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[[ファイル:Insulin.jpg|thumb|300px|インスリンの[[分子構造]]]]
'''インスリン'''('''インシュリン'''、insulin)は、[[膵臓]]に存在する[[ランゲルハンス島]](膵島)のβ細胞から[[分泌]]される[[ペプチドホルモン]]の一種<ref>{{Cite web |url = https://kotobank.jp/word/インスリン-32936 |title = ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説 |publisher = コトバンク |accessdate = 2018-02-12 }}</ref>。名前は[[ラテン語]]の insula (島)に由来する。21[[アミノ酸]]残基のA鎖と、30[[アミノ酸]]残基のB鎖が2つの[[ジスルフィド結合]]を介してつながったもの。C-ペプチドは、インスリン生成の際、プロインスリンから切り放された部分を指す。
 
生理作用としては、主として[[血糖]]を抑制する作用を有する。[[インスリン]]は脂肪組織や骨格筋を中心に存在する[[グルコーストランスポーター]]の一種である[[GLUT4]]に作用し、そこから血中のグルコースを取り込ませることによって血糖値を下げる重要な役割を持つ。また[[骨格筋]]における[[アミノ酸]]、[[カリウム]]の取り込み促進と[[タンパク質]]合成の促進、[[肝臓]]における[[糖新生]]の抑制、[[グリコーゲン]]の合成促進・分解抑制、[[脂肪組織]]における糖の取り込みと利用促進、[[脂肪]]の合成促進・分解抑制などの作用により血糖を抑制し、グリコーゲンや脂肪などの各種貯蔵物質の新生を促進する。腎[[尿細管]]におけるNa再吸収促進作用もある。[[炭水化物]]を摂取すると[[小腸]]でグルコースに分解され、大量のグルコースが体内に吸収される。体内でのグルコースは、エネルギー源として重要である反面、高濃度のグルコースはその[[アルデヒド基]]の反応性の高さのため生体内の[[タンパク質]]と反応して[[糖化反応]]を起こし、生体に有害な作用([[糖尿病性神経障害]]・[[糖尿病性網膜症]]・[[糖尿病性腎症]]の微小血管障害)をもたらすため、インスリンの分泌によりその濃度(血糖)が常に一定範囲に保たれている。