削除された内容 追加された内容
15行目:
== 鉄道車両の台枠 ==
=== 旅客車 ===
[[木造]]車両の時代の[[旅客車]]では、鋼製の台枠が単独で車体強度を維持しており、車体の垂直部材、すなわち妻構(車体の前後端)・側構・屋根構などの車体を構成する構体は木材(欅や米松やチーク材などの堅木)で組み立てられ、台枠の上で自らの強度を保てる範囲で設計された。しかし、台車が2軸車からボギー式の2軸台車や3軸台車となると、木造車では強度が不充分となり、後に登場した半鋼製車は妻構や側構の骨組や屋根構の骨組みに鋼材、外板に[[鋼]]板を使用し、屋根構の天井材や屋根材、床板や内装材は[[木材]]を使用とする車体構造となったが、車内に木材を使用しているため、耐火性に問題があり、より安全性を高めるため、内装にも([[鉄道車両の座席|座席]]など一部を除き)金属を使用して、すべてを鋼製化した鋼製車体となり、台枠や各構体がバラバラに荷重を負担させる構造から車体全体の構造部材(台枠のみならず妻構・側構・屋根構の外板や骨組み全体)で荷重を負担することで車体の軽量化を図ったモノコック構造となった。さらにステンレススチール材や使アルミニウム合金を使用するステンレス製車体やアルミニウム合金車体を使用する今日の車両にも主要な強度部材は台枠が担う。
 
台枠は、これらが支える構体や床上に座席などの車内設備品や[[旅客]]・[[貨物]]などの荷重を支え、床下に吊下される機器類の重量吊り下げており、[[鉄道車両の台車|台車]]を介してこれらの重量を[[軌条|レール]]に伝えるよう、また[[増解結|連結]]時などの車端衝撃を受けるように構成される。連結運転時において、絶えず繰り返し荷重を受ける車体構造上の最も重要な部分であり、重量的にも厚板を使用するため、構体重量に占める割合が大きい部分である。基本的な構造は次のような部材から構成される。
; 側梁(がわばり、そくばり): 外側面の長手方向の梁である。車両の部材中最も長く、中央で大きな曲げ応力を負担する。貨物車や旧型の旅客車では、この部分を垂直方向に膨らませて断面係数を高く取り、曲げ応力に耐えられるようにした構造が見られる。このような形状は、魚の下向きに膨らんだ腹部を思わせることから「魚腹型」と呼ばれる。また、より古い形式の旅客車では、垂直荷重を受ける[[トラス]]棒という構造物をその下に設けて下向きのたわみ(垂下、スウェイダウン)をおさえる形で垂直荷重を受けるものもあった。
; 端梁(はしばり、たんばり): 前後端の横方向の梁である。先頭車においては、[[衝突]]時に台枠が相手の台枠より上に乗り上げて台枠上の構体を刈り取るように破壊することを防ぐための部材として、「[[アンチクライマー|アンチクライマ]]」が取り付けられることがある。