「ガンバレル型」の版間の差分

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ガンバレル型はインプロージョン型と比べ、弾体が大きくなり小型化しづらいほか、核反応の効率が悪く、必要となる核物質量が多くなるという短所を持つ。インプロージョン型に比べ、安全性が低いという問題もある。インプロージョン型は、元来通常状態での臨界量に不足した核物質で作られているため、臨界状態になりづらく、その上、[[爆縮レンズ]]の火薬を制御することにより、比較的容易に核爆発を阻止できる。
 
しかし、 ガンバレル型では元々臨界量を超える核物質が組み込まれており、核爆発事故の阻止のためには核物質の厳重な隔離が安全性につながるが、これは核物質を衝突させるという基本原理に反している。このため、核物質の厳重な隔離構造とすることが容易ではない。事故や墜落などにより爆弾に衝撃が加わり、核物質同士が衝突・近接した場合に核爆発事故の可能性はあり、洋上に墜落し爆弾内部に海水が浸入した場合でも、[[中性子]]の減速により臨界に達する可能性がある。
 
装置の大きさ・重量や核反応の効率、安全性の問題などにより、ガンバレル型の核兵器は初期の核兵器に用いられたのみであり、以降はインプロージョン型が用いられるようになった。アメリカ合衆国の核兵器では1950年代を最後にそれ以降実用化されていない。[[イギリス]]や[[フランス]]の核兵器では用いられていない。[[南アフリカ共和国|南アフリカ]]が一時保有した核兵器については、ガンバレル型があったものと推測されている。