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'''アデノシン三リン酸'''(アデノシンさんリンさん、adenosine triphosphate)とは、[[アデノシン]]の[[リボース]](=糖)に3分子の[[リン酸]]が付き、2個の[[高エネルギーリン酸結合]]をつ[[化合物ヌクレオチド]]のこと。[[IUPAC命名法|IUPAC名]]としては「アデノシン 5'-三リン酸」。一般的には、「<refu>a</u>denosine name="daijisen"<u>デジタt</u>ri<u>p</u>hosphate」の下線部のア大辞泉【ファベットをとり、短縮形で「'''ATP'''('''エー・ティー・ピー''')」と呼ばれている。
アデノシン三リン酸】(アデノシンさんりんさん)</ref>。[[IUPAC命名法|IUPAC名]]としては「アデノシン 5'-三リン酸」。一般的には、「<u>a</u>denosine <u>t</u>ri<u>p</u>hosphate」の下線部のアルファベットをとり、短縮形で「'''ATP'''('''エー・ティー・ピー''')」と呼ばれている。
 
== 概説所在 ==
ATPは[[真核物]]や[[真正細菌]]の全てが利用している[[解糖系]]でも産生される物質であるため、地球上の生物の体内に広く分布する。生体内では、リン酸1分子が離れたり結合したりすることで、[[エネルギー]]の放出・貯蔵、あるいは物質の[[代謝]]・[[合成]]の重要な役目を果たしている<ref name="daijisen" >デジタル大辞泉【アデノシン三リン酸】(アデノシンさんりんさん)</ref>[[ヌクレオチド]]である。すべての[[真核生物]]がこれを直接利用している。生物体内の存在量や物質代謝におけるその重要性から「'''生体のエネルギー通貨'''」と形容されている。
 
== 構造とエネルギー ==
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また一方で、ATPは抑制性神経調節性伝達物質でもあり、活動電位に反応して神経から放出され、[[効果器]]に影響を与える。
 
== 用途 ==
ATPは、医薬品としても利用されている。日本では2011年現在、調節性眼精疲労の症状改善、消化管機能低下が起きている者の慢性胃炎の症状改善、心不全の症状改善、頭部外傷後遺症の症状改善に用いられる<ref>[http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/530169_3992001F1343_1_04.pdf ATP腸溶錠](p.1)</ref>。この他、2017年現在、日本ではATPの顆粒製剤のみは、メニエール病や内耳障害を原因とするめまいの改善にも用いられる<ref>[http://www.kowa-souyaku.co.jp/upload/item/5/1-pi_008.pdf ATP腸溶錠・ATP顆粒剤](p.11)</ref>。なお、消化管機能低下が起きている者の慢性胃炎については軽症患者の自覚症状の改善に有効だったとされている<ref>[http://www.kowa-souyaku.co.jp/upload/item/5/1-pi_008.pdf ATP腸溶錠・ATP顆粒剤](p.15)</ref>。
 
== 歴史 ==