「吟遊詩人」の版間の差分

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欧州社会では主に中世の10世紀頃から15世紀頃に掛けて現れた人々を指す事が多いが、[[ホメロス]]など[[古代ギリシア]]時代の詩人の多くも吟遊詩人([[アオイドス]])であった。また、[[ゲルマン]][[叙事詩]]『[[ベーオウルフ]]』の成立に関与したと思われるスコプと呼ばれたゲルマン系の吟遊詩人達の存在も知られている。[[ケルト人]]社会では、祭司階級である[[ドルイド]]の中の専門職として、彼らの神話や歴史、法律などを詩歌の形で記憶し伝承する役目に特化した[[バルド]](バード)と呼ばれる吟遊詩人がいた。
 
 
中世欧州文化における吟遊詩人としてのジョングルールは低層階級の放浪の音楽師として8世紀頃からフランスの記録に現れる。彼らは特に中世の歴史的な事件、あるいはその他の場所での史実についての物語を広め伝えるために歌を歌った。またその中から特定の宮廷に仕える音楽師達も現れ、彼らをローマ時代からの伝統的な言い回しに由来するミンストレルと呼ぶが、ジョングルールとミンストレルは当時に於いてもしばしば混同されている。また、北フランスからドイツ各地に掛けて[[ゴリアール]]と呼ばれた、放浪の学僧達がいた事も知られている。さらに、イタリア北部でラウダを作り歌いながら伝道していた[[托鉢修道会]]の修道士達もまた吟遊詩人達と言えるであろう。