「古田重然」の版間の差分

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博多の豪商、[[神屋宗湛]]は、織部の茶碗を見た時、その斬新さに驚き、「セト茶碗ヒツミ候也。ヘウゲモノ也」と、『宗湛日記』に書いている。なお、織部が用いた「破調の美」の表現法に器をわざと壊して継ぎ合わせ、そこに生じる美を楽しむという方法があり、その実例として、大きさを縮めるために茶碗を十字に断ち切って漆で再接着した「[[高麗茶碗|大井戸茶碗]] 銘須弥 別銘十文字{{Efn|[[三井記念美術館]]蔵}}」や、墨跡を2つに断ち切った「流れ圜悟(ながれえんご)」{{Efn|[[国宝]]、[[東京国立博物館]]蔵}}があげられる{{Efn|ただし、掛け物を切断する行為は他の茶人も行っており、織部が常習犯のように器物を壊していたわけではない{{Sfn|桑田忠親|1990|p=181}}。}}。
 
織部について[[加藤唐九郎]]は「利休は自然の中から[[美]]を見いだした人だが作り出した人ではない。織部は美を作り出した人で、芸術としての陶器は織部から始まっている」と述べた<ref>[[海音寺潮五郎]]「日本の名匠」[[中公文庫]]</ref>。[[司馬遼太郎]]は「おそらく世界の造形芸術史のなかで、こんにちでいう前衛精神をもった最初の人物ではないかとおもう」とその芸術志向を評している<ref>{{Cite book|和書|author=司馬遼太郎|title=人斬り以蔵|series=新潮文庫|isbn=978-4101152035|loc=解説より}}</ref>。なお、織部が利休死後、他の名だたる茶人たちを抑えて「天下一の茶の湯名人」と謳われたのは、織部のもつ大名という高い身分の力もあるという見方がある{{Sfn|桑田忠親|1990|p=71}}。
 
== 逸話・伝承 ==
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*:構成里中満智子、作画村野守美の漫画。ISBN 4889916717、{{ISBN|978-4889916713}}。
*『割って、城を』
*:織部を主人公とした[[司馬遼太郎]]の短編小説。松坂城主[[古田重勝]]との混同がみられる。『[[文藝春秋|別冊文藝春秋]]』1963年38号に発表。新潮文庫『人斬り以蔵』(ISBN 978-4101152035)に収録。
*:同作収録の文庫本解説で司馬は「おそらく世界の造形芸術史のなかで、こんにちでいう前衛精神をもった最初の人物ではないかとおもう」とその芸術志向を評している<ref>{{Cite book|和書|author=司馬遼太郎|title=人斬り以蔵|series=新潮文庫|isbn=978-4101152035|loc=解説より}}</ref>。
*『へうげの茶』
*:古田織部を主人公にした仁志耕一郎の掌編小説。『小説すばる』2016年12月号(集英社)に掲載。集英社文庫『時代小説 ザ・ベスト2017」(ISBN 978-4087456028) に収録。
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* [[熊倉功夫]]編『茶道聚錦 織部・遠州・千宗旦』[[小学館]] 、1983年10月
<!--表示順:個人名=Ko,Kuma,Kuwa,Ya. 団体名= -->
* {{Cite book|和書 |author=[[桑田忠親]] |authorlink=桑田忠親|origdate=1968|dateyear=1977|title=古田織部―人と茶の芸術 |edition=再版 |series=美術・趣味シリーズ |volume= |publisher=[[徳間書店]] |asin=B000JA5VJ6 |ref=Kuwata 1968}}
** {{Cite book|和書 |author=桑田忠親 |date=1990年7月10日 |title=古田織部の茶道 |series=[[講談社学術文庫]] |publisher=[[講談社]] |isbn=4-06-158932-6 |ref=harv}}ISBN 978-4-06-158932-2。
* {{Cite book|和書 |author=[[矢部良明]] |authorlink=矢部良明|date=1999年7月25日 |title=古田織部―桃山文化を演出する|series=[[角川学芸出版|角川叢書]] |publisher=[[角川書店]] |isbn=4-04-702108-3 |ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author=宮下玄覇|authorlink=宮下玄覇|date=2014年6月11日 |title=古田織部の世界|publisher=[[宮帯出版社]] |isbn=978-4862653420 |ref=Miyashita 2014}}
|series=[[角川学芸出版|角川叢書]] |publisher=[[角川書店]] |isbn=4-04-702108-3 |ref=harv}}ISBN 978-4-04-702108-2。
* {{Cite bookCitation|和書 |authoreditor=[[宮下玄覇]]古田織部四百年遠忌追善茶会実行委員会 |date=2014年6121131日 |title=古田織部の世界四百年忌図録(古田織部に関する誤伝と道統)
|publisher=[[宮帯出版社]] |isbn=978-48626534204801600102 |ref=MiyashitaFuruta 2014}}ISBN 978-4-8016-0001-0。
* {{Cite book|和書 |author=古田織部四百年遠忌追善茶会実行委員会 |date=2014年12月31日 |title=古田織部四百年忌図録(古田織部に関する誤伝と道統)
|publisher=[[宮帯出版社]] |isbn=978-4801600102 |ref=Furuta 2014}}ISBN 978-4-8016-0010-2。
* 諏訪勝則『古田織部 美の革命を起こした武家茶人』[[中公新書]]、2016年1月25日。ISBN 978-4-12-102357-5
; 雑誌
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; 展覧会図録
* {{Cite book|和書 |author=[[桑田忠親]] |coauthors=[[加藤土師萌]] |date=1967年 |title=織部 陶芸指導者・大茶人・戦国大名としての古田織部のすべて |publisher=[[京王百貨店]] |isbn= |ref=Kuwata et Kato 1967}}
* {{Cite bookCitation|和書 |url= http://www.geocities.jp/hpam_hiroshima/backnumber/2000UedaSoko.html |editor=秀吉・織部と上田宗箇展実行委員会|dateyear=2000|month=1|title=よみがえる桃山の茶 秀吉・織部と上田宗箇展 |publisher=[[広島県立美術館]] |isbn= |ref=HPAM 2000}}
* {{Citation|和書|editor=佐野美術館|editorlink=佐野美術館|year=1995|month=10|title=利休・織部・遠州の書 侘びと風雅の筆あと』[[佐野美術館]]、1995年10月、ISBN |isbn=978-4-915857-34-8}}
* [[{{Citation|和書|author=宮下玄覇]] 監修『没後四百年 古田織部展 補訂版』|editor=古田織部展実行委員会([[|year=2015|month=11|title=利休・織部・遠州の書 侘びと風雅の筆あと|publisher=宮帯出版社]]発売)、2015年11月、ISBN |isbn=978-4-8016-0036-2}}
* {{Citation|和書|editor=古田織部美術館|year=2016|month=12|title=豊後『古田家譜』-古田織部の記録-(|edition=改訂版)』古田織部美術館編([[|publisher=宮帯出版社]]発売)}}
 
== 関連項目 ==