「モンテ・クリスト伯」の版間の差分

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[[ファイル:Montecristo_islet.jpg|thumb|250px|right|モンテクリスト島]]
; 謀略により逮捕
: 1815年、[[ナポレオン・ボナパルト]]が[[フランス帝国]]の皇帝位を逐われて[[エルバ島]]へ追放されていた頃。[[マルセイユ]]の船乗り'''エドモン・ダンテス'''は、航海中に死んだ船長の遺言でエルバ島に立ち寄り、ナポレオンに面会する。そこでナポレオンの側近の[[アンリ・ガティアン・ベルトラン|ベルトラン大元帥]]に小荷物を届け、同席していたナポレオンとも面会する。そしてベルトランから、[[パリ]]のノワルティエという人物に宛てた手紙を託される。航海から戻ったダンテスは、船主のモレル氏から新たな船長への昇格を約束される。
: それを聞いた会計士の'''ダングラール'''は、若輩であるダンテスの出世を妬み、ダンテスの恋敵の'''フェルナン'''を唆して、検事のもとに「ダンテスが[[ジョアシャン・ミュラ|ミュラ]]からナポレオン宛ての手紙を委託されてエルバ島に届け、代わりにナポレオンから支持者に向けて送った秘密文書を預かった」という嘘の密告書を届けさせる。そんなこととは知らないダンテスは、婚約者の'''メルセデス'''との結婚式の準備を進めるが、婚約披露のパーティーの最中に逮捕されてしまう。
; 収監、そして脱獄
: ダンテスを取り調べたのは検事代理の'''ヴィルフォール'''だった。ヴィルフォールに対して、ダンテスは「自分は船長の遺言に従っただけで、預かった手紙もベルトラン大元帥の私的なものだ」と弁明し、託された手紙を見せる。ところが、手紙の宛先であるノワルティエとはヴィルフォールの父親であり、手紙の内容はナポレオン軍の再上陸に備えて準備を進めるよう命じる指示書であった。「[[フランス復古王政|王政復古]]の世の中において、身内にナポレオン支持者がいることが明らかになると身の破滅につながる」と考えたヴィルフォールは、手紙を隠滅した上で、宛先を知るダンテスを政治犯が収容されるマルセイユ沖の[[シャトー・ディフ]](イフ城)に投獄し、生涯出所できないよう手配する。
: 常に陽の当たらない土牢の奥でダンテスは無為の日々を過ごし、遂には餓死自殺を図るが、やがて隣の独房に投獄されていた'''ファリア神父'''という老人に出会う。ファリア神父はダンテスの身の上話を聞き、ダングラールとフェルナンにはダンテスを陥れる動機と機会があること、ノワルティエヴィルフォールでありヴィルフォールにもまたダンテスを陥れる動機があることを看破する。自らの身に何が起こったのかを理解したダンテスは、3人への復讐を決意する。
: 神父は無知無学であったダンテスに様々な学問を教え、一流の紳士へと育て上げていったが、やがて病に倒れ、[[モンテクリスト島]]に隠された財宝の在り処をダンテスに託して息を引き取る。神父の遺体と入れ替わることによって、ダンテスはシャトー・ディフからの脱獄に成功するものの、既に投獄から14年の月日が過ぎ、20歳前だった彼は34歳になっていた。
; 伯爵になり復讐