「臨済義玄」の版間の差分

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|生地=曹州南華県([[山東省]][[カ沢市|菏沢市]])
|没地=
|画像=[[ファイル:RinzaiGigen.jpg|200px220px]]
|説明文=[[日本人]][[画家]]の[[曾我蛇足]]によって[[14世紀]]に描かれた臨済義玄の[[肖像|肖像画]]
|宗派=[[臨済宗]]
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臨済は「何をたずねたらよいかわかりませんので、参禅したこともありません」と答えると、首座和尚は「どうして老師のところに行って、『仏法の限界はどういうものか?』とたずねないのか」といい、臨済はいわれるままに黄檗のところに参禅したのだが、その質問も終らぬうちに黄檗の三十棒を喰らってしまった。
 
首座が「どうだった」とたずねたので、臨済が今の出来事をありのまま報告すると、首座は「もう一度、同じ質問をして来い」という。このようにして、三度、老師に参禅して三度とも痛棒を喰らった臨済は、もはや自分に[[]]を探究する資格はなきものと絶望し、黄檗山を下ることを決意。臨済が別れの挨拶にやってくると、黄檗老師は「他所へ行ってはならぬ。ぜひとも高安の灘に住んで居られる大愚和尚を訪ねるがよかろう」と指示された。
 
臨済は言われるがまま大愚のもとを訪ね、「いったい私に落ち度があったのでしょうか」と問いた。すると大愚は「'''黄檗は、まるで老婆が孫でも可愛がるようじゃないか。お前のためにくたくたになるまで計らってくれているのに、その上わしのところまでやってきて、落ち度があったかどうかなどと聞くとは何ごとだ'''」といった。臨済はこの大愚の一言で大悟したのである。
 
大悟した臨済は大愚に向かって「なんだ、黄檗の仏法といってもこんなわかりきったことなのか」とうそぶいた。すぐに大愚は臨済を引っつかんで「この[[寝小便]]たれ小僧め!たった今、落ち度があったのでしょうか、などと泣きごとを言ったくせに、こんどは黄檗の仏法は端的だなどと言う。いったい何が分かったのだ。さあ言ってみろ! さあ言ってみろ!」と問いた。
 
すると臨済は大愚の脇腹を三発ばかり拳で殴り、本物だと分かった大愚は掴んだ手を突き放し臨済に言った。「そなたの師は黄檗和尚だ。わしの知ったことではない。帰れ! 帰れ!と言った。臨済は再び黄檗のもとに戻って事の顛末を報告すると、黄檗は「何とかしてあいつに会って今度一発お見舞いしてやりたいものだ」といった。すると臨済は「'''やりたいものだもあるものか。今度といわず、今すぐ喰らえ!'''」と言うや否や黄檗の横面に思い切り平手打ちを喰らわした
 
殴られた黄檗は大笑して「'''この[[きちがい|気狂い]]め! よくもわしに向かって虎のひげを撫でるようなことをしおったな!'''」と言った。臨済はすかさず「'''喝ーっ'''」と一喝した。この一喝に黄檗は心から満足し「[[侍者]]よ、この気狂いを禅堂に連れて行け」と言った。これが黄檗の[[印可]](悟りを証明すること)の言葉だった。
臨済は再び黄檗のもとに戻って事の顛末を報告すると、黄檗は「何とかしてあいつに会って今度一発お見舞いしてやりたいものだ」といった。すると臨済は「やりたいものだもあるものか。今度といわず、今すぐ喰らえ!」と言うや否や黄檗の横面に思い切り平手打ちを喰らわした。
 
殴られた黄檗は大笑して「'''この[[きちがい|気狂い]]め!よくもわしに向かって虎のひげを撫でるようなことをしおったな!'''」と言った。臨済はすかさず「'''喝ーっ'''」と一喝した。この一喝に黄檗は心から満足し「侍者よ、この気狂いを禅堂に連れて行け」と言った。これが黄檗の[[印可]](悟りを証明すること)の言葉だった。
 
=== 大悟以降 ===