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動植物の形質を'''量的形質'''と'''質的形質'''とに大別する分類がある。
 
; 質的形質(離散形質)
: 形態では、ある/なし、尖っている/丸い、1本/2本/3本など、分子では人間のABO式血液型や[[米]]の[[もち米|もち]](糯)うるち(性のように、不連続で質的な違いとして示される形質。少数あるいは単一の[[遺伝子座]]の影響を受ける。
:* )1 1遺伝子座のとき遺伝様式
:: 両親のある[[遺伝子座]]の[[遺伝子型]]をAAとaaとする。雑種第1代 (F1) はAaの1種類。F1雑種第1代どうしの交配による雑種第2代 (F2) は、AA:Aa:aa = 1:2:1に分離。
; 量的形質(連続形質)
: 人間の身長や胸囲など身体の各部の大きさのように、連続した実数で示される形質。複数[[染色体]]上の多数の遺伝子座の影響を受ける。
: 従来の[[遺伝学]]では、作用力が小さい多数の遺伝子(微働遺伝子あるいは[[ポリジーン]])によって支配されると説明されてきた。近年広まった[[量的形質遺伝子座]] (QTL) の概念を用いると、微働遺伝子はQTL量的形質遺伝子座に座乗する遺伝子とも説明できる。
なお、遺伝子レベルでは、量的あるいは質的という区分は、便宜上の区分と言ってもいい。一つの形質が、大きな作用を持つ遺伝子(主働遺伝子)と同時に微働遺伝子に支配されている場合もある。そのとき、主働遺伝子だけに着目するなら質的な取り扱いができ、微働遺伝子も同時に着目するなら量的な取り扱いをすることになる。
* 一つの形質が質的でも量的でもある例 イネ品種の米のアミロース含量(ご飯の粘り気
: 質的形質であるもちうるち性は、[[対立遺伝子]]である2つの遺伝子、優性のうるち遺伝子と劣性のもち遺伝子に支配される形質である。その差は精米の外観や炊いたご飯の粘りとして観察される。この違いは米に含まれる2種類の[[デンプン|澱粉]]の違いであり、もち米の澱粉はほぼ[[アミロペクチン]]100%であるのに対し、うるち米の澱粉はもち米にはない[[アミロース]]も含んでいる([[もち米]]参照)
: しかしながら、うるち品種の間でも、米のアミロース含量ご飯の粘り気は15%から25%程度とばらつきがある。その違いには複数の遺伝子座が関与しており、うるち品種のアミロース含量ご飯の粘り気という形質は量的形質といえる。
 
== 形質発現 ==