「趙雲」の版間の差分

建興5年（[[227年]]）、諸葛亮と共に[[北伐]]に備えて漢中に駐留した。翌6年（[[228年]]）、諸葛亮が斜谷街道を通ると宣伝すると、[[魏 (三国)|魏]]の[[曹叡]]は[[曹真]]を郿に派遣し、諸軍を率いて駐屯させた。趙雲は[[トウ芝|鄧芝]]と共にその相手をする囮となり、諸葛亮は祁山を攻めた。曹真の兵は強く、趙雲と鄧芝の兵は弱かったので、箕谷で敗北した<ref group="注釈">『漢晋春秋』によれば、曹真は箕谷に大軍を派遣したが、兵の数は趙雲と鄧芝の方が多かったという（『漢晋春秋』）。</ref>しかし曹真の兵は強く、趙雲と鄧芝の兵は弱かったので、箕谷で敗北した。趙雲が軍兵を取りまとめてよく守ったため、大敗には至らなかったが、敗北の責任として鎮軍将軍に降格された。<ref group="注釈">「諸葛亮伝」南宋の[[胡三省]]が言うには、[[晋書]]の職官志によれば、諸葛亮鎮軍将軍は「街亭（馬謖）四征将軍、四鎮将軍の上位では違命の闕があり、箕谷（る。いま趙雲・鄧芝）では不戒の失がありま、鎮東将軍から鎮軍将軍に降格した」としようだが、間違晋の制度では昇格になった人選をてした自身まう。蜀漢のせい制度である、鎮軍将軍と上奏しているうのが雑号将軍であったのだろうか。</ref>それなら降格になるから、つじつまが合う。

後に趙雲が兄の喪のために公孫瓚の下を辞して故郷へ帰ることになった時、劉備は趙雲が自らの下にもう二度と戻って来ることはないだろうと悟った、というある<ref group="注釈">[[192年]]に常山郡は袁紹の統治領となった。</ref>。

しかし建安5年（[[200年]]）、劉備が袁紹を頼って来ると、趙雲は[[ギョウ|鄴]]で久しぶりに目通りし、密かに募った数百人の兵を連れて劉備の配下となった。

劉備は入蜀時に趙雲を留営司馬に任じ、奥向きのことを取り締まらせた。[[孫権]]は劉備が自分を騙して入蜀したと聞くと、[[孫夫人]]を呉に帰らせたが、孫夫人は劉禅を連れて行こうとした。趙雲は張飛と共に長江を遮り、劉禅を奪回した<ref group="注釈">。このエピソードは『[[漢晋春秋]]』にも載っている。</ref>。

益州支配後、劉備が益州に備蓄してあった財産や農地を分配しようとした際、趙雲が反対したので劉備はそれに従ったという。[[漢中郡|漢中]]攻め（[[定軍山の戦い]]）では[[黄忠]]を救出し見事な撤退戦と[[空城計]]を演じたため、劉備から「子龍は一身これ胆なり（子龍一身都是膽也、子龍は度胸の塊の意）」と賞賛され、軍中において虎威将軍と呼ばれるようになった<ref group="注釈">。このエピソードは『[[資治通鑑]]』で採用された。</ref>にも載っている。

建興6年（228年）、曹真に敗北した趙雲が軍需物資を殆ど捨てずに退却したため、諸葛亮は恩賞として趙雲軍の将兵に分配しようとした。しかし趙雲は、敗戦にあって恩賞を出すのは道理に合わないとして固辞し、冬の備えとするよう進言した<ref group="注釈">。『[[水経注]]』によると、この撤退戦の際、赤崖より北の百余里に渡る架け橋を焼き落すことで、魏軍の追撃を断ち切っており、その後しばらくは鄧芝と共に赤崖の守りにつき、[[屯田]]を行っている。</ref>。