「タブー」の版間の差分

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両義性を象徴する顕著な例には[[血]]に関するものが挙げられる。[[日本]]においては[[穢れ]]として忌避されるが、一方「[[血縁|血の繋がり]]」「熱血」といった用法からも窺えるように子孫の繁栄や生命力を象徴する場合もある。[[殺害]]・[[屠殺]]の際のように[[死]]をイメージさせるものでもあるが、他方[[月経]]や[[出産]]のように新生に繋がるものでもあり、両義的な性質を兼ねているといえるだろう<ref>[[女人禁制]]はこれによるとする解釈もあるが、本土と類縁の文化を持つ[[沖縄県|沖縄]]([[琉球の信仰]]参照)では逆に男子禁制の色が濃い。</ref>。血の象徴とされる[[赤色]]についても呪術的用途を持っていたことが窺え、[[お守り]]や[[破魔矢]]などの色に多用される他、ハレの日に用いられるものであった。また[[辰砂]](朱、丹)は[[神仙思想]]における不老長寿の術([[錬丹術]])に用いられたとされる。血の色が[[生命力]]を想起させたのであろう。日本でも[[大物主神]]・[[賀茂別雷神]]などに関する[[神話]]では「丹塗りの矢」は妊娠をもたらす物として描写されている。
 
[[キリスト教]]圏においては、[[救世主イエス・キリスト|イエス]]の[[最後の晩餐]]におけるパンと葡萄酒を肉体と血になぞらえた故事が知られ、重要な儀式のひとつをなす。これはイエスが[[受肉]]によって自ら[[贖罪]]を引き受けた死と[[復活 (キリスト教)|復活]]に感謝を捧げ祝福するものである。逆の意味合いを持たされた例としては民間の[[吸血鬼]]伝承が挙げられ、これには[[土葬]]された死体への恐怖が関わっている。死後[[最後の審判]]の日に裁かれるまでに甦ることは、[[異教]]的なものと見なされていたのである。
 
また古代においては[[生贄]]を[[祭壇]]に捧げる儀式が広く見られ、[[収穫祭]]などと共に共同体の繁栄を祝い、祈るものであった。ここにも犠牲からの一種の甦りという死と再生の信仰を見てとることができよう。これらは『[[金枝篇]]』、[[ハイヌウェレ型神話]]、[[創造神話]]の一部(始まりは[[比喩]]的に誕生と同一視される)など豊富な事例で裏付けられる。
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性に関するタブーも広く見られるものであるが、行為がそのまま自然である動物ではあまり観察されないものであり、[[自我]]や[[意識]]の認識、社会[[規範]]などと深く関係していると思われる。
 
[[深層心理学]]や[[精神分析]]的に[[無意識]]とその葛藤といった人間の両義性を孕んだ複雑な心理(アンビヴァレンツ)が明らかにされを扱っている。これは[[ジークムント・フロイト]]による[[トーテム]]とタブーなどの一連の著作が前提にある。
 
== 現代社会におけるタブー ==