「うたわれるもの」の版間の差分

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* アドベンチャーパートのCG縦横比を4:3と16:9(スクロール可)から選べる
 
== 企画の経緯 ==
「うたわれるもの」という企画の発端は、まずシミュレーションRPGを作ろうという話があり、それと同時に企画・シナリオ担当の'''菅宗光'''が獣耳が出てくるゲームが作りたいということから、この二つをあわせて企画が生まれた<ref name="kg181">[[#ガイド|公式ガイドブック、p181。]]</ref>。また、和風の話を書きたかった菅によればアイヌ文化をモチーフにさせてもらったとのこと<ref name="kg183">[[#ガイド|公式ガイドブック、p183。]]</ref>。
ただ、市場的に獣耳という部分を特化させるのはどうかということから、獣耳を主張した菅宗光以外のスタッフからは「なんで獣耳?」との声も上がっていた。しかし、やがてシナリオが固まってくると、獣耳なしでは成り立たないストーリーになっていたので、いつしか反対の声も聞こえなくなっていった<ref name="kg186">[[#ガイド|公式ガイドブック、p186。]]</ref>。また原画・キャラクターデザイン担当の'''甘露樹'''も以前は獣耳の特化傾向に抵抗があったとのことだが、今はそんな違和感もなく普通に書いているとのこと<ref>ゲーマガ2011年4月号 114ページ</ref>。
本作に章などの概念が無いことについて、ディレクターの鷲見努はシナリオ重視の作品だったからとインタビューで答えている。詳しくいえば、菅の書いたシナリオに、その他の部分を当てはめていく作業ですべてを作ったからとのこと<ref name="kg182">[[#ガイド|公式ガイドブック、p182。]]</ref>。
 
また制作当時、アイヌ文化の資料が少なくて苦労したとのエピソードが笑いをまじえて語られている。甘露・菅曰く、いざ制作となると資料が少なく、買うにしても数が少なくて高価なものが多かったため、資料を経費で購入することはできないかと考えるも、制作当時はあまり期待されていなかったためか経費を出してもらうことはできなかった。そこで、図書館で十冊くらい借り、二週間後に返し、またすぐに借りるというのを繰り返して制作していったとのこと。また、馬の役割を担うウォプタルという二足歩行の爬虫類は、登場するキャラクター達が動物のような耳をしているゆえ一線を画すために、甘露樹の機転によって生まれた。そうしたウォプタルや獣耳を描くために恐竜図鑑や動物図鑑なども借りて勉強したとのこと<ref name="kg183">[[#ガイド|公式ガイドブック、p183。]]</ref>。
 
==あらすじ==
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=== 本編開始以前 ===
全くの異世界で進行するストーリーであるようにみえる本作品だが、その世界の起源が終盤で明かされている。 Template:SpoilerH 本作品に登場する時代設定は、3つに大別される。過去から順に史実との接点である「'''古代'''」、後述するアイスマンが発見された亜人間世界の「'''創成期'''」、そして「'''現代'''」(本編)である。本項では先の2つについてそのあらすじと、最後の「現代」に至るまでを記述する。
 
「古代」において、ある考古学者は立ち入り禁止区画に踏み入り、謎の巨大生物らしき化石を見つけるが、それの存在を隠蔽しようとする者の手によって拳銃で撃たれ瀕死の重傷を負う。その際飛び散った血液の一部が化石にかかり、その化石の意識を呼び覚ましてしまう。願いを叶えるという謎の化石の声に静かに眠らせてくれるよう頼むが、その願いは考古学者自らの身体を差し出すことで叶えられ永い眠りに就く。
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その後、彼の意識は何度となく目覚めと眠りを繰り返し、いつしか彼の意識は「分身(ぶんしん)」・「空蝉(うつせみ)」へと分裂することになる。
 
旧人類の滅亡より永い時が過ぎ、古代に起きた認知外存在の力の発現によって、いくつかの大陸は大きな被害を受け、研究所にとらわれていた実験体達は旧人類たちの束縛から解放されて野に広がり文明を築いた。元は研究所であった場所はムツミを始祖とする宗教國家「オンカミヤムカイ」によって「聖地」として封印され、一部の者を除いてほぼ全ての実験体達は自分達の起源を忘れ去ってしまった。以下この「大陸」に多くの実験体達が暮らす時代を「現代」として本作品のストーリーは進行する事になる。 Template:SpoilerF
 
=== 文化 ===
科学技術水準は「古代」における産業革命以前の様相を呈しており、機械技術と呼べるレベルのものは作中に登場する最先進國でも存在しない。蒸気機関もいまだ開発されておらず、原始的なカラクリがちらほら見える程度。作中に登場する主な移動手段は、陸路では徒歩またはウォプタル(「ウマ」と呼ばれる二足歩行トカゲ)に直接搭乗するか、あるいは荷車や馬車を牽かせるなどである。作中に登場する中で有効な集団攻撃手段となりうる「法術」の使用と「飛行」が可能である唯一の種族、オンカミヤリュー、および國家であるオンカミヤムカイは、自分達を厳しい戒律で縛り、道を外れるものと法術技術の流出を防いでいる。そのためこの世界での戦争行為は、短期間で戦局を左右する方法が存在しないため、血で血を洗う戦國時代の真っ只中である。
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:: 主人公。大怪我をして倒れていたところをエルルゥ達に助けられる。助けられる以前の記憶を失っており、なぜか外すことの出来ない仮面を着けている。年齢は27歳~28歳。カミュに「おじ様」と呼ばれた時にショックを受けたり、アルルゥから父親の面影を重ねられたときに内心複雑な心境であるような言動を見せたりと、記憶喪失であることも相まって自分自身の年齢を気にしている。時に優しく、時に厳しい父親のような性格。自らの胸の内や悩みは人に話さず自分で解決する傾向にあり、それでいてたいていの逆境は自力でどうにか出来てしまうという難儀な性をしている。記憶喪失だということを鑑みても不思議なくらい安定した人格者ではあるが、穏やかな日常においては戦時の鬼才ぶりからは想像もできないような言動を見せることもある。例を挙げるならば仕事をぽっぽり出して放浪し、べナウィに青筋をたてさせるなど日常茶飯事であり、年甲斐もなくトウカお気に入りの人形を壊してしまい修理道具を求めて城内を全力疾走したり、オボロと共につまみ食いしたお菓子(賞味期限切れの腐ったもの)に中ってしまい、厠に入る順番をめぐって本気で争うなど、枚挙にいとまが無い。酒は趣きに重きを置く質だが、精神が不安定なときは少々悪酒飲みのきらいがあり、エルルゥをやきもきさせている。「ハクオロ」とは、トゥスクルの計らいでエルルゥ達の実父(故人)から借りうけた名前である。
:: 戦闘フェイズでは毒液・刃を仕込んだ鉄扇を操り、既存の概念にとらわれない采配を振るい、先頭に立って一軍を率いる。「主人公」には未成熟なキャラクターが多いが、そう言う意味では彼は「大人」で、状況に応じた非情さを垣間見せる。
:: Template:SpoilerHその正体は遥か過去から存在する神如き者、『'''うたわれるもの'''』。ハクオロはそのうたわれるものの半身が顕現した姿、「'''空蝉'''」である。かの時代で認知外の高位存在と同化してしまった末の意識が彼であり、「創成期」でのアイスマンとは彼のことである。彼の被る仮面は、幾千本もの未知の繊維で直接脳髄に縫い付けられており脱着は完全に不可能である。その繊維はそれぞれが脳の各部に作用し、身体機能や免疫力などを向上させる機能を持つ。その効果を研究するための実験体が後の亜人間たちの祖先であり、彼は「現代」に生きる全人類の父であるということになる。因みにハクオロと言う名前は前大戦でウィツァルネミテア(空蝉)が自分の名はハクオロとトゥスクルに名乗っておりその名をトゥスクルが自分の息子に付けたものであり、彼女は最初に会った時から彼の正体が大神だと気付き、彼にその名前を「返還」した。つまりハクオロという「白き皇」を意味する名前は、借り物ではなく彼の真名である。オンカミヤムカイ最深部にて精神の統合後、大神である自身がこの世に相容れぬ災いであることを認識し、自ら封印されることを選ぶ。自身の存在に悩み苦しみながらも、自分が封印される瞬間まで自身の意思を貫き通した。Template:SpoilerF
; エルルゥ
: 声 - [[柚木涼香]]
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: 戦闘フェイズでは祖母仕込みの薬術で傷薬や戦時麻薬、果ては毒薬までもを生成し、一軍の要として尽力する。
:: Template:SpoilerH本編開始前にハクオロとの間で、地震で瀕死の重傷を負ったアルルゥを救うため、自らの存在をあけわたす契約をしており、本人にその自覚はある。自身のハクオロヘの愛情が模造されたものであると知りながらそれを受け入れ、別れのそのときまでハクオロを支え続けた。Template:SpoilerF
 
; アルルゥ
: 声 - [[沢城みゆき]]
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; ディー(声:[[池田秀一]])
: 凛とした涼やかな容貌のオンカミヤリュー族の青年。終始無表情で、畏怖・重圧さえ感じるような気配をまとっている。様々な國に現れ、意図的に戦火を拡大せんとする。元はオンカミヤムカイの哲学士で、ウルトリィと師弟関係にあったが、そのころの面影はもはや霞ほども残っていない。様々な陰謀に関わりハクオロとは特殊な関係にある様だが…。
: Template:SpoilerHその正体はハクオロと起源を共にするウィツァルネミテアの半身が顕現した姿であり、精神は「'''分身'''」である(「ディー本人」からすると「分身」に憑代(よりしろ)として肉体を奪われた状態)。戦乱を通じて生き残るべき強靭な種と淘汰されるべき脆弱な種を独善的に選び、自らの「子供達」をより高い存在へと導こうという超越的な「愛情」を見せる。独善的な種の選定をあくまで「愛情」と形容し、『その過程で脱落した者など知らぬ、目に入らぬ』とばかりの姿勢とその手段を受け入れられない自身の「空蝉」であるハクオロとは対立している。ストーリー終盤でハクオロとの意識の統合を行い、『うたわれるもの』へと回帰する。Template:SpoilerF
; ムツミ(声:[[釘宮理恵]])
: ディーの側に控える、黒翼・血眼の女性。現行の法術・術者の水準を遥かに飛び越た力を操り、法術とは明らかに別物である不可思議な現象までをも行使する。ディーの事を「お父様」と呼び、ハクオロに対しても何らかの含みのある態度を見せる。
: Template:SpoilerHその正体は、遠い過去にハクオロの遺伝子から複製された彼の子供たち「実験体」の内、最もハクオロに近い性質を持った一体。ディーとハクオロを同一視し「父様」と呼ぶ。彼女の行動はすべて父の望みをかなえ、父を安らかに『眠らせる』という理由に起因する。強大な力を発現させてしまったため肉体は研究者たちによって破棄処分されたロストナンバー。アニメ版では肉体が存続している描写が存在するが、原作では精神のみの存在となって『父親』であるアイスマン(ハクオロ)にコンタクトをこころみた。彼女の名前は『製造番号欠番No63』の語呂合わせで『ムツ(6)ミ(3)』と名付けられた。かの名前に決定する前に『ムーミン』やら『ムツゾウ』などという名前を付けられかけ、そのたびにサイキックウェーブをアイスマンに叩き付けて激しい異議申し立てを行う場面が見受けられる。オンカミヤリュー族の生物学的始祖であり、かの一族の最も適合した肉体を寄り代にして降臨する。カミュの意識を押しのけて現出しハクオロ達と敵対するが、二人を封印するために意識と肉体をカミュへと返還する。Template:SpoilerF
; ミコト(声:[[柚木涼香]])
: 時折、ハクオロの脳裏に涼やかな鈴の音と共にフラッシュバックする幻影。ハクオロの失われた過去に関係していると思われる。
: Template:SpoilerHムツミと同じくハクオロの複製体の内の一体。ムツミとの差異は彼女はただの大勢居る、実験のためのモルモットの内の一体でしかなかったという点。ハクオロとの間に子をもうけるが、研究者達によって「サンプル保存」という名目で惨殺される。因みにエルルゥが髪飾りにしている輪っかのような物は、古代の研究施設のリング型のマスターキーであり、ミコトに娘のような情を抱き彼女とアイスマンの逃亡幇助をした研究者ミズシマの物である。2人はその後子を授かり、そのマスターキーはミコトの「父」からの贈り物としてその子供に贈られた。その後ミコトの直系の子孫の長女に引き継がれるものだがトゥスクルの姉が死んでしまった為、トゥスクルが所有し長女であるエルルゥに授けた。ミコトには「動物の声を聞く」という特殊な感応能力を持っており、彼女の子孫には一定確率でその能力が遺伝される(トウカがアルルゥを森の母と呼んでいたのはこの能力を持った子孫が他にも存在しその人達が森の母と呼ばれていた為)。トゥスクル、エルルゥ、アルルゥはミコトの直系にあたる。彼女の名前の名付け親もまたハクオロであり、「製造番号No3510」にちなんで『3(ミ)5(コ)10(ト)』と名付けられた。その名前の意味するところは、「命」。Template:SpoilerF
 
== スタッフ&主題歌 ==