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『'''平成風俗'''』(へいせいふうぞく 英題: ''japanese manners'')は、[[2007年]][[2月21日]]<ref group="注">同日には、ファンクラブ限定イベントを収録したDVD『[[第一回林檎班大会の模様]]』が同時発売された。</ref>に[[EMIミュージック・ジャパン|東芝EMI]]より発売された[[日本]]の[[シンガーソングライター]]・[[椎名林檎]]と[[ヴァイオリニスト]]で[[編曲家]]の[[斎藤ネコ]]による[[スタジオ・アルバム]]。同年[[4月25日]]には[[アナログ盤]]と[[DVD#DVD-Audio|DVD-Audio]]『'''平成風俗 大吟醸'''』を同時発売した。
 
本項では、DVD『'''平成風俗 大吟醸'''』についてもあわせて記述する。
== 概要 ==
本作は、[[椎名林檎]]の個人名義としては2003年に発表された前作『[[加爾基 精液 栗ノ花]]』以来、約4年ぶりのリリースとなるアルバムである。ただし椎名林檎単独名義ではなく、椎名作品で[[ヴァイオリン]]演奏や[[指揮]]、[[オーケストラ]]・アレンジなどでもおなじみのを手掛けてきた[[斎藤ネコ]]との共同名義によるコラボレーション・アルバムであとなってい<ref name="yahoomusic1">{{cite interview|subject=椎名林檎 インタビュー |interviewer= 早川加奈子 |title= 椎名林檎 お芸術じゃなく、風俗という名の芸をご披露します1ページ目 |url= http://magazine.music.yahoo.co.jp/spt/20070221_001/interview_001 |work= Yahoo! ミュージック |publisher= [[ヤフー (企業)|ヤフー株式会社]] |date=2007-02-21|accessdate= 2014-12-22 |archiveurl= https://web.archive.org/web/20070223044717/http://magazine.music.yahoo.co.jp/spt/20070221_001/interview_001 |archivedate= 2007-02-23 |deadlinkdate=2017年10月 }}</ref>
 
[[音楽監督]]を担当した映画「[[さくらん]]」の[[サウンドトラック]]制作から発展し、斎藤ネコとのコラボレーションにより生まれた[[歌謡]]アルバムで、椎名林檎の歌声を軸に、総勢70名による[[オーケストラ]]をはじめ曲ごとに変わるミュージシャンの編成によってさまざまな楽器の音を用いた多彩なサウンドアプローチがとられている<ref name="yahoomusic1"/><ref name="amazon1">{{citeCite interview|subject= 椎名林檎 インタビュー |interviewer= 早川加奈子 |title= 椎名林檎 お芸術じゃなく、風俗という名の芸をご披露します1ページ目小野田雄 |url= httphttps://magazinewww.music.yahooamazon.co.jp/sptgp/20070221_001/interview_001feature.html?ie=UTF8&docId=1000033626 |worktitle= Yahoo!DEEP ミュージックDIVE ― 椎名林檎 |work= |publisher= [[ヤフー (企業)|ヤフー株式会社Amazon.com]] |date= 2007-02-2118 |accessdate= 20142018-1204-22 |archiveurl= https://web.archive.org/web/20070223044717/http://magazine.music.yahoo.co.jp/spt/20070221_001/interview_001 |archivedate= 2007-02-23 |deadlinkdate=2017年10月25 }}</ref>
 
書き下ろ『加爾基 精液 栗ノ花』収録曲を中心とした既発は当初はイを[[ビッグバド]]やオーケストゥルメンタル作っていたが、やはり歌を乗せて欲リアレンジいと言われ楽曲8曲<ref group="注">「パパイヤマンゴー」はローズマリー・クルーニーために歌詞を書いたカバー</ref>と5曲作業に一番時間がかかり、それを含めて制作期間新曲<ref group="注">「花魁」1ヶ月ほど。別々東京事変曲をパーギタリスごとに後で編集して繋ぐことを前提に、複数浮雲提供。</ref>同時並行で書くと収録してうパズルのような曲作りを行った。<ref name="msnmusic2amazon1"/><ref name="msnmusic5">{{cite interview|subject= MSNミュージック インタビュー |interviewer= 小野田雄 |title= 椎名林檎25ページ目 |url= http://music.jp.msn.com:80/interview/117_1_2117_1_5.htm |work= [[MSN|MSNミュージック]] |publisher= [[マイクロソフト]] |date=2007-07-21|accessdate= 2014-12-22 |archiveurl= https://web.archive.org/web/2007022019140520070218073515/http://music.jp.msn.com:80/interview/117_1_2117_1_5.htm |archivedate= 2007-2-20 |deadlinkdate= 2017年10月 }}</ref>
本作は映画「[[さくらん]]」をイメージして作られた作品であるがサウンドトラックではない。「さくらん」においては通常のサウンドトラックは発売されないため、本作がその代替を務める形になっている。劇中で使用されている楽曲を中心に劇中曲の別アレンジ・別バージョンも収録され、椎名自身、本作を「サウンドトラックの発展形」としている。
 
本作は映画「[[さくらん]]」をイメージして作られた作品であるがサウンドトラックではない。「さくらん」においては通常のサウンドトラックは発売されていないため、映画をイメージして制作された本作がその代替を務める形になっている。劇中使用曲の他、そているらの曲を中心に劇中曲の別アレンジ別バージョンも収録されており椎名自身、本作を「サウンドトラックの発展形として位置づけられている<ref name="msnmusic5"/>
CDは十字開き特殊デジパック仕様でステッカー3点とコースター封入の初回限定盤と通常盤の2タイプでのリリース。
 
斎藤ネコとの打ち合わせで「[[J-POP]]ではなく[[邦楽]]で、なるべく使い捨てられない半永久的なもので、それでいてちゃんと“風俗”のもの」というテーマが出ていたので、タイトルを『平成風俗』とした。椎名にとって“風俗”とは、「高尚なものではなく生活に根差している必要不可欠なもの」「音楽的に言うなら歌モノであったり[[旋律]]や[[和声]]を難しくしないということ」で、自分ではそういう作品を作ったつもりだと語っている。<ref name="amazon1"/>
 
本作の[[ディスクジャケット]]のデザインはアートディレクターの[[木村豊]]デザイン)が手掛けている。ジャケット写真は[[バスタブ]]の中に[[ギター]]や[[ピアノ]]などの[[楽器]]が詰め込まれたものだが、それら[[楽器]]とともは発売の名義である"椎名林檎×斎藤ネコ"より椎名林檎を模した「[[リンゴ|林檎]]」、斎藤ネコを模した「[[ネコ|猫]]」のほかそして本作の録音レコーディングとミキシング([[プロデュース]])を担当している[[井上雨迩]]を模した「[[ウニ]]」登場するなど、ユニークなものになっている。
 
本作は初回限定盤と通常盤の2形態での発売となり、初回盤は十字開き特殊デジパック仕様のパッケージでステッカー3点とコースターが封入された。
 
2007年[[4月25日]]には、ボーナストラックとして配信限定でリリースされた「カリソメ乙女 DEATH JAZZ ver.」を収録したアナログ盤と、[[ハイレゾリューションオーディオ#JEITAによる定義|96kHz/24bit]]の高音質で録音したアナログ盤の収録曲に加え、特典音源としてDTS 5.1chサラウンド リニアPCMの超高音質で「錯乱 TERRA ver.」「花魁」「la salle de bain<ref group="注">9枚目のシングル「[[りんごのうた]]」の[[カップリング曲]]。</ref>」を追加収録したDVD-Audio盤『平成風俗 大吟醸』の大吟醸仕様(アートブック・ポストカード風ブロマイド入り特殊パッケージ)が完全初回生産限定で同時発売された。
 
=== 制作の経緯背景 ===
プライベートでも親交のある[[カメラマン]]・[[蜷川実花]]から彼女の初監督作品となる映画「さくらん」の音楽制作を依頼されたことをきっかけに誕生したアルバム。椎名にとっても、[[音楽監督]]を担当するのは初めてのことだった<ref name="asahicom1">{{Cite interview|subject= 椎名林檎 インタビュー |interviewer= 森鈴香 |url= https://publications.asahi.com/jn/intreview/020.shtml |title= 女でなかったら生きていないかもしれない |work= ジェイヌード 20号・啓蟄の号(2007年3月6日号) |publisher= [[朝日新聞出版]]|date= |accessdate= 2018-04-22 }}</ref>。
映画「さくらん」において、椎名は自身初となる[[音楽監督]]を担当している。本人は当初、[[映画音楽]]の制作を当時の自身の活動の主軸であった[[東京事変]]として受けることを考えていたが、バンドの[[ドラムセット|ドラマー]]・[[畑利樹|刄田綴色]]が骨折による治療や療養で参加が難しかったこと、また映画音楽として求められているサウンドと東京事変としてのサウンドが一致しなかったことなどから、"椎名林檎"個人としてを受けることに決めたと雑誌のインタビューなどで語っている。
 
映画「さくらん」において、椎名は自身初となる[[音楽監督]]を担当している。本人は当初、[[映画音楽]]制作仕事を当時の自身の活動の主軸であった[[バンド (音楽)|バンド]][[東京事変]]として受けることを考えていたが、。しかし同バンドの[[ドラムセット|ドラマー]]・[[畑利樹|刄田綴色]]が骨折による治療や療養で参加が難しかったこと、また[[映画音楽]]として求められているサウンドと東京事変としてのサウンドが一致しなかったことなどから、"椎名林檎"個人として引き受けることに決めたと雑誌。代わりに制作上インタビュなどで語っトナーに選んだのは、アレンジと指揮を担当する斎藤ネコと、東京事変も含む椎名作品を長年手掛けている[[レコーディング・エンジニア|レコーディング&ミキシング・エンジニア]]の井上雨迩だった<ref name="msnmusic5"/>
プライベートでも親交のあるカメラマン・[[蜷川実花]]から初監督作品となる映画「さくらん」の音楽制作を依頼された時、椎名はまずこの平成風俗のようなアルバムを作った上で、そこから取り出した音色をさらに機械で構築していくという、かなりテクノロジーに寄った音楽を納品しようと思っていた。また、この映画のために自身の念願だった[[器楽曲|インストゥルメンタル曲]]を書き下ろし、それを劇中曲として使用するつもりだった。しかし、蜷川監督サイドからは全くそのようなものは求められていないことがわかり、自身でも『さくらん』の世界観を考えた時に技巧として最新のテクノロジーは使っても楽器は全部古典音楽に使われているものが良いのだろうと考え、アルバムの楽曲をそのまま提供するという形になった。<ref name="yahoomusic1"/><ref name="msnmusic1">{{cite interview|subject= MSNミュージック インタビュー |interviewer= 小野田雄 |title= 椎名林檎1ページ目 |url= http://music.jp.msn.com/interview/117_1_1.htm |work= [[MSN|MSNミュージック]] |publisher= [[マイクロソフト]] |date=2007-07-21|accessdate= 2014-12-22 |archiveurl= https://web.archive.org/web/20070220191608/http://music.jp.msn.com/interview/117_1_1.htm |archivedate= 2007-2-20 |deadlinkdate= 2017年10月 }}</ref>
 
プライベオファトでも親交のあるカメラマン・[[蜷川実花]]から初監督作品となる映画「さくらん」の音楽制作依頼され受けた時、椎名はまずこの平成風俗のようなアルバムを作った上で、そこから取り出した音色をさらに機械で構築していくというかなりテクノロジーに寄った音楽を納品しようと思っていた。また、この映画のために自身の念願だった[[器楽曲|インストゥルメンタル曲]]を書き下ろし、それを劇中曲として使用するつもりだった。しかし、蜷川監督サイドからは全くそのようなものは求められていないことがわかり、自身でもアルバムの楽曲をほぼそのまま提供するという形になった。また『さくらん』の世界観を考えた時に技巧として最新のテクノロジーは使っても楽器は全古典音楽に使われているものが良いのだろうと考え、アルバム最終的にどをそのまま提供すにも斎藤ネコによという形に緻密オーケストラ・アレンジを施した。<ref name="yahoomusic1"/><ref name="msnmusic1">{{cite interview|subject= MSNミュージック インタビュー |interviewer= 小野田雄 |title= 椎名林檎1ページ目 |url= http://music.jp.msn.com/interview/117_1_1.htm |work= [[MSN|MSNミュージック]] |publisher= [[マイクロソフト]] |date=2007-07-21|accessdate= 2014-12-22 |archiveurl= https://web.archive.org/web/20070220191608/http://music.jp.msn.com/interview/117_1_1.htm |archivedate= 2007-2-20 |deadlinkdate= 2017年10月 }}</ref>
選曲に関しては、曲のサイズも含め、映像対応で考えていった。既存の曲が多い理由は、音楽制作に入る前に渡された撮影済みの映像に「こういう新曲を書いて欲しい」という意味で過去の曲が貼り付けてあったが、自身の中ではその方向での表現というのはすでに終わっているのでそれを焼き直すのは難しいと感じたから。そこで監督の意向を受け入れ、新曲に限定せず、自分が一番合うと思う曲を提供することにした。<ref name="msnmusic1"/>
 
選曲に関しては、曲のサイズも含め、映像対応で考えていった。既存の曲が多い理由は、音楽制作に入る前に渡された撮影済みの映像に「こういう新曲を書いて欲しい」という意味で過去の曲が貼り付けてあったが、ため。自身の中ではその方向での表現というのはすでに終わっている表現と同じ方向それ作品を焼き直すのは難しうこ感じたからは椎名にとって質の低下を意味する。そこでそれをさけながら監督の意向を受け入れに従うため、新曲に限定せず自分が一番合うと思う曲を提供することにした。<ref name="msnmusic1"/>
斎藤ネコと仕事をすることにしたのは、彼には以前からランダムに選んだ自身の楽曲をライブのオーケストラ用にアレンジした[[譜面]]を書き下ろしてもらっていて、作業を進めやすいという理由から。またそれらの楽曲にはまだ[[スコア]]やライブ映像とライブ音源という形しかなかったので、スタジオできちんとレコーディングしなければという思いもあった。そこでこの話を機にそれをアルバムにまとめるに至り、それが結果的に「さくらん」に楽曲を提供するためのアルバムになった。<ref name="yahoomusic1"/><ref name="msnmusic1"/>
 
斎藤ネコと仕事をすることにしたのは、彼には時間が限られていたので以前からランダムに選んだ自身の楽曲ライブのオーケストラ用にアレンジした用の[[譜面]]を数多くき下ろしてもらっていて、た彼なら作業を進めやすいという理由から。またそれらの楽曲にはまだ[[コア]]やライブ映像とライブタジオ音源という形しかなかったので、スタジオでいずれきちんとレコーディングしなければという思いもあった。そこでこの話を機にそれをアルバムとしてまとめるに至りようと決め、それが結果的に「さくらん」に楽曲を提供するためのアルバムになった。<ref name="yahoomusic1"/><ref name="msnmusic1"/>
書き下ろした新曲は当初はインストゥルメンタルで作っていたが、やはり歌を乗せて欲しいと言われた時のために歌詞を書いた。その作業に一番時間がかかり、それを含めて制作期間は1ヶ月ほど。別々の曲をパートごとに後で編集して繋ぐことを前提に、複数の曲を同時並行で書くというパズルのような曲作りを行った。<ref name="msnmusic2">{{cite interview|subject= MSNミュージック インタビュー |interviewer= 小野田雄 |title= 椎名林檎2ページ目 |url= http://music.jp.msn.com:80/interview/117_1_2.htm |work= [[MSN|MSNミュージック]] |publisher= [[マイクロソフト]] |date=2007-07-21|accessdate= 2014-12-22 |archiveurl= https://web.archive.org/web/20070220191405/http://music.jp.msn.com:80/interview/117_1_2.htm |archivedate= 2007-2-20 |deadlinkdate= 2017年10月 }}</ref>
 
新曲について、椎名は最初からあとで編集してつなぐことを前提に複数の曲を同時進行で書くという[[パズル]]のような曲作りを行った。アレンジについては、斎藤ネコと1曲1曲を解体して曲の核になる部分は何なのかを2人でよく吟味してから斎藤がオーケストラ用の譜面を書いた。曲によっては椎名とエンジニアの井上雨迩とが綿密に打ち合わせを行い、[[打ち込み]]とミックスしている。また当初はインストゥルメンタルとして作っていたが、あとで歌を乗せて欲しいと言われた時のために歌詞も書いた。その作業に一番時間がかかり、それを含めて制作期間は1ヶ月ほどかかった。<ref name="msnmusic5"/><ref name="msnmusic2">{{cite interview|subject= MSNミュージック インタビュー |interviewer= 小野田雄 |title= 椎名林檎2ページ目 |url= http://music.jp.msn.com:80/interview/117_1_2.htm |work= [[MSN|MSNミュージック]] |publisher= [[マイクロソフト]] |date=2007-07-21|accessdate= 2014-12-22 |archiveurl= https://web.archive.org/web/20070220191405/http://music.jp.msn.com:80/interview/117_1_2.htm |archivedate= 2007-2-20 |deadlinkdate= 2017年10月 }}</ref>
前述の通り本作は監督の要望に基づく形、また「さくらん」ありきのアルバムということで、既出曲の別バージョンを中心に構成されている。内訳としては、ソロ時代に発表した曲が6曲(「ギャンブル」「茎(もしくは茎(STEM))」「意識」「浴室(もしくは「la salle de bain」)「迷彩」「ポルターガイスト」)、[[セルフカバー]]曲が1曲(東京事変の「夢のあと」)、先行シングルからの曲が3曲(「この世の限り」「錯乱」「カリソメ乙女」)、本作で初収録の純粋な新曲が2曲(「ハツコイ娼女」「花魁」)、[[カバー]]曲が1曲(「パパイヤマンゴー」)という構成になっている。また、椎名林檎×斎藤ネコによる椎名林檎のセルフカバーという考えかたをすれば、[[ローズマリー・クルーニー]]のカバー「パパイヤマンゴー」(原題:「Mangos」)、東京事変のセルフカバー「夢のあと」と合わせ、全13曲中8曲がカバー・セルフカバー作品で占められているという捉え方もできる。
 
歌詞については、既発曲は熟考を重ねて選曲し、新曲に関しては映画を観ていないリスナーにも伝わるようなソングライティングを行った<ref name="msnmusic5"/>。
また、東京事変のメンバーから足の骨折により休養している刄田を除いた3人もそれぞれ、[[浮雲 (ギタリスト)|浮雲]]は「ギャンブル」で[[エレクトリック・ギター]]による演奏、また「花魁」では楽曲提供、[[伊澤一葉]]は「ギャンブル」でピアノによる演奏、[[亀田誠治]]は「浴室」で編曲として作品に参加している。そのほか、斎藤ネコの随える総勢70名にも上るマタタビオーケストラほか、複数のオーケストラも作品に参加しており、全体的に"オーケストラ"が前面に押し出されたアルバムとなっている。
 
演奏では、斎藤ネコ率いる総勢70名にも上るマタタビオーケストラほか複数のオーケストラが作品に参加しており、全体的に"オーケストラ"を前面に押し出したアルバムとなっている。また東京事変からも、骨折で療養中だった刄田を除く3人のメンバーが作品に参加している。[[伊澤一葉]]は「ギャンブル」でピアノを担当。[[浮雲 (ギタリスト)|浮雲]]は同じく「ギャンブル」で[[エレクトリック・ギター]]を担当した他、楽曲(「花魁」)も提供している。また[[亀田誠治]]は「浴室」のリミックスに使用された同曲の2ndアルバム『[[勝訴ストリップ]]』収録バージョンの音源でベース演奏と編曲(2000年)を担当している。
本作の[[ディスクジャケット]]([[木村豊]]デザイン)は[[バスタブ]]の中に[[ギター]]や[[ピアノ]]などの[[楽器]]が詰め込まれたものだが、その中には発売の名義である"椎名林檎×斎藤ネコ"より椎名林檎を模した「[[リンゴ|林檎]]」、斎藤ネコを模した「[[ネコ|猫]]」のほか、本作の録音([[プロデュース]])を担当している[[井上雨迩]]を模した「[[ウニ]]」が登場するなど、ユニークなものになっている。
 
== 収録曲 ==
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#* 映画「さくらん」の予告編映像に使用された楽曲。
#* 監督の[[蜷川実花]]から「道中のシーンで流れるのは歌モノがいい」と言われ、この曲をその映像に当てたい思ったのと、ライブ・ バージョンが作品化されているがまだスタジオで録ったことがなかったので選曲した<ref name="msnmusic1"/>。
#* 東京事変から伊澤一葉と浮雲が参加している。
# '''[[茎(STEM)〜大名遊ビ編〜|茎]]''' stem
#* 椎名の8枚目のシングルおよび3rdアルバム『[[加爾基 精液 栗ノ花]]』収録曲をアレンジしたもの。
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# '''[[この世の限り]]''' ''memory''
#* 実兄の[[椎名純平]]との[[デュエット]]ソング。映画の[[エンディング]]で使用された。<ref name="msnmusic4"/>
#* エンディングにこだわっているという監督の意向を尊重し、自分なりにそれを解釈して「男女がちゃんと共存しているもの」「家族愛に近い感情」を歌詞に書いた。慣れ合いの仲で新たに相手の魅力をみつける感受性をもち続けることは難しいが、それもひとつの幸せの追求の仕方であり、それを曲にしようとした時、デュエット相手は兄以外考えられなかった。<ref name="msnmusic4"/><ref>{{Cite interview|subjectname= 椎名林檎 インタビュー |interviewer= 森鈴香 |url= https://publications.asahi.com/jn/intreview/020.shtml |title= 女でなかったら生きていないかもしれない |work= ジェイヌード 20号・啓蟄の号(2007年3月6日号) |publisher= [[朝日新聞出版]]|date= |accessdate= 2018-04-22 }}<"asahicom1"/ref>
#* 「椎名林檎 (生)林檎博'08 〜10周年記念祭〜」で披露された。
# '''カリソメ乙女 (DEATH JAZZ ver.)''' ''“temporary” virgin''