「ウィリアム・カハン」の版間の差分

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1976年、[[インテル]]は[[8087]]をはじめとする自社の全製品群の浮動小数点の仕様を設計するにあたり、共同研究者としてカハンを招いた。インテルの設計と時代的には同時進行で、1977年から、[[IEEE 754]](および基数非依存の拡張版である IEEE 854)の策定も進められた。カハンはそちらでもアーキテクト代表を務めた。標準は策定に 1985 年までかかったのだが(そのためインテルは、標準化に先行する形で製品をリリースすることになった<ref>そのため、[[Intel 80287|287XL]]のように最終的に決定した仕様に合わせた修正版を出したりしている。</ref>)、最終案の仕様はカハンらが提出したものがほぼ採用されたものとなった。以上のような経緯から、カハンは「浮動小数点数の父」と呼ばれる。その後の IEEE 754 改訂作業にも貢献し、現在の [[IEEE 754]] 規格を作り出した。
 
1980年代には "paranoia" という有名なプログラムも開発した。これは浮動小数点演算に関するバグを検出するベンチマークである。1994年、これによって[[Pentium]]の[[Pentium FDIV バグ|除算バグ]]が発見され、今日でもよく使われている。また、有限の精度多数の[[浮動小数点数]]の値の合計算する<ref>2数の加算などの計算のに入り込む誤差を最、絶対値のにすさい側の数の下の桁の情報が失われ「情報落ち」は、単独の計算であれば無視して構わないものなのだが、多数の数の合計では「積み残し」などと呼ばれ、無視できない場合がある。</ref>ための重要なアルゴリズム[[カハンの加算アルゴリズム]]にも名を残す。また他に、浮動小数点演算を「正しく」行うコストに関しての、ある考察から「テーブルメーカーのジレンマ」という語で表される、ある困難さを指摘した: 「ふたつのオーバーフローもアンダーフローもしていない浮動小数点数について[[超越関数]](たとえば y<sup>w</sup> )を正しく丸めつつ計算するコストは不明である」<ref>{{Cite web|last=Kahan |first=William |title=A Logarithm Too Clever by Half |url= http://www.cs.berkeley.edu/~wkahan/LOG10HAF.TXT |accessdate=2008-11-14}}</ref>
 
彼は浮動小数点演算に関する教育に熱心で、浮動小数点数に関して間違った設計のハードウェアやプログラミング言語に対して厳しい。