「ヘヴィメタル」の版間の差分

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通例、強い[[ディストーション (音響機器)|ディストーション]]をかけ、[[リフ]]はパワーコードを主体とした力強い音でミュートを効かせながら刻む場合が多い。
 
ヘヴィメタルバンドには[[ギタリスト]]が2人いることが多い。'''[[リズムギター]]担当'''と'''[[リードギター]]担当'''に分かれている場合と、2人が同じリフを弾いて重さを増している場合や、2人が交互にギターソロを弾くこともある。スケールには'''ペンタトニック、ハーモニックマイナー、クロマチック'''などが用いられることが多い。パワーコードを比較的多く用いるので区別が曖昧だが、トニックを長調と考えた場合ハーモニックマイナーはフラメンコと同じくフリジアンスケールとなり、イングヴェイなどはフリジアンであると公言している。ヘヴィメタル全体の傾向としてIIbを意識するリフを用いることが多く、そういった場合スケールは自動的にフリジアンとなる。[[X JAPAN]]の『[[BLUE BLOOD]]』のようにリフのトニックの長三度を意識した曲も頻繁にみられる。リフにおいてルートの5度の半音下を強調的に聴かせるなど、そのスケールに固定した場合はロクリアンスケールのリフとなる。
 
====ベース====
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===バンドロゴ、アルバムジャケット、アートワーク===
スラッシュメタルのカバーアートでは[[:wen:Ed Repka|エド・レプカ]]<ref>{{cite web |url=https://www.facebook.com/pages/Ed-Repka-Illustration/135060286561078?id=135060286561078&sk=info |title=Ed Repka Illustration |accessdate=2014-09-24}}</ref>、メロディックデスメタルやブラックメタルの作品では[[クリスティアン・ヴォーリン]]<ref>{{cite web |url=http://www.kristianwahlin.se/ |title=Kristian Wåhlin |accessdate=2014-09-24}}</ref>などのように、著名なアーティストも存在している。また、[[セプティックフレッシュ]]のSeth<ref>{{cite web |url=http://www.sethsiroanton.com/ |title=SETH SIRO ANTON ART |accessdate=2014-09-24}}</ref>や[[バロネス (バンド)|バロネス]]のJohn Baizleyのように自身もメタルミュージシャンでありながら、アートワークを手がけるものもいる<ref>{{cite web |url=https://www.facebook.com/aperfectmonster |title=Official art Facebook |accessdate=2014-09-24}}</ref>。
 
バンドロゴでは、7000以上のバンドのロゴをデザインしてきた[[クリストフ・シュパイデル]]が著名なアーティストとして挙げられる<ref>{{cite book | title=Lord of the Logos | publisher=Die Gestalten Verlag | author= Christophe Szpajdel | year=2010 | isbn=3899552822}}</ref>。
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ヘヴィメタルの由来となったものとしては、[[キンクス]]の「[[ユー・リアリー・ガット・ミー]]」<ref>Weinstein (1991), p. 18; Walser (1993), p. 9</ref>など[[ビートルズ]]「[[ヘルター・スケルター]] - ''Helter Skelter''<ref>Blake (1997), p. 143</ref>」(『[[ザ・ビートルズ (アルバム)|ザ・ビートルズ]]』収録、1968年発表)がある。これらのサウンド、激しい[[リフ]]の上にシャウトするコーラス部などの音楽的な要素と、ヘルター・スケルターに影響されて[[シャロン・テート]]らを惨殺し当時大きな話題となった狂信的な悪魔崇拝者カルト集団首領[[チャールズ・マンソン]]による米国での殺人事件と結びついたイメージも後の[[パンク・ロック]]やヘヴィメタルに影響を与えた。
 
その他にも1960年代後半から[[クリーム (バンド)|クリーム]]、[[ヴァニラ・ファッジ]]、[[レッド・ツェッペリン]]、[[ディープ・パープル]]を始めとするラウドなロックが多数現れた。また、[[ステッペンウルフ]]が[[1968年]]に出した「ワイルドで行こう(ボーン・トゥ・ビー・ワイルド)」の歌詞には、[[オートバイ]](のエンジン音)を"Heavy Metal" thunderに例える箇所がある<ref>Walser (1993), p. 8</ref> 。これらのバンドも音的にヘヴィメタルな要素を多分に含んでいるが、いずれも[[ハードロック]]の範疇に留まると見なすことが多い。
 
以上のようにヘヴィメタルの源流は様々挙げられるが、いずれも後から見てヘヴィメタルを構成する一要素というレベルである。より現在のヘヴィメタルシーンにまで直接的な影響をもたらしているバンドとして、[[1970年]]デビューの[[ブラック・サバス]]がある。同年発表のファーストアルバム『[[黒い安息日]]』やサードアルバム『[[マスター・オブ・リアリティ]]』などで彼らが提示した、重々しくおどろおどろしい楽曲やダークな歌詞、奇抜なパフォーマンスは、当時のロックシーンにおいてセンセーショナルであった。
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=== 舞台はアメリカへ~産業化と全盛期 ===
1978年に[[ヴァン・ヘイレン]]がデビューアルバム「[[炎の導火線]]」でブレイクしたのを皮切りに、ヘヴィメタル・シーンはアメリカにも広がっていく<ref>Christe (2003), p. 51</ref>。[[1980年代]]に入ると、[[1970年代]]初頭のヘヴィメタルに影響を受けた[[クワイエット・ライオット]]、[[モトリー・クルー]]、[[ラット (バンド)|ラット]]、[[W.A.S.P.]]<ref>Rivadavia, Eduardo. [{{Allmusic|class=artist|id=quiet-riot-mn0000859868|pure_url=yes}} "Quiet Riot"]. Allmusic. Retrieved on March 25, 2007; Neely, Kim [http://www.rollingstone.com/artists/ratt/albums/album/211449/review/5946112/detonator "Ratt"]. Rolling Stone. Retrieved on April 3, 2007; Barry Weber & Greg Prato. [{{Allmusic|class=artist|id=mötley-crüe-mn0000500992|pure_url=yes}} "Mötley Crüe"]. Allmusic. Retrieved on April 3, 2007; Dolas, Yiannis. [http://www.rockpages.gr/detailspage.aspx?id=637&type=1&sub=%20&lang=EN "Blackie Lawless Interview"]. Rockpages. Retrieved on April 3, 2007. {{Wayback|url=http://www.rollingstone.com/artists/ratt/albums/album/211449/review/5946112/detonator|date=20071002050205|bot=DASHBot}}</ref>らの成功により[[ロサンゼルス]]の[[:wen:Sunset Strip|サンセット・ストリップ]]にあったクラブを中心としたシーンが活性化する。[[LAメタル]]、または[[グラム・メタル]]と呼ばれるジャンルが誕生する。[[ドッケン]]、[[ナイト・レンジャー]]、[[ポイズン]]、[[ブルー・スクリーム (バンド)|ブルースクリーム]]、[[L.A.ガンズ]]の他、東海岸では[[ボン・ジョヴィ]]、[[スキッド・ロウ (バンド)|スキッド・ロウ]]、[[シンデレラ (バンド)|シンデレラ]]などのバンドが次々とメジャーデビューを果たした。こうしたバンドは[[グラム・メタル]]の名に違わず、[[グラム・ロック]]の影響を受けた派手でグラマラスでなルックスと、過激ながらも基本的に陽気でノリのよいサウンドと歌詞が特徴で<ref>Christe (2003), pp. 55–57</ref>、広く若者の支持を集めることができたのである。[[MTV]]はヘヴィメタルバンドを大々的にバックアップし、産業化が進んでいくこととなる。
 
こうしてヘヴィメタルの巨大マーケットがアメリカに生まれると、それは旧来の英国市場とは比較にならない規模であり、欧州のバンドの多くがアメリカ進出を目指すようになった。ジューダス・プリーストやアイアン・メイデンといった英国の古参はもとより、英米以外の国からも多数のヘヴィメタルバンドがアメリカでも受け入れられ、特にオーストラリアの[[AC/DC]]、西ドイツ(当時)の[[スコーピオンズ]]、カナダの[[ラッシュ (カナダのバンド)|ラッシュ]]や[[トライアンフ (バンド)|トライアンフ]]等の活動が目立った。1980年代後半には[[ボン・ジョヴィ]]、[[デフ・レパード]]、[[ホワイトスネイク]]といったグループがアメリカを中心に爆発的なセールスをあげ、ドイツの[[ハロウィン (バンド)|ハロウィン]]、日本の[[LOUDNESS]]なども[[ビルボード]]のアルバムチャートに顔を出すなど、全盛期を迎えた。
 
80年代中頃には、アイアン・メイデンに影響を受けた音楽性で活動を開始した[[フェイツ・ウォーニング]]がアルバムAwaken the Guardianをリリースし、今でいう[[プログレッシブ・メタル]]の原型となるスタイルを提示した<ref name="pop">{{cite web|url=http://www.popmatters.com/music/reviews/f/fateswarning-awaken.shtml|title=FATES WARNING Awaken the Guardian (Expanded Edition)|date=2005-06-13|accessdate=2014-08-28|archiveurl=https://web.archive.org/web/20110525052311/http://www.popmatters.com/music/reviews/f/fateswarning-awaken.shtml|archivedate=2011年5月25日}}</ref>。このスタイルは後に[[ドリーム・シアター]]や[[クイーンズライク]]らによって商業的な成功を収めることとなる。
 
=== 同時期のヨーロッパ独自のシーンの発達 ===
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アメリカのアンダーグラウンドシーンでは、[[メタリカ]]、[[メガデス (バンド)|メガデス]]、[[スレイヤー]]、[[アンスラックス]]などのバンドが、[[ヴェノム (バンド)|ヴェノム]]をはじめとするNWOBHMや[[ハードコア・パンク]]の影響を受けながら、よりヘヴィで過激な音楽形態である[[スラッシュメタル]]を確立。これらはテンポの速さ、リフに重きを置いたサウンド、ダークな世界観を特徴とし、当時隆盛を極めていた[[グラム・メタル]]とは一線を画するものであった。
 
80年代後半のメタルシーンを席巻したスラッシュメタルも似通ったスタイルのバンドの乱立などで衰退していくが、フロリダではスラッシュメタルの凶暴性を突き詰めた[[デスメタル]]が<ref name="DOJO">{{cite web |url=http://www.extremethedojo.com/feature/index.cgi?no=10 |title=それぞれのメタル元年 その2 ~デス・メタル~ |publisher=[[Extreme the DOJO]] |accessdate=2014-09-24}}</ref><ref name="DOJO2">{{cite web |url=http://www.extremethedojo.com/feature/index.cgi?no=11 |title=それぞれのメタル元年 その2 ~デス・メタル~ part.2 |publisher=[[Extreme the DOJO]] |accessdate=2014-09-24}}</ref>、北欧ノルウェーでは、デスメタルを否定し80年代スラッシュメタルへの回帰を唱えて、反キリスト教のコンセプトを強調した[[ブラックメタル]]が誕生するなど<ref name="DOJO3">{{cite web |url=http://www.extremethedojo.com/column/index.cgi?no=8 |title=それぞれのメタル元年 番外編~ブラック・メタル~ ブラックメタルとは何なのか 歴史編① |publisher=[[Extreme the DOJO]] |accessdate=2014-09-24}}</ref>、その後の[[エクストリーム・メタル]]シーンの成立に大きな影響を与えるとともに、シーンの細分化が進んだ。
 
=== 古典的ヘヴィメタルの衰退~オルタナティヴ・メタルの勃興 ===
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=== 1990年代のエクストリームメタルシーン ===
1990年代初頭には、[[グレイヴ (バンド)|グレイヴ]]や[[エントゥームド]]が[[イヤーエイク・レコード]]から1stアルバムをリリースし、デビュー。後に[[メロディックデスメタル]]シーンへ多大な影響を与えることとなる[[スウェディッシュ・デスメタル]]シーンが全盛を迎えた<ref name="DOJO5">{{cite web |url=http://www.extremethedojo.com/column/index.cgi?no=24 |title=それぞれのメタル元年 番外編~ブラック・メタル~ 第9回 ノルウェジアン・ブラックメタル第2の衝撃:Darkthroneのブラックメタル転向 |publisher=[[Extreme the DOJO]] |accessdate=2014-09-24}}</ref>。
 
他方で、ノルウェーではデスメタルを"ライフメタル"と揶揄し、[[バソリー]]や[[セルティック・フロスト]]をはじめとする80年代スラッシュメタルの復権を唱えたブラックメタルシーンが大きな動きを見せていた。1992年には、それまで[[テクニカル・デスメタル]]として活動をしていた[[ダークスローン]]が2ndアルバムを発表して[[ブラックメタル]]への転向を見せ<ref name="DOJO5"/>、世界中のエクストリームファンを驚愕させたともいわれる。また、1993年にはイギリスの[[ケラング!]]誌がブラックメタル特集を大々的に行い<ref>{{cite web |url=http://www.extremethedojo.com/column/index.cgi?no=26 |title=それぞれのメタル元年 番外編~ブラック・メタル~ 第10回 ノルウェジアン・ブラックメタル第3の衝撃:Kerrang!によるブラックメタル大特集 |publisher=[[Extreme the DOJO]] |accessdate=2014-09-24}}</ref>、多くの聴衆の目をひくこととなった。
 
同じく1990年代初頭には[[トラブル (バンド)|トラブル]]が[[ドゥームメタル]]にアシッドロックの音楽性を融合させ、[[カテドラル (バンド)|カテドラル]]が[[イヤーエイク・レコード]]からデビューを果たしている。つづく1992年には[[カイアス]]<ref>{{cite web
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== ヘヴィメタルのサブジャンル ==
主に1990年代以降、時代に合わせてサウンドを変更し生き延びるバンドもあれば、衰退の波に飲み込まれて消えていくバンドもあった。その一方で、新しいサウンドや他ジャンルのサウンドを取り入れ、様々なスタイルでプレイするヘヴィメタル・バンドも誕生した。なお、下記のジャンルは定義が非常に曖昧でもある。
{{colbegin|3}}
* [[アバンギャルドメタル]]
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* [[BURRN! JAPAN]](シンコーミュージック・エンタテイメント)
* [[METAL GEAR(雑誌)|METAL GEAR]]([[ソニー・マガジンズ]])
* [[炎 (雑誌)|炎]](シンコーミュージック・エンタテイメント)
 
=== 漫画 ===
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{{ロック・ミュージック}}
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[[Category:ヘヴィメタル|*]]