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** 避雷などでスマートメーターが故障すると交換修理するまで電力供給が出来ない。
* 消費者のデメリット
** 電力契約によってはピーク時等の遠隔操作による[[エアコン]]停止(米国PG&E社)や電力単価の極端な増大が発生し、必要なときに電力を十分利用できない、または高額な料金を支払って利用することになる。
** メーターが故障した場合は、そのものを交換、あるいは修理しなければ停電でなくても電気を使うことが出来ない。
 
; 経緯
[[ハフィントン・ポスト]]によると、テクニカルロス(機械などが老朽化によって故障し、漏電が発生など…)、そしてノンテクニカルロス(機械の故障では無く、人為的な盗電や、配電回路の設置ミスなど)を発見する為、スマートメーターに加えて、移動可能かつ、取り付け、取り外し作業が省コスト(作業時間の短縮、高所作業車不要によるランニングコストの軽減など)である事を前提としたクラウドシステム+ワイヤレスシステム+スマートメーターのデータを活用したエネルギーロス感知システムがカナダAwesense社をはじめとする企業により開発され、アメリカ、カナダにて2010年より導入が始まっている。このシステムにより、故障個所や違法配線箇所などをピンポイントで発見できる様になり、早急な作業箇所の指定が可能になった。従来の感知システムに比べ1件当たりの感知コストが圧倒的に低い事により、システム全体の問題点を総点検し、ロスを最低限にしようとする動きが、特に盗電の多い地域で始まっている。このシステムを使用する事により、今までの仕組みでは回収できなかった支払われるべき料金、または改修すべき故障個所を早期に発見、問題解決に結びつける事が可能になり、早急な収益性の向上、結果的に電力料金の抑制につながる。様々な電力会社が、近い将来にこの仕組みを取り入れると予想されている。アメリカ国内のみで約160億ドル、そして世界全体で約2000億ドルと言われているロスを発見し、回収、または改修することで、経営状態の改善、また健全なインフラシステムの構築へ向けた電力会社の動きが始まっている<ref name="Detecting Power Theft by Sensors and the Cloud: Awesense Smart System for the Grid ">James Grundvig著 『Detecting Power Theft by Sensors and the Cloud: Awesense Smart System for the Grid 』、[http://www.huffingtonpost.com/james-grundvig/detecting-power-theft-by-_b_3078082.html]Huffington Post2013-04-15</ref>
<ref name="Detecting Power Theft by Sensors and the Cloud: Awesense Smart System for the Grid ">James Grundvig著 『Detecting Power Theft by Sensors and the Cloud: Awesense Smart System for the Grid 』、[http://www.huffingtonpost.com/james-grundvig/detecting-power-theft-by-_b_3078082.html]Huffington Post2013-04-15</ref>。
 
; 各国の導入状況
[[アムステルダム]]市では「アムステルダム・スマートシティー・プログラム」によって、2つのエリアの合計約1,200件の一般住宅にGPRS規格の[[無線]]通信機能を備えたスマートメーターを設置している<ref name="欧州トップの環境対応都市目指すアムステルダム">鈴木剛司著、『欧州トップの環境対応都市目指すアムステルダム』、日経エレクトロニクス2009年12月28日号</ref>。
スマートメーターの世界市場は2009年に7,600万台だったが、2015年頃には約3倍にあたる2億1,200万台に達すると予測されている<ref name="kbo-smm"/>。
 
* [[アムステルダム]]市では「アムステルダム・スマートシティー・プログラム」によって、2つのエリアの合計約1,200件の一般住宅にGPRS規格の[[無線]]通信機能を備えたスマートメーターを設置している<ref name="欧州トップの環境対応都市目指すアムステルダム">鈴木剛司著、『欧州トップの環境対応都市目指すアムステルダム』、日経エレクトロニクス2009年12月28日号</ref>。
[[イタリア]]では2000年から導入が始まり、既に約2,800万台が国内の住宅に設置されている。
* [[イタリア]]はスマートメーターの設置が世界で最も進んでいるといわれ、大手電力会社の[[エネル]]主導で全世帯の約85%にスマートメーターが設置された<ref name="kbo-smm"/>。
 
* 英国・フランス・スペイン・[[ポルトガル]]で約1億台、中国で6,000万台以上の導入が予定されている。米国でも数千万台の導入が予定され、米国[[カリフォルニア州]]のPacific Gas and Electric社はすでに200万個を設置済みであり、約1,000万個の家電制御機能付きスマートメーターに取り替える予定である。
* 世界的に通信方法の標準化は完了しておらず、[[ZigBee]]、[[Z-Wave]]、G3-PLCといった異なる方式の採用が進んでいる。<ref name="スマートメーター">清水直茂著、『スマートメーター』、日経エレクトロニクス2009年12月28日号</ref><ref name="低炭素社会への移行を契機に新エネルギー市場が拡大へ">蓬田広樹著、『低炭素社会への移行を契機に新エネルギー市場が拡大へ』、日経エレクトロニクス2009年11月30日号</ref>。
 
世界的に通信方法の標準化は完了しておらず、[[ZigBee]]、[[Z-Wave]]、G3-PLCといった異なる方式の採用が進んでいる。<ref name="スマートメーター">清水直茂著、『スマートメーター』、日経エレクトロニクス2009年12月28日号</ref><ref name="低炭素社会への移行を契機に新エネルギー市場が拡大へ">蓬田広樹著、『低炭素社会への移行を契機に新エネルギー市場が拡大へ』、日経エレクトロニクス2009年11月30日号</ref>。
 
=== エネルギー管理システム ===