「くすぐり」の版間の差分
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[[File:Tickle.jpg|thumb|250px|赤ちゃん(兄弟)をくすぐる少女]]
[[Image:Laughter by David Shankbone.jpg|thumb|くすぐりに反応している少年]]
'''くすぐり'''(擽り)とは、[[ヒト|人]]の[[皮膚]]表面を刺激して「くすぐったい」感覚を与え「笑わせる」ことをいう。
くすぐられた時の反応は[[人間]]に限らず他の[[動物]]にも見られ、その反応は[[反射 (生物学)|反射]]に近い。精神分析学者{{仮リンク|アダム・フィリップス|en|Adam Phillips (psychologist)}}が「くすぐりにはどうしても他者の存在が必要である」と語ったように、自分で自身をくすぐっても、くすぐりの感覚は得られない<ref name="Stafford&Webb"> トム・スタッフォード&マット・ウェッブ 『MIND HACKS:実験で知る脳と心のシステム』夏目大訳 オライリー・ジャパン 2008年、初版第13刷、ISBN 4873112710 pp.243-248.</ref>。
== くすぐったいメカニズム ==
くすぐったいと感じる場所は、一般に[[耳]]の周辺、首筋、[[脇]]の下、[[手]]の甲、もものつけね、[[膝]]の裏、[[足]]の甲や裏など、[[動脈]]が皮膚に近いところを通っている部位である。こうした部分は万一怪我をすると多量の出血を伴いかねない「危険部位」で、そのため付近には[[自律神経]]も集まって、外部からの刺激に対しては特に敏感になっている。くすぐりによる刺激は、クモが体をはい上がる・ハチが肩に止まるといった危険を含んだ刺激と判断され、注意が向けられる<ref name="Stafford&Webb"/>。
この自律神経と密接な関係にある[[小脳]]では、こうした危険部位への刺激に対する予測と、それに対する感覚の制御を行っている。したがって自分でそうした部位をくすぐってみても、その刺激は小脳の予測どおりなので、小脳が感覚を制御するため違和感が生じない。ところが他人にくすぐられると小脳はこれを予測することができないので、感覚の制御は不能として脳は混乱状態に陥る。その不快な感覚が「くすぐったい」という感覚であり、そうした「生命にとっての危機かもしれない」と錯覚された状態から逃れようとする自律神経の過剰反応が「[[笑い]]」にあたる。
くすぐられる人間の[[脳]]をスキャンした研究によれば、他人にくすぐられた場合には小脳とともに[[喜び]]に関係する[[前帯状領域]]の活動が活発になるという<ref name="Stafford&Webb"/>。
== 性的なくすぐり ==
{{See also|くすぐりフェティシズム}}
このように「危険部位」を他人に触れさないようにするのは人の本能に拠るものだが、逆にそれをあえて許すことは厚い信頼や愛情の証となる。したがって許諾の上でのくすぐりは、時に性的快楽になる場合がある。
== くすぐりのいろいろ ==
* [[しゃっくり]]を止める方法としてくすぐりが用いられることがある。
* [[古代ローマ]]では[[拷問]]の一つとして足の裏のくすぐりが行われたこともあった<ref name="Stafford&Webb"/>。
* [[チャールズ・ダーウィン]]は、くすぐりによるスキンシップは親子や親密な男女などの人間関係において重要な意味を持つと唱えた<ref name="Stafford&Webb"/>。
== 伝統芸能のくすぐり ==
[[伝統芸能]]では、演者が本筋とは直接関係がない[[駄洒落]]や内輪ネタでことさらに観客の[[笑い]]を取ることを「くすぐり」という。特に[[歌舞伎]]や古典[[落語]]では、本来の台詞にあるさして重要ではない語句を、関連性のある現代の「時の人」や「時の話題」に差し替えて、思わず観客をニヤリとさせる場面が時折見られる。[[林家三平 (初代)|林家三平]]のような例外もあるが、基本的に多用されることはなく、一幕・一席にあるかないかのもので、しかも通常は観客が予想もしないところでこれが出るため、くすぐりは演目に重要なアクセントを与える手法となる。
== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 関連項目 ==
{{Wiktionary|くすぐる}}
* [[青砥稿花紅彩画#名台詞|歌舞伎『白浪五人男』]]: 有名な「くすぐり」がある弁天小僧菊之助の台詞。
{{DEFAULTSORT:くすくり}}
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