメアラ([[S Club 7]])、[[マドンナ (歌手)|マドンナ]]などがいる<ref>VH1's Greatest Women of Rock and Roll</ref><ref>[http://www.famousinterview.ca/interviews/shania_twain.htm Shania Twain Interview]</ref>。
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== ディスコグラフィ ==
アメリカ合衆国のバンドカーペンターズのディスコグラフィは、14枚のスタジオ・アルバム、2枚のライブ・アルバム、11枚のコンピレーション・アルバム、3作の音楽ビデオ、1枚のトリビュート・アルバム、46枚のシングル、2枚のサウンドトラックにより構成される。その経歴を通じて、カーペンターズは解散までにリード・アーティストとして30枚のシングルをリリースした。この30枚のうち13枚がRIAAによってゴールドディスクに認定され、22枚がアダルト・コンテンポラリー・チャートのトップ10に到達した。またカーペンターズは1969年から1983年までに10枚のアルバムを発表した。そのうち6枚のアルバム(『遙かなる影close to you』、『カーペンターズ』、『ア・ソング・フォー・ユー』、『ナウ・アンド・ゼン』、『緑の地平線〜ホライゾン』、『見つめあう恋』)がビルボード・ホット100のトップ20入りした曲を収録している。
{{Main|カーペンターズのディスコグラフィ}}
 
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| 最優秀ボーカル・グループ賞
| 受賞
| style="text-align:left" | 「[[遙かなる影|close to you]]」
|-
| 最優秀レコード賞
| ノミネート
| style="text-align:left" | 『[[遙かなる影 (アルバム)|遙かなる影close to you]]』
|-
| 最優秀アルバム賞
| ノミネート
| style="text-align:left" | 『遙かなる影close to you
|-
| 最優秀アレンジメント賞
| ノミネート
| style="text-align:left" | 「遙かなる影close to you
|-
| 最優秀楽曲賞
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| 最優秀録音賞
| ノミネート
| style="text-align:left" | 『遙かなる影close to you
|-
| rowspan="5" | 1971