「シークレット・ドクトリン」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
gif |
編集の要約なし |
||
3行目:
『'''シークレット・ドクトリン'''』(''The Secret Doctrine'')は、[[ヘレナ・P・ブラヴァツキー]]の1888年の著作<ref name=oota>[[#大田|大田 2013.]]</ref>。日本語では「秘密教義」とも表記する<ref name=oota/>。
==概要==
彼女が実在を主張する、センザルSenzar語による
全4巻の予定で、[[1888年]]に2分冊で刊行されたが未完。のちに[[アニー・ベサント]]
第1巻では宇宙の創世が、第2巻では[[レムリア]]や[[アトランティス]]を舞台とした第四
タネ本である『ジャーンの書』はKiu-te(rGyud-sde、チベット語で「タントラ部」)という[[チベット仏教]][[タントラ]]であるという意見もあり、また当時の西欧で流布していたさまざまな仏教の知識や文献の寄せ集めにすぎないとも言われている。当時鎖国していた[[チベット]]でスパイ活動をした[[サラト・チャンドラ・ダス|チャンドラ・ダース]]がチベットの経典類を大量に持ち出しており、[[ヘンリー・スティール・オルコット]]はダースに面会してこれを見ていた。人類学者の[[杉本良男]]は『ジャーンの書』が実在するにしてもしないにしても、『シークレット・ドクトリン』の背景に間諜ダースの働きがあったのは間違いないようであると述べている。ダースに経典類を渡したとしてチベットの高官センチェン・トゥルクは公開[[鞭打ち]]の上流刑になり、チベットの鎖国は一層強化された。<ref name=sugita/>
本書に叙述された人類史、根源人種
ブラヴァツキーは[[ニューエイジ]]の祖とも考えられており、岩本道人([[吉永進一]])は、『シークレット・ドクトリン』は思想的影響から見て計り知れない大著であると評している。同時に、そこでブラヴァツキーが用いた「不可視の超越者」の介入と想像力の無限の活用という手段が、20世紀のポップ・オカルティズムの氾濫の素地となったことも指摘している<ref>[[#岩本|岩本 1981.]]</ref>。
28 ⟶ 27行目:
* {{Cite book|和書|author=大田俊寛 |title=現代オカルトの根源 - 霊性進化論の光と闇 |series=ちくま新書 |publisher=筑摩書房 |year=2013 |isbn=978-4-480-06725-8 |ref = 大田}}(第一章「神智学の展開」参照)
*{{Cite journal |和書|author = 杉本良男 |title = 闇戦争と隠秘主義 : マダム・ブラヴァツキーと不可視の聖地チベット (特集 マダム・ブラヴァツキーのチベット) |date = 2003-12-10|publisher = 国立民族学博物館 |journal = 国立民族学博物館研究報告|volume = 40 |naid = 120005727192 |pages = 267-309 |ref = 杉田}}
* {{Cite book|和書|author=吉永進一・松田和也 |title=神秘学の本|publisher=学研 |year=1996 |ref={{harvid|吉永・松田|1996}}}}
* {{Cite book|和書|author=[[横山茂雄]] |title=聖別された肉体 - オカルト人種論とナチズム |series=ロサ・ミスティカ叢書 |publisher=書肆風の薔薇 |year=1990 |isbn=4-89176-236-5}}
* {{Cite book|和書|author=岩本道人 執筆 |others=荒俣宏 編集| title=世界神秘学事典 |chapter=神智学 |publisher= 平河出版社 |year=1981 |ref=岩本}}
|