「うたわれるもの」の版間の差分

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また制作当時、アイヌ文化の資料が少なくて苦労したとのエピソードが笑いをまじえて語られている。甘露・菅曰く、いざ制作となると資料が少なく、買うにしても数が少なくて高価なものが多かったため、資料を経費で購入することはできないかと考えるも、制作当時はあまり期待されていなかったためか経費を出してもらうことはできなかった。そこで、図書館で十冊くらい借り、二週間後に返し、またすぐに借りるというのを繰り返して制作していったとのこと。また、馬の役割を担うウォプタルという二足歩行の爬虫類は、登場するキャラクター達が動物のような耳をしているゆえ一線を画すために、甘露樹の機転によって生まれた。そうしたウォプタルや獣耳を描くために恐竜図鑑や動物図鑑なども借りて勉強したとのこと<ref name="kg183">[[#ガイド|公式ガイドブック、p183。]]</ref>。
 
== あらすじ ==
ここではないどこか、今ではないいつか。
{{不十分なあらすじ|date=2016年1月}}
豊かな翠色に彩られた穏やかな気候の大陸。そこに暮らす種族は獣のような耳や尻尾、または大きな翼を背負う、ヒトとは似て非なる者たち……ある種族は強靭な肉体を誇り、またある種族は武術に長け、それぞれ種別できる特性があった。種はやがて部族となり、大小さまざまな國を成すに至っていた。
 
時は戦国時代。國は分かれ争い、民草が飢え苦しむ時代。ある山奥ののどかな辺境の村に、瀕死の怪我を負った男が運び込まれた。
民は大神'''ウィツァルネミテア'''を崇め、その大いなる名のもとに、生から死に至るまで儀式を行う慣わし、日々感謝の祈りを捧げることを忘れない。ある大陸の北東に位置する辺境の地に、ヤマユラの集落がある。作物の育たない痩せた大地ゆえに民は貧しい生活を強いられながらも、辺境で生きる者ならではの屈強さで明るく和やかに暮らしていた。
 
彼は村人に助けられる以前の全ての記憶を失っており、さらに自分が顔につけている仮面はどうやっても外す事の出来ない不可思議で不気味な代物であり、彼の混乱に拍車をかけた。彼は村人達に獣のような耳や尻尾がある事や、製鉄や化学肥料などの高度な知識が自分にあることを疑問に思い、自分自身と目覚めた世界の微妙な齟齬を訝しつつも、おおらかで穏やかな村人たちの雰囲気に村の暮らしを徐々に受け入れつつあった。
そんなある日、もろい民家をなぎ倒すほどの激しく大地を揺さぶる地震が起きる。そのとき集落付近の森にいた少女'''エルルゥ'''は、大怪我をして倒れていた男'''ハクオロ'''と出会い、集落へ連れて帰り手厚く看護する。
 
新たに『ハクオロ』という名を村長から授かった彼は、村の生活を豊かに発展させ、村を襲った災厄を退け、村人達の信頼を勝ち取ってゆき、既にこの村の無くてはならない家族となっていた。しかし戦乱と貧困の風は、この平和な山村にまで吹き付け、人道に反する重い税を押し付けた藩主に反発したことが原因で、村人に強く信頼されていた村長が殺害されてしまう。
灼けるような熱さと朦朧とした意識の中、少女の唄う子守唄が男の耳に木霊する。どこかで聴いたなつかしい唄声。男が目覚めた時……記憶は無に帰していた。失われた過去とこれから導く未来、そのふたつが交錯する物語が始まる……。
 
ハクオロの中に生まれた、深く静かな怒り。多くの者が死ぬと知りながら、取り返しがつかぬと知りながら、彼はその怒りを解き放った。ハクオロは指導者として謀反を起こし、暴虐の限りを尽くした圧制国家を打ち崩して、新たな国トゥスクルを建国する。
はじまりのうた……それは大いなる母に抱かれ、その末裔まで唄いつがれる永遠の子守唄……<ref name="kg2">[[#ガイド|公式ガイドブック、p2。]]</ref>。
 
戦いは終わったかに見えたが、まるで何らかの作為が働いているかの如く、次々とトゥスクルとハクオロの元に戦の業火が降りかかる。大きく拡大していく戦の火。ただ平和だけを望む自分の存在や行動が、結果的に戦渦を広げている事に苦悩するハクオロ。しかし、もはや彼に逃げ道は何処にもない。人の身には余る知識と知略、積み重なっていく重責と不条理な現実。そしていまだ深い霞に隠されたままの自分自身の正体。多くの苦悩を抱えつつも、ハクオロはトゥスクルの『皇』として、いまだ終わる兆しの見えない戦争の日々に身を投じる事となる・・・。
 
美しい自然に彩られた、幽玄の世界。そこで「彼」は目覚めた。それは人の想い全てを呑み込む、大いなる戦いの始まりだった。さまざまな者たちが、さまざまな思いを響かせ合い、一つの歌を奏で始める。
 
それは、'''散りゆく者への子守唄'''
 
== 世界観 ==