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== 企画の経緯 ==
「うたわれるもの」という企画の発端は、まずシミュレーションRPGを作ろうという話があり、それと同時に企画・シナリオ担当の'''菅宗光'''が獣耳が出てくるゲームが作りたいということから、この二つをあわせて企画が生まれた<ref name="kg181">[[#ガイド|公式ガイドブック、p181。]]</ref>。また、和風の話を書きたかった菅によればアイヌ文化をモチーフにさせてもらったとのこと<ref name="kg183">[[#ガイド|公式ガイドブック、p183。]]</ref>。
ただ、市場的に獣耳という部分を特化させるのはどうかということから、獣耳を主張した菅宗光以外のスタッフからは「なんで獣耳?」との声も上がっていた。しかし、やがてシナリオが固まってくると、獣耳なしでは成り立たないストーリーになっていたので、いつしか反対の声も聞こえなくなっていった<ref name="kg186">[[#ガイド|公式ガイドブック、p186。]]</ref>。また原画・キャラクターデザイン担当の'''甘露樹'''も以前は獣耳の特化傾向に抵抗があったとのことだが、今はそんな違和感もなく普通に書いているとのこと<ref>ゲーマガ2011年4月号 114ページ</ref>。
本作に章などの概念が無いことについて、ディレクターの鷲見努はシナリオ重視の作品だったからとインタビューで答えている。詳しくいえば、菅の書いたシナリオに、その他の部分を当てはめていく作業ですべてを作ったからとのこと<ref name="kg182">[[#ガイド|公式ガイドブック、p182。]]</ref>。
 
また制作当時、アイヌ文化の資料が少なくて苦労したとのエピソードが笑いをまじえて語られている。甘露・菅曰く、いざ制作となると資料が少なく、買うにしても数が少なくて高価なものが多かったため、資料を経費で購入することはできないかと考えるも、制作当時はあまり期待されていなかったためか経費を出してもらうことはできなかった。そこで、図書館で十冊くらい借り、二週間後に返し、またすぐに借りるというのを繰り返して制作していったとのこと。また、馬の役割を担うウォプタルという二足歩行の爬虫類は、登場するキャラクター達が動物のような耳をしているゆえ一線を画すために、甘露樹の機転によって生まれた。そうしたウォプタルや獣耳を描くために恐竜図鑑や動物図鑑なども借りて勉強したとのこと<ref name="kg183">[[#ガイド|公式ガイドブック、p183。]]</ref>。
==あらすじ==
ここではないどこか、今ではないいつか。
 
== あらすじ ==
時は戦国時代。國は分かれ争い、民草が飢え苦しむ時代。ある山奥ののどかな辺境の村に、瀕死の怪我を負った男が運び込まれた。
{{不十分なあらすじ|date=2016年1月}}
豊かな翠色に彩られた穏やかな気候の大陸。そこに暮らす種族は獣のような耳や尻尾、または大きな翼を背負う、ヒトとは似て非なる者たち……ある種族は強靭な肉体を誇り、またある種族は武術に長け、それぞれ種別できる特性があった。種はやがて部族となり、大小さまざまな國を成すに至っていた。
 
民は大神'''ウィツァルネミテア'''を崇め、その大いなる名のもとに、生から死に至るまで儀式を行う慣わし、日々感謝の祈りを捧げることを忘れない。ある大陸の北東に位置する辺境の地に、ヤマユラの集落がある。作物の育たない痩せた大地ゆえに民は貧しい生活を強いられながらも、辺境で生きる者ならではの屈強さで明るく和やかに暮らしていた。
彼は村人に助けられる以前の全ての記憶を失っており、さらに自分が顔につけている仮面はどうやっても外す事の出来ない不可思議で不気味な代物であり、彼の混乱に拍車をかけた。彼は村人達に獣のような耳や尻尾がある事や、製鉄や化学肥料などの高度な知識が自分にあることを疑問に思い、自分自身と目覚めた世界の微妙な齟齬を訝しつつも、おおらかで穏やかな村人たちの雰囲気に村の暮らしを徐々に受け入れつつあった。
 
そんなある日、もろい民家をなぎ倒すほどの激しく大地を揺さぶる地震が起きる。そのとき集落付近の森にいた少女'''エルルゥ'''は、大怪我をして倒れていた男'''ハクオロ'''と出会い、集落へ連れて帰り手厚く看護する。
新たに『ハクオロ』という名を村長から授かった彼は、村の生活を豊かに発展させ、村を襲った災厄を退け、村人達の信頼を勝ち取ってゆき、既にこの村の無くてはならない家族となっていた。しかし戦乱と貧困の風は、この平和な山村にまで吹き付け、人道に反する重い税を押し付けた藩主に反発したことが原因で、村人に強く信頼されていた村長が殺害されてしまう。
 
灼けるような熱さと朦朧とした意識の中、少女の唄う子守唄が男の耳に木霊する。どこかで聴いたなつかしい唄声。男が目覚めた時……記憶は無に帰していた。失われた過去とこれから導く未来、そのふたつが交錯する物語が始まる……。
ハクオロの中に生まれた、深く静かな怒り。多くの者が死ぬと知りながら、取り返しがつかぬと知りながら、彼はその怒りを解き放った。ハクオロは指導者として謀反を起こし、暴虐の限りを尽くした圧制国家を打ち崩して、新たな国トゥスクルを建国する。
 
はじまりのうた……それは大いなる母に抱かれ、その末裔まで唄いつがれる永遠の子守唄……<ref name="kg2">[[#ガイド|公式ガイドブック、p2。]]</ref>。
戦いは終わったかに見えたが、まるで何らかの作為が働いているかの如く、次々とトゥスクルとハクオロの元に戦の業火が降りかかる。大きく拡大していく戦の火。ただ平和だけを望む自分の存在や行動が、結果的に戦渦を広げている事に苦悩するハクオロ。しかし、もはや彼に逃げ道は何処にもない。人の身には余る知識と知略、積み重なっていく重責と不条理な現実。そしていまだ深い霞に隠されたままの自分自身の正体。多くの苦悩を抱えつつも、ハクオロはトゥスクルの『皇』として、いまだ終わる兆しの見えない戦争の日々に身を投じる事となる・・・。
 
美しい自然に彩られた、幽玄の世界。そこで「彼」は目覚めた。それは人の想い全てを呑み込む、大いなる戦いの始まりだった。さまざまな者たちが、さまざまな思いを響かせ合い、一つの歌を奏で始める。
 
それは、'''散りゆく者への子守唄'''
 
== 世界観 ==
 
=== 本編開始以前 ===
全くの異世界で進行するストーリーであるようにみえる本作品だが、その世界の起源が終盤で明かされている。 本作品に登場する時代設定は、3つに大別される。過去から順に史実との接点である「'''古代'''」、後述するアイスマンが発見された亜人間世界の「'''創成期'''」、そして「'''現代'''」(本編)である。本項では先の2つについてそのあらすじと、最後の「現代」に至るまでを記述する。
 
「古代」において、ある考古学者は立ち入り禁止区画に踏み入り、謎の巨大生物らしき化石を見つけるが、それの存在を隠蔽しようとする者の手によって拳銃で撃たれ瀕死の重傷を負う。その際飛び散った血液の一部が化石にかかり、その化石の意識を呼び覚ましてしまう。願いを叶えるという謎の化石の声に静かに眠らせてくれるよう頼むが、その願いは考古学者自らの身体を差し出すことで叶えられ永い眠りに就く。
 
次に挙げる「創成期」では、世界設定として環境の激変によって地上に人が住めなくなり、人類が地下に潜って過ごすようになったとされる。この時代では膨大な時間と技術を費やし地球を再生する事に成功したが、そのあまりに永い時間は自然環境に適応する耐性を人類(以後旧人類)から奪ってしまう。
 
そんな中「古代」の氷河の中から凍結された人間が発見され、さらにその男が被っている仮面らしきものは彼がいた時代(「古代」)よりさらに数百万年以上も昔のものだということが分かる。発見者(旧人類)達は'''アイスマン'''と名付けた彼を元に遺伝子を改変した実験体、動物の耳と尻尾らしき器官をもった生物(亜人間)を作り出し、自分達を地上に適応させるための実験を行う。しかし計画半ばで1人の研究者が情にうたれ、自分達の恐ろしい所業に苦悩した末にアイスマンと実験体たちを地上へと逃亡させる。
 
そこで彼らは子を授かり平和に穏やかに暮らしていたが、貴重なサンプルであるアイスマンを確保しておきたい研究者達によって研究所に連れ戻され、アイスマンの妻で実験体である'''ミコト'''は解剖されてしまう。これに激怒したアイスマンは突如、巨大な異形へと変貌し、衝動のおもむくまま破壊の限りを尽くした。そして、強靭な肉体を求めて愚考を繰り返す旧人類達に、怨嗟と皮肉を込めて彼らを未来永劫死ぬことのできない異形の粘液体へと変異させる。深い満足感を感じつつも、同時に制御不可能になった自分の破壊衝動を止めることを望み、その願いは特別な実験体である'''ムツミ'''が『死』という形でかなえようとするも、彼を殺しきることはかなわず『眠り』という形で封印されることにより果たされる。
 
その後、彼の意識は何度となく目覚めと眠りを繰り返し、いつしか彼の意識は「分身(ぶんしん)」・「空蝉(うつせみ)」へと分裂することになる。
 
旧人類の滅亡より永い時が過ぎ、古代に起きた認知外存在の力の発現によって、いくつかの大陸は大きな被害を受け、研究所にとらわれていた実験体達は旧人類たちの束縛から解放されて野に広がり文明を築いた。元は研究所であった場所はムツミを始祖とする宗教國家「オンカミヤムカイ」によって「聖地」として封印され、一部の者を除いてほぼ全ての実験体達は自分達の起源を忘れ去ってしまった。以下この「大陸」に多くの実験体達が暮らす時代を「現代」として本作品のストーリーは進行する事になる。
=== 文化 ===
科学技術水準は「古代」における産業革命以前の様相を呈しており、機械技術と呼べるレベルのものは作中に登場する最先進國でも存在しない。蒸気機関もいまだ開発されておらず、原始的なカラクリがちらほら見える程度。作中に登場する主な移動手段は、陸路では徒歩またはウォプタル(「ウマ」と呼ばれる二足歩行トカゲ)に直接搭乗するか、あるいは荷車や馬車を牽かせるなどである。作中に登場する中で有効な集団攻撃手段となりうる「法術」の使用と「飛行」が可能である唯一の種族、オンカミヤリュー、および國家であるオンカミヤムカイは、自分達を厳しい戒律で縛り、道を外れるものと法術技術の流出を防いでいる。そのためこの世界での戦争行為は、短期間で戦局を左右する方法が存在しないため、血で血を洗う戦國時代の真っ只中である。
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:小さな集落が集まってできたごく小さな國で、ノセシェチカの属國である。アニメではノセシェチカの同盟を結んでいる國と説明された。
== 登場人物 ==
※担当[[声優]]は「日本語」は日本語版アニメおよびPS2版ゲームでの声優、「英語」は日本国内版[[Blu-ray Disc]] BOXにも収録されている英語版アニメでの声優を記載。なお英語版声優のリンクは、片仮名書きは日本語版ウィキペディアの、アルファベット書きは[[英語版ウィキペディア]]の記事へリンクしている。
 
=== 主人公、ヒロイン ===
; ハクオロ
: - 日本語:[[小山力也]]英語:[[ジョン・グレミリオン]]
:: 本作の[[主人公]]。大怪我をして倒れていたところをエルルゥ達に助けられる。助けられる以前の記憶を失っており、なぜか外すことの出来ない仮面を着けている。ヤマユラの村人達に獣のような耳や尻尾がある事や、農作に有用な化学肥料や製鉄、薬品の調合などの高度な専門知識を自身が持っている事に疑問を持ち、自分自身とそれを取り巻く世界に感じる微妙な齟齬を訝しみつつも、おおらかで穏やかな村の雰囲気に徐々に馴染み、そこでの暮らしを受け入れていく。「ハクオロ」とは、トゥスクルの計らいでエルルゥ達の実父(故人)から借りうけた名前である。開発スタッフによれば、イメージ的な年齢は27歳~28〜28とされる<ref name="kg184">[[#ガイド|公式ガイドブック、p184。]]</ref>。カミュに「おじ様」と呼ばれた時にショックを受けたり、アルルゥから父親の面影を重ねられたときに内心複雑な心境であるような言動を見せたりと、記憶喪失であることも相まって自分自身の年齢を気にしている。時に優しく、時に厳しい父親のような性格。自らの胸の内や悩みは人に話さず自分で解決する傾向にあり、それでいてたいてい大抵の逆境は自力でどうにか出来てしまうという難儀な性をしている。記憶喪失だということを鑑みてが、それで不思議なくらい安定した人格者でるが穏やかな日常においては戦時の鬼才ぶり宿命からは想像もでき逃げないような言動を見せることもある。例を挙げるならば仕事をぽっぽり出して放浪し、べナウィに青筋をたてさせるなど日常茶飯事であり、年甲斐もなくトウカお気に入りの形を壊してしまい修理道具を求めて城内を全力疾走したり、オボロと共につまみ食いしたお菓子(賞味期限切れの腐ったもの)に中ってしまい、厠に入る順番をめぐって本気で争うなど、枚挙にいとまが無い。酒は趣きに重きを置く質だが、精神が不安定なときは少々悪酒飲みのきらいがあり、エルルゥをやきもきさせている。「ハ物<ref>[[#ブッオロ」とは、レッゥス|DVD特典ブッルの計らいでエルルゥ達の実父(故人)から借りうけた名前であるレット、p13。]]</ref>
: ヤマユラの集落にて、化学肥料などを使用する新しい農法の知識を使い、病み上がりながらも一緒になって頑張り農作物の収穫量を大幅に上げたり、その農作物を狙ってやってくる狡猾なキママゥの集団をテオロ達と一緒に追っ払ったりと、自分を快く受け入れてくれた人達のため、村の発展に全力を尽くしていく。
:: 戦闘フェイズでは毒液・刃を仕込んだ鉄扇を操り、既存の概念にとらわれない采配を振るい、先頭に立って一軍を率いる。「主人公」には未成熟なキャラクターが多いが、そう言う意味では彼は「大人」で、状況に応じた非情さを垣間見せる。
: クッチャ・ケッチャがトゥスクルに侵攻してきた際のオリカカンとのやり取りで、オリカカンの「大義は我にあり」という侵攻を正当化する言葉に対して、「戦にそんな綺麗事は存在しない!」と一喝していたりなど<ref>戦闘フェイズ「エヴェンクルガの女」より</ref>、決して戦(いくさ)を美化したり正当化しようとせず、むしろ避けるべきものと考えているようである。
:: その正体は遥か過去から存在する神如き者、『'''うたわれるもの'''』。ハクオロはそのうたわれるものの半身が顕現した姿、「'''空蝉'''」である。かの時代で認知外の高位存在と同化してしまった末の意識が彼であり、「創成期」でのアイスマンとは彼のことである。彼の被る仮面は、幾千本もの未知の繊維で直接脳髄に縫い付けられており脱着は完全に不可能である。その繊維はそれぞれが脳の各部に作用し、身体機能や免疫力などを向上させる機能を持つ。その効果を研究するための実験体が後の亜人間たちの祖先であり、彼は「現代」に生きる全人類の父であるということになる。因みにハクオロと言う名前は前大戦でウィツァルネミテア(空蝉)が自分の名はハクオロとトゥスクルに名乗っておりその名をトゥスクルが自分の息子に付けたものであり、彼女は最初に会った時から彼の正体が大神だと気付き、彼にその名前を「返還」した。つまりハクオロという「白き皇」を意味する名前は、借り物ではなく彼の真名である。オンカミヤムカイ最深部にて精神の統合後、大神である自身がこの世に相容れぬ災いであることを認識し、自ら封印されることを選ぶ。自身の存在に悩み苦しみながらも、自分が封印される瞬間まで自身の意思を貫き通した。
: 酒や釣りが好きで、時間が空いた際などによく嗜んでいる。また、エルルゥやアルルゥをはじめとした、自身が大切にしている人たちと過ごす何気ない時間を何より大切にしている。
: 戦、そして自身の正体に対する疑問など、様々なことに悩み苦しみながらも、エルルゥ、アルルゥをはじめとした多くの人たちに支えられ助けられ、自身の想いを貫き通してゆく。
: その正体は、遥か過去から存在する神の如き存在「力のある者」(正式名称は不明)であり、亜人間達から「ウィツァルネミテア」と呼ばれ崇められる存在。ハクオロは、その力のある何かの半身が顕現した姿、「'''空蝉'''」である。「古代」において、ごく普通の人間の青年が認知外の高位存在と同化してしまった末の意識が彼であり、'''「創成期」でのアイスマン'''とは彼のこと。ハクオロの被る仮面は、幾千本もの未知の繊維で直接脳髄に縫い付けられており、脱着は完全に不可能である。その繊維はそれぞれが脳の各部に作用し、身体機能や免疫力などを向上させる機能を持つ。その効果を研究するための実験体が亜人間たちの祖先であり、ハクオロは遺伝子的な意味で「現代」に生きる全人類の父であると言える。
:「ハクオロ」とは前大戦でウィツァルネミテア(空蝉)がトゥスクルに告げた名前で、トゥスクルはそれを自分の息子に貰っていたが、大怪我をして担ぎ込まれた当初に彼の正体に気付き、その名前を「返還」した。つまりハクオロという「白き皇(白皇(ハク・オウルォ)」を意味する名前は、借り物ではなく'''彼の真名'''である。オンカミヤムカイ最深部にて精神の統合後、大神である自身がこの世に相容れぬ災いであることを認識し、自ら封印されることを選ぶ。自身の存在に悩み苦しみながらも、自分が封印される瞬間まで自身の意思を貫き通した。エピローグでは、誰かの気配に気づいたエルルゥが背後を振り返るところで物語は幕を閉じるが、ハクオロが帰ってきたのかどうかは謎のままである<ref group="注">ただし、アルルゥやクーヤなど一部の者はハクオロを見たかのような(または気配を感じた)発言をしている。続編の二人の白皇にて、大神ウィツァルネミテアの化身として現世に帰還していたことが正式に明かされ、物語の重要な鍵を握る人物として登場、その後はハクが大神ウィツァルネミテアの力を引き継いだことにより、人間として正式にトゥスクルへ帰還することとなった。</ref>。
: ゲームの戦闘フェイズでは刃を仕込んだ鉄扇(毒液も流し込むことが可)を操り、既存の概念にとらわれない采配を振り、先頭に立って一軍を率いる。なお、連撃最後の技の属性は火神・水神・土神・風神の内の一つが反映される。
: ウィツァルネミテアに変身した状態で戦う場面もあるが、ムツミとディー(変身後)との戦いの時のみであり、任意での変身は不可。装備・道具・蒐集品をコンプリートした状態で挑める特別戦闘では、ハクオロが戦闘不能になった場合のみウィツァルネミテアに変身することができる。
; エルルゥ
: - 日本語:[[柚木涼香]]、英語:[[キラ・ヴィンセント=デイヴィス]]
: メイン本作の[[ヒロイン]]。大怪我をして倒れていたハクオロを助けた少女。面倒見が村人に慕われる心優しい少女であるが、性格。しし、自分の胸が小さいことにコンプレックスを抱いてお、ハクオロが他女性と親しくしている時に不機嫌になるなど嫉妬深く「やきもち焼きが唯一の欠点」とされ<ref name="yj">PS2版収録用語辞典</ref>、怒らせると誰もめられない<ref group="注">ドラマCDやラジオドラマなどではその部分が強調されている。</ref>。家事全般が得意。酒が入るとすぐ酔うが、そこから一向に潰れない<ref>PS2版作中でのクロウの台詞から</ref>。薬師の卵で、祖母であるトゥスクルには薬の調合法などを教わっており、薬師の卵いる。薬草や薬石を採りに行くのが好きで、しばしば森まで通っている。トゥスクルの遺言でアルルゥとともにハクオロに預けられ、建國後はトゥスクル國の薬師となり、以後ハクオロの御付として体調管理を任され彼を見守り続ける。建國後はハクオロの周りにいる女性たち皆見目麗「家族」と説明い者ちばかこともあ、当初ウルトリィからは[[皇后]]と勘違いされたこともある。エルルゥを気に病んで名前は、トゥスクルの姉と姉妹草から取られている。
: 本編開始前、地震によって瀕死の重傷を負ったアルルゥを救うため、ハクオロ(ウィツァルネミテア)との間に'''自らの存在を明け渡す契約'''を結んでいる。ハクオロへの愛情はその契約による部分もあり、本人にもその自覚はあるが、それを抜きにしてもハクオロ個人へ本当の愛情を抱いている。その旨を声に出すことが出来なかったが、その苦難に耐えながらも別れる時までハクオロを精一杯支え続けた<ref>アニメ版23話のウルトリィの発言より。</ref>。その後は薬士として村のために尽力し続け、アルルゥと共にハクオロの帰りを信じて待ち続けている。
:
: 髪飾りに輪っかをつけているが、ヤマユラの村の習慣で成人した女性が貰うものとされる<ref group="注">つける場所はどこでも良く、エルルゥは髪飾りにしている。</ref>。これはエルルゥの家の長女に代々伝わるもので<ref group="注">トゥスクルは次女だが、姉が死んだので受け継いだ。</ref>、実はエルルゥの持つ輪っかがオリジナルであるミコトの輪っかであり、それ以外の人間が持つ輪っかは、そのレプリカである<ref name="kg185">[[#ガイド|公式ガイドブック、p185。]]</ref>。
: 戦闘フェイズでは祖母仕込みの薬術で傷薬や戦時麻薬、果ては毒薬までもを生成し、一軍の要として尽力する。
:その契約は後に破棄されている(アニメ版では第25話、ゲーム中ではムツミ戦の前に「契約を破棄する」と言っている)ので、ハクオロが封印されてもエルルゥ(アルルゥ)には影響がなかった<ref group="注">死亡したのではなく、あくまで封印なので契約状態であっても何も影響がない可能性もある。</ref>。
:: 本編開始前にハクオロとの間で、地震で瀕死の重傷を負ったアルルゥを救うため、自らの存在をあけわたす契約をしており、本人にその自覚はある。自身のハクオロヘの愛情が模造されたものであると知りながらそれを受け入れ、別れのそのときまでハクオロを支え続けた。
: ゲームの戦闘フェイズでは相手に直接ダメージを与える攻撃はしないが、祖母仕込みの薬術で傷薬やコンシューマー版ではちょっと危ない薬<ref name="kg182">[[#ガイド|公式ガイドブック、p182。]]</ref>までもを生成し(PC版は回復のみ)、一軍の要として尽力する。アニメ版では戦闘に参加することはないが、主にハクオロにとって精神面での補助に尽力していると言える。
 
=== トゥスクル ===
; アルルゥ
: - 日本語:[[沢城みゆき]]、英語:[[:en:Sasha Paysinger|Sasha Paysinger]]
:: エルルゥの妹。無口で人見知りが激しいが、一度なつくと甘えたり悪戯をしずらをする。主人公ハクオロを「おとさん」と呼び慕う。動物と心を通わすことができ「森の母(ヤーナマゥナ(森の母)」ともよばれる。ユズハとカミュから親友であり、「アルちゃん」と呼ばれている。食欲旺盛な育ち盛りで、皆からは小動物の如く可愛がられ、よく餌付けされている。はちみつが大好物で、カルラに便乗して倉から盗にてつま食いほどることもしばしば。無邪気な性格のわり狡猾で頭の回転が早く、勘が鋭い。また真っ直ぐな性格で、身内など危険にさらされた時にはどんな状況であっても黙っていられず無謀そのため何度か危険行動を取る目にあうこともあった(内一回はウィツァルネミテアの契約によ実際何度蘇生した)。アルルゥの名前は、姉妹草らとられている。エルルゥと共最後までハクオロの精神を支え続け、たとえ異形の者と化してしまっても、ハクオロのことを「お父さん」と呼び続けていた。ハクオロにとっては、正真正銘の「'''娘'''」と言え存在
: 実は本編開始前、地震によって瀕死の重傷を負っており、ウィツァルネミテアの契約によって救われている。
:: 戦闘フェイズではムックルとガチャタラを従え、ハクオロとエルルゥを守るために、矢も矛も恐れず戦場を駆け巡る。
: 動物たちと心を通わす能力は、家に代々遺伝として伝わるもので、亡きトゥスクルの姉の他、この世界では同じ能力を持った人間が他にもいるものとされる(エルルゥやトゥスクルにも遺伝はしたが、この能力は使えないとされる)<ref name="kg185"/>。
;; [[ムックル]](声:[[下山吉光]])
: 原作者の菅はインタビューで「特にお気に入りの登場人物は?」という問いで迷った末にカルラとアルルゥの名を挙げており、「アルルゥは愛情を込めて書きました。彼女が絡むイベントに大きなイベントが多いのはそのためかもしれません。」と語っている<ref name="kg191">[[#ガイド|公式ガイドブック、p191。]]</ref>。
;: エルルゥ達が住む村の近くの森で『森の主(ムティカパ)』として恐れられハクオロ達に退治された、ムティカパ(白虎)の子供。成長した時の事を考え始末されそうになるが、アルルゥが助け面倒を見ている。人の言語を解するほどの高い知能を持つ。巨大な白虎に成長するが、まだまだ子供で、アルルゥにとてもなつき甘えている。だがアルルゥが危機に陥った際は、凶暴なムティカパとなって戦う。しかしエルルゥだけには敵わない。
: ゲームの戦闘フェイズではムックルとガチャタラを従え、ハクオロとエルルゥを守るために、矢も矛も恐れず戦場を駆け巡る。後述のムックルの体毛硬化の能力から、戦闘メンバー随一の物理防御能力を誇っているが、水辺や雨が降るステージなどでは弱体化してしまう。
;: 親のムティカパと同様の刀も通さぬ程硬い体毛を持つが、水に濡れると非常に脆くなる為に水辺や雨を極端に嫌う。
; ムックル
;; ガチャタラ
: 声 - 日本語:[[下山吉光]]、英語:[[モニカ・ライアル]]
;: チキナロが商品として連れてきたミキュームと呼ばれる白いオコジョやリスに似た霊獣。その肝はあらゆる病気に効くと言われており、ユズハの治療の為にオボロに殺されそうになるが、『可哀想』という理由からユズハは殺すのを拒否し、アルルゥが面倒を見る事になる。名付けた者に対する刷り込みが起こるため、アルルゥを親だと思い込んでいる。小さくて可愛いらしいので、女性陣からは可愛がられるが、ムックルはやきもちを焼いている。
: エルルゥ達が住む村の近くの森で「ムティカパ様(森の主)」として恐れられハクオロ達に退治された、ムティカパ(白虎)の子供。成長した時のことを考え始末されそうになるが、ハクオロが「産まれてきた命は元来無垢なものだ」と説得したため、事なきを得た。その後は、アルルゥが面倒を見ている。人の言語を解するほどの高い知能を持つ。そう時間が経たずに巨大な白虎に成長するが<ref group="注">成長したムックルを見てハクオロやエルルゥが驚愕する場面がある。</ref>、まだまだ子供。アルルゥにとてもなつき甘えており、彼女が危機に陥った際は、凶暴なムティカパとなって戦う。しかし、エルルゥにだけは敵わない。ガチャタラが来てからは、母親代わりのアルルゥの関心を奪われてしまうことに対して、やきもちを焼いている{{refnest|group=注|ムックル担当の下山曰く「突然出てきてアルルゥの愛を奪っていく憎いやつ(笑)」とある<ref>[[#ファン|公式ファンブック、p85。]]</ref>。}}。
;; オボロ(声:[[桐井大介]])
: 親のムティカパと同様の刀も通さぬ程硬い体毛を持つが、水に濡れると非常に脆くなるために水辺や雨を極端に嫌う。
;: ユズハの兄で、義賊として活動をしていたが、ケナシコウルペとの戦を通じてハクオロを「兄者」と呼び最初に彼に心酔する忠臣の1人となる。部下としてドリィ、グラァをしたがえ、彼らから「若様」と呼ばれる。酒はそんなに強いほうではないが、周りに大酒飲みが揃っていることに加えて、負けん気の強さからコンプレックスを抱えている。妹であるユズハのことを溺愛しており、それゆえ後先が見えなくなることもある。オボロは皇族の出身でありオボロの祖父はケナシコウルペの先代皇だった。しかし祖父が前大戦で敗北しその結果インカラの先祖に権力闘争でも負け、皇の地位を奪われ没落してしまった。その為、オボロはケナシコウルペの正統後継者でもある。またオボロの祖父とトゥスクル、ワーベは前大戦で共に戦った戦友である。
; ガチャタラ
;: 戦闘フェイズでは弐刀流を操り、軽業師のような身のこなしを生かした戦法を見せる。
: チキナロが商品として連れてきた「ミキューム」と呼ばれる、オコジョやリスに似た白色の霊獣。その肝はあらゆる病気に効くと言われており、ユズハの治療のためにとオボロに仕留められそうになるが、ユズハが「そんなことをしてまで私は生きたくない」と言ったため、事なきを得る。名付けた者に対する刷り込みが起こるため、アルルゥのことを既に親だと思い込んでおり、買い取らざるを得なくなってしまったため、以後アルルゥが面倒を見ている。小さくて可愛いらしいので、女性陣の評判が(特に可愛い物に目がないトウカに)とても良い。
;; ユズハ(声:[[中原麻衣]])
: ガチャタラが加入すると、ゲームの戦闘フェイズでアルルゥの必殺連撃が成功するようになる(未加入の状態だと必ず失敗)<ref>HDリメイク版とそれ以前では若干仕様が変更されており、HD版以前では必殺連撃がミスとなりダメージも増加していなかったがHD版からは演出上のみで失敗となるがダメージは加算される扱いとなった。ガチャタラ加入前は無属性ダメージだが加入後は属性ダメージへと変更される</ref>。
;: オボロの妹。盲目であり生まれつき病弱。大病を患っておりしばしば発作で苦しむ。トゥスクル曰く体に複数の『澱神』を宿している特異体質で、彼女の病は複数の澱神の相反の負荷によるものであるため不治とされる。寝所という狭い範囲の世界が彼女の生活圏であり、兄オボロの極端な過保護により純真無垢のまま育ったためいろいろな方面の知識がかけている。一種浮世離れした雰囲気をまとい、また凛とした芯の強さをも垣間見せる。アルルゥからは「ユズっち」と呼ばれる。苦党。自分の存在が、周りの者達に迷惑をかけているのではないかと危惧している。
; オボロ
;; ドリィ/グラァ(声:[[渡辺明乃]])
: 声 - 日本語:[[桐井大介]]、英語:[[:en:Chris Patton|Chris Patton]]
;: オボロの部下の双子。常に二人一組で行動し、見た目も思考パターンもほとんど同じ。瞳が紫で袴が藍色なのがドリィ、瞳が青で袴が朱色なのがグラァである。オボロに対して尊敬以上の感情を持っているらしく、オボロに記憶がなくなるまでお酌をし、撃沈させることもある。かわいらしい外見だが、実際は二人とも[[ロリショタ]]である。2人共ハクオロを「兄者様」と呼び心酔する忠臣の1人。
: ユズハの異母兄。義賊として活動をしており、最初はユズハと親しくなっていくハクオロを敵対視していたが、様々な出来事を通じてハクオロに惹かれていく。ケナシコウルペとの戦を通じて彼を「'''兄者'''」と呼ぶようになり、最初に彼に心酔する忠臣の1人となる。部下としてドリィとグラァを従え、彼らからは「若様」と呼ばれている。性格は「熱く」、「優しく」、「真っ直ぐ」で、落ち着いた性格のハクオロと対になる「もう一人の主人公」であると評されている<ref>[[#ブックレット|DVD特典ブックレット、p2。]]</ref>。妹であるユズハのことを溺愛しており、それゆえ後先が見えなくなることもある。
;: 主武装は弓だが他にも諜報活動が得意。戦闘フェイズでは弓矢を操っての後衛支援を行う。
: 義賊として活動していただけあって武と隠密行動に非常に優れている。序盤はベナウィやクロウに武力で圧倒されるものの、物語中盤ではベナウィとの本組手で、彼の雨が降り注ぐように襲い掛かってくる打突を二刀をもって捌ききり、あと一歩まで追い詰めるまでに至る。また、それによってベナウィから「見事です」という言葉を引き出している。
;; ウルトリィ(声:[[大原さやか]])
: 酒は強い方ではないが、周りに大酒飲みが揃っていることに加えて、負けん気の強さからコンプレックスを抱えており、よく飲みすぎて二日酔いの薬をエルルゥに作ってもらっている。また、野菜が嫌いなことをユズハに指摘されたために、無理をして野菜を口に詰め込んだ結果、気絶してしまう場面もあった。
;: オンカミヤムカイの第1皇女であり、カミュの姉。本来は巫(カムナギ、巫女)であり外交特使として活動することはないが、本人たっての希望によりトゥスクルの國師(ヨモル)として派遣された。美しい白翼を持ち、慈愛に満ちたその立ち振る舞いから様々な人々から畏敬の念を集めている。カルラとは旧知の仲であるが、その馴れ初めは明らかにされていない。神々しい聖女のような女性だが捨て子を預けられ感情移入しすぎてしまい、親元に帰す際に我を見失い悪鬼のごとく変貌するなど人間的な面も見せた。ハクオロに想いを寄せている。
: 皇族の出身であり、祖父はケナシコウルペの先代皇だったため、オボロはケナシコウルペの正統後継者でもある。しかし祖父が前大戦で敗北し、その結果インカラの先祖に権力闘争でも負け、皇の地位を奪われ没落してしまった<ref name="kg187">[[#ガイド|公式ガイドブック、p187。]]</ref>。
;; カミュ(声:[[釘宮理恵]])
: 戦後、ハクオロから戦前に自身の後継者として任命されていたが、「俺はまだ未熟でオゥロ(皇)としての器じゃないし、何より柄じゃない」として國のことをベナウィに託し、ハクオロが残していったさまざまなものに想いを馳せつつ、ユズハの遺した子を連れて<ref group="注">ゲーム版のみ。</ref>修行の旅に出た。また、オボロの祖父とトゥスクル、ワーベは前大戦で共に戦った戦友である<ref name="kg188">[[#ガイド|公式ガイドブック、p188。]]</ref>。
;: ウルトリィの妹で第2皇女。誰とでも仲良くできる元気な少女。一族の始祖の力を特に強く受け継ぐその羽は黒色。ゆえに畏怖をもって別格視され、皇女である事も重なりトゥスクルに来るまで友達と呼べるような者がいなかった。アルルゥ、ユズハとはすっかり仲良しで、アルルゥからは「カミュちー」と呼ばれる。ハクオロのことを「おじ様」と呼び、父のように慕っているが段々それ以上の想いを寄せるようになる。『この世ならざるもの』と対話することが可能な、オンカミヤムカイのなかでも特異な存在。
: ゲームの戦闘フェイズでは弐刀流を操り、軽業師のような身のこなしを生かした戦法を見せる。
;: Template:SpoilerH意識の底に一族の始祖・ムツミの意思が宿っており、ストーリー終盤でディーの呼びかけに答えてムツミへと変貌する。オンカミヤムカイ最深部でカミュの意識に立ち戻るが、ムツミとはある程度意識を共有している状態である。Template:SpoilerF
; ユズハ
;; ベナウィ(声:[[浪川大輔]])
: 声 - 日本語:[[中原麻衣]]、英語:[[モニカ・ライアル]]
;: ケナシコウルペの侍大将であり騎兵衆隊長。國への忠義のため戦う生粋の武人。槍の達人であるが、その冷静沈着さと知性で政務の補佐においても優れた手腕を発揮する。國を蝕むインカラ皇の圧政に心を痛めながらも、己の気持ちを押し殺し命令に従っていた。インカラ皇を殺害した後、自らも自害しようとするがハクオロに止められ、以後彼に仕える。表には出さないがハクオロの人柄に惚れており、彼に心酔する忠臣の1人。持ち前の容姿と性格で女官たちから憧られ、恋文も多数受け取っていたようだが、本人は無自覚。容姿のわりに小言の絶えない、年寄りくさい性格。
: オボロの異母妹。盲目であり生まれつき病弱。大病(トゥスクル曰く躰中のオンカミが、いがみ合い、争う病)を患っており、しばしば発作で苦しむ。寝所という狭い範囲の世界が彼女の生活圏であり、兄オボロの極端な過保護により純真無垢のまま育ったため、色々な方面の知識が欠けている。そのためハクオロがオボロに対して「ユズハという名の愛玩動物を飼っている」と苦言を呈する場面もあった<ref group="注">ゲーム版のみ。</ref>。一種の浮世離れした雰囲気をまとい、凛とした芯の強さをものぞかせる。トゥスクルで過ごすようになってからは、元気な姿を見せるようになり、親友となったアルルゥとカミュからは「ユズっち」と呼ばれる。苦党。自分の存在が、周りの者達に迷惑をかけているのではないかと危惧している節があり{{refnest|group="注"|国家予算で購入した薬を与えてもらっている<ref name="kg185" />。}}、また自分の命が長くないために「'''自分が生きた証'''」を残したいと思いハクオロとの子供を作った(PC版でハクオロは複数のヒロインと関係をもったが、子供ができたのはユズハのみである{{refnest|group="注"|ゲームの収録時、これを知ったエルルゥ役の柚木は、メインヒロインであるはずのエルルゥではなくユズハと子供を作ったことをなぜかハクオロ役の小山に激怒した<ref>DVD特典キャストインタビューVOL7より。</ref>。}})。アニメ版では、子供を産むことはなく最終回で他界。エルルゥに対して、ウルトリィと同様「自分の意思でハクオロの傍に居て良い」という考えに至らせる大切な役目を担った。
;: 戦闘フェイズは鉤槍を振り回し、灰色をしたウォプタルに騎乗して俊敏に敵兵を攪拌する。
; ドリィ、グラァ
;; クロウ(声:[[小山剛志]])
: 声 - 日本語:[[渡辺明乃]]、英語:[[:en:Brittney Karbowski|Brittney Karbowski]](ドリィ)・[[ナンシー・ノヴォトニー]](グラァ)
;: ベナウィ率いる騎兵衆副長。言葉使いも行動も豪放快活な性格だがベナウィと同じく礼節をわきまえた頼りになる武人。「平和を望まないわけではないが、戦場を駆けることこそ生きがい」と豪語する。また意外と細かい気配りも出来る。かなりの酒豪で、自分の周りに健啖な飲み仲間が増えて喜んでおり、豪放快活な彼曰く「酒は競わず、楽しむもの」。なぜかアルルゥの執事のようなことをしていることが多い。オボロとはじゃれ合いめいたいがみ合いが絶えず、食事の時間はおかずを巡って小競り合いを繰り返している。隊長であるべナウィとは強い信頼関係で結びついている。ハクオロを「総大将」と呼び心酔する忠臣の1人。
: オボロの部下の双子。共に弓の名手。常に二人一組で行動し、見た目も思考パターンもほとんど同じ。瞳が紫で袴が藍色なのがドリィ、瞳が青で袴が朱色なのがグラァである。オボロに対して尊敬以上の感情を持っているらしく、オボロに記憶がなくなるまでお酌をし、撃沈させることもある。少女と見間違えるほどかわいらしい外見で、ハクオロも勘違いしていたが、実際は二人とも少年である<ref group="注">しかし、女性用の耳飾りに興味を示したり、オボロと[[衆道]]関係にある描写もあった。</ref>。二人ともオボロを「若様」と、ハクオロを「兄者様」と呼び敬愛する。隠密活動も得意であり、しばしば諜報活動も担当する。隠密活動時は通常より小さめの弓を使用する。ペリエライ(弓衆)隊長を務めており、ドリィが蒼組隊長、グラァが朱組隊長。戦後、オボロが修行の旅に出る際「若様にお仕えできないのならディネボクシリ(地獄)に堕ちたほうがマシです!」と言い切り、後を追っていった。
;: 戦闘フェイズでは規格よりも少々大きめな大刀を操り、嬉々として戦場に赴く。
: ゲームの戦闘フェイズではやはり両者とも弓を操り、水平射撃、曲射などを使った巧みな技を見せる。
;; カルラ(声:[[田中敦子 (声優)|田中敦子]])
; ウルトリィ
;: 戦闘に特化した肉体を持つギリヤギナ族の女剣奴(ナクァン)。鎖つきの大きな首輪が特徴の怪力娘で、男5人がかりでないと運べないほど重くとても頑丈で巨大な剣を片手で軽々と振り回す。人離れした強靭な力はカルラの素質もあるが彼女の父親が大神と契約し得た力が引き継がれているためである。一流の戦士であると同時に酒と風流を嗜む生粋の自由人。かなりの酒豪。まじめな人をからかうのが好き。奔放な言動と行動でハクオロを翻弄するが彼に心酔する忠臣の1人であり、同時に彼を心から愛している。ウルトリィとは古くからの友人。 アルルゥ同様、盗みの常習犯である。他人からはいい加減で捻じ曲がった精神の持ち主のように思われがちだが、「自らの痛みは我慢できても、他人の苦痛には耐えられない」性格で自己犠牲も厭わない。
: 声 - 日本語:[[大原さやか]]、英語:[[:en:Kelly Manison|Kelly Manison]]
;: 戦闘フェイズでは前述の重剣を使用して眼前の兵士を暴風の如く薙ぎ倒す。
: オンカミヤムカイの第1皇女であり、カミュの姉。本来はカムナギ(巫、巫女)であり外交特使として活動することはないが、本人たっての希望によりトゥスクルのヨモル(國師)として派遣された。美しい大きな白い翼を持ち、慈愛に満ちた立ち振る舞いでさまざまな人々から尊敬と畏敬の念を集めている。妹であるカミュのことは心から大切に思っており、常々心配している。また、カルラとは旧知の仲(幼馴染)であり、かつてラルマニオヌが存在していたころ、親交を深めるためにやってきた使者の一団の中にいたことがきっかけで出会い、友情を育んでいた<ref>日めくりCD トラック37 「ウルトリィとカルラ」より。</ref>。神々しい聖女のような女性ではあるが、預けられた捨て子に感情移入しすぎてしまい、親元に帰す際に手放すことが出来ずに我を見失い、悪鬼のごとく変貌するなど人間的な面も見せる(その際、法術の力が暴走したのか、頭上に天使の輪が出現していた<ref group="注">ゲーム中のイベントCGから。</ref>)。ハクオロに想いを寄せている。当初からハクオロがウィツァルネミテアに関係があることに感づいていたようで、トゥスクルのヨモル(國師)に自分から名乗り出たのはそのためである。後にワーベからオルヤンクル(賢大僧正)の地位を譲り受け、正真正銘の皇女となる。また、アニメ版では立場上の問題から進んで戦場に立つ描写はないが、アンクァム(傭兵)という扱いでナ・トゥンクに出向いた際にだけ攻撃法術を使用する場面を見ることができる。
;; トウカ(声:[[三宅華也]])
: ゲームの戦闘フェイズでは、オンカミヤリュー独自の法術を駆使して戦う(風と水、そして光の術法)。
;: 武術に優れ、義を重んじ、高潔なる魂を持つといわれるエヴェンクルガ族の流浪の女武人。始めはクッチャ・ケッチャに仕え敵対していたが、誤解が解けた後、ハクオロに心酔する忠臣の1人になる。ハクオロの護衛役を務めているが最近では他の女性に対抗してか皇妃の地位を狙いハクオロの子を欲しがっている。生真面目な性格なのだが、「某としたことが」を口癖にうっかり色々なことをやらかす。別名「うっかり侍」。 生真面目ゆえ、度々カルラにいじられる。酒に対する耐性は無きに等しく、一献あおるともう朝まで起きない。可愛いものに目がない。玩具の武人を模した人形を宝物として大切にしている。口調や服装は勇ましいが、れっきとした女性。自分の世界に入り込むと周りが見えなくなる。
; カミュ
;: 戦闘フェイズでは日本刀で居合い切りを連続で放つ離れ技を見せ、精緻に手向かう者を斬り捨てる。
: 声 - 日本語:[[釘宮理恵]]、英語:[[:en:Serena Varghese|Serena Varghese]]
: ウルトリィの妹で第2皇女。人懐こく、とても元気で活発な少女。一族の始祖の力を特に強く受け継ぐ。その背中に大きな黒い翼を持ち、ゆえに畏怖をもって別格視され、皇女であることも重なり、トゥスクルに来るまで友達と呼べるような者がいなかった。最初は興味本位で付いて行っただけだったが、再度ウルトリィがヨモルとして派遣された際には、正式に補佐としてトゥスクルで過ごすこととなる。積極的に関わっていった結果、アルルゥやユズハとは仲良しとなり、アルルゥからは「カミュちー」と呼ばれる。アルルゥとは年はあまり変わらないがウルトリィの妹であるだけに姉に負けないほどの巨乳で今でも成長しているらしく、年上であるエルルゥはそのことにショックを受けた。ハクオロのことを「おじ様」と呼び、父のように慕っているが段々それ以上の想いを寄せるようになる。『この世ならざるもの』と対話することが可能な、オンカミヤムカイの中でも特異な存在('''ムツミ'''の項参照)。カミュの名前は、神を結ぶ者と書いて「神結-カミ・ユウ-<ref>うたわれるもの オリジナルサウンドトラックより。</ref>」となる。物語が進むに連れて前述の始祖の血を受け継いでいる影響から、お腹を痛めるまで水を飲み続けたり、吸血行為をしてしまったりした。物語終盤、ディーの手によりムツミへと変貌してしまうが、自ら眠りを選んだハクオロの意思に従い、ムツミが人格を変換(返還)したため最終的に元に戻ることができた。その後ウルトリィと姉妹2人でウィツァルネミテアの封印を成功に導き、人の手で「'''神'''」を封じるという罪を共に背負うこととなった。
: アニメ版ではウルトリィと同様、戦場に立つことはなく、こっそり戦場へ助っ人へ行こうとしウルトリィとムントに見咎められるシーンがある。またカミュもナ・トゥンク編でのみ攻撃法術を使用する場面が見られる。
: ゲームの戦闘フェイズでは、姉のウルトリィ同様の法術を駆使して戦う。ただし、ウルトリィとカミュでは使用できる術の属性が異なっている。カミュは火と土、そして闇の術法である。
; ベナウィ
: 声 - 日本語:[[浪川大輔]]、英語:[[ヴィック・ミニョーニャ]]
: ケナシコウルペのオムツィケル(侍大将)であり、ラクシャライ(騎兵衆)隊長。國に住まう民への忠義のため戦う生粋の武人。槍の達人であり『三國一の槍の達人』として周辺國に名を轟かせている。物語序盤ではオボロやハクオロを圧倒したり、アニメ版ではカルラとの本組手で全力の攻撃を受け流して見せたりしていることから、相当な実力の持ち主であることが窺い知れる。その冷静沈着さと知性で、政務の補佐においても優れた手腕を発揮する。
: 國を蝕んでいくインカラ皇の圧政に心を痛めながらも、仮初とはいえ平和を保つため、己の気持ちを押し殺し命令に従っていた(ただ、民を顧みない命令には常に諫言していたため、そのつど不興をかっていた)。
: インカラのあまりの暴挙に「'''國の基盤は民であり、それを蔑ろにして國に明日はない'''」と強く進言するも聞き入れられることはなく、牢に入れられてしまう。その後クロウの手によって解放されるとともに現在の状況を教えられ、ケナシコウルペの統治に終わりが迫っていることを知る。クロウに「劣勢となった場合、すぐに投降せよ」と全兵に伝えるよう言い含め、インカラに現在の危機的状況を伝えに行くも、民どころか自身の兵のことも顧みない命令を下される。ベナウィはケナシコウルペのオムツィケルとして、最後の務めを果たすため、またハクオロ達叛軍に対する最後の壁として、ハクオロ逹と最後の一戦を交える。自身の限界まで戦い、ハクオロ達を見定め、そして自分以外のほとんどの兵が投降したのを見定めてから、インカラ皇のもとへ戻る。インカラ皇を介錯し、追って自害しようとするがハクオロに止められ、以後彼に仕える。表には出さないがハクオロの人柄に惚れており、彼に心酔する忠臣の1人。
: 持ち前の容姿と性格から女官たちの憧れの的であり、恋文も多数受け取っていたようだが、本人は無自覚。そのため後述のノポンから一方的にライバル視(嫉妬)されている。上司も同僚も部下も気ままな行動をする者が多いため気苦労と小言が絶えず、恐らくトゥスクル國内では一番の苦労人。一見旧人類(普通の人間)のように見えるが、長く尖っている耳がたまに見えるので、彼もまた亜人間である。年下のカミュからは、「ベナウィ兄様」と呼ばれている。
: オボロとは親戚の関係にあるが、小さな頃のことだったためオボロはそのことを覚えておらず、オボロのことを「危なっかしくて見ていられない(放っておけない)」と武術のライバルであると同時に、親のように見守り続けてもいる<ref>DVD特典ショートエピソード第二話より。</ref>。オボロが元皇族の人間であることは、彼が城に盗みに入って出会った際に気付いたとされる<ref name="kg187"/>。
: ゲームの戦闘フェイズでは「シシェ」という名の白色のウォプタルに騎乗し、鉾槍(ほこやり)を自在に操る。
; クロウ
: 声 - 日本語:[[小山剛志]]、英語:[[ジェーソン・ダグラス]]
: ベナウィ率いるラクシャライ(騎兵衆)副長。ベナウィと違い、叩き上げの軍人<ref name="kg187"/>で、言葉使いも行動も少々粗野だが礼節は弁えた、頼りになる屈強な武人。「平和を望まないわけではないが、戦場を駆けることこそ生きがい」と豪語する。縁の下の力持ち的存在で、また意外と細かい気配りも出来る好漢である。口癖は「'''ういっス'''」。かなりの酒豪で、自分の周りに健啖な飲み仲間が増えて喜んでおり、豪放磊落な彼曰く「酒は競わず、楽しむもの」。オボロとはじゃれ合いめいたいがみ合いが絶えない。隊長であるベナウィとは強い信頼関係で結びついており、ベナウィを小馬鹿にした態度を取ったヌワンギに対して手を上げたり、ケナシコウルペ陥落寸前の際にはそれとなくベナウィに離反を勧める場面もあった。ベナウィを「大将」、ハクオロを「総大将」と呼び、彼らに心酔する忠臣の1人。インカラ皇の娘であるカムチャタールから好意を寄せられているが、当の本人は気づいていない。
: ゲームの戦闘フェイズでは、通常より一回り大きい緑色のウォプタル<ref>[[#ファン|公式ファンブック、p107。]]</ref>に騎乗し、さらに規格よりも少々大きめな太刀を操る。
; カルラ
: 声 - 日本語:[[田中敦子 (声優)|田中敦子]]、英語:[[:en:Shelley Calene-Black|Shelley Calene-Black]]
: 本名:'''カルラゥアツゥレイ'''。戦闘に特化した肉体を持つギリヤギナ族のナクァン(女剣奴)。鎖つきの大きな首輪が特徴の怪力娘で、男5人がかりでないと運べないほど重い巨大な剣を片手で軽々と振り回す。この剣は、通常の剣ではカルラの怪力に耐えきれず折れてしまうため、「決して刃こぼれせず、折れず、曲がらない」という注文によって作られた特注品。「刃こぼれせず、折れず、曲がらない」ことを最優先に造ったため、切れ味は二の次でモロロ(芋)一つ切れないナマクラ。カルラの怪力をもってはじめて威力を発揮し、敵を薙ぎ払うか、もしくは叩き潰すようにして斬る。この常識外の強靭な力はカルラ生来の(ギリヤギナ族としての)素質もあるが、彼女の父親が大神と契約し得た力が引き継がれているためでもある。一流の戦士であると同時に酒と風流を嗜む生粋の自由人で、かなりの酒豪。まじめな人をからかうのが好き。奔放な言動と行動でハクオロを翻弄するが彼に心酔する忠臣の1人であり、同時に彼を心から愛している。髪の毛の一本から血の一滴まで捧げるという「'''ウィツァルネミテアの契約'''」をハクオロと交わし、彼を「あるじ様」と呼ぶ。ウルトリィとは幼馴染で、かつて皇女だったころに親交があった。アルルゥ同様、つまみ食いの常習犯である。他人からはいい加減で捻じ曲がった精神の持ち主のように思われがちだが、後述のスオンカス曰く「自らの痛みは我慢できても、他人の苦痛には耐えられない」性格で、いざとなれば自己犠牲も厭わない。一人のまだ幼さの残る少女が剣奴の闘覇者として君臨し、そのあまりの強さのために恐れられ、死ぬことを前提とした過酷な戦に常に駆り出されていた、という噂話があり、ベナウィがそのような話を耳にしたと語る場面があるが、その少女がカルラだったのかどうかは明言されていない。
: ゲームの戦闘フェイズでは前述の重剣を使用して眼前の兵士を暴風の如く薙ぎ倒す。
; トウカ
: 声 - 日本語:[[三宅華也]]、英語:[[:en:Sofia Mendez|Sofia Mendez]]
: 武術に優れ、義を重んじ、高潔なる魂を持つといわれるエヴェンクルガ族で、流浪の女武人。始めはクッチャ・ケッチャに与してハクオロと敵対していたが、誤解が解けた後は彼に心酔する忠臣の1人となった。ハクオロのことを「聖上」と呼びお傍付(護衛役)を務めている。
: その太刀筋は流れるように美しく、まるで舞うような剣技で、思わずハクオロが美しいと感嘆してしまうほど。オボロもそれに同意するも、「戦いのわざとしては美しすぎる」と、どこか違和感を覚えていたようである。
: 生真面目な性格なのだが、ひとつのことに集中すると周りが見えなくなる。それが災いし自滅や失敗をすることもあり、「某(それがし)としたことが」を口癖にうっかり色々なことをやらかす、別名「うっかり侍」。それゆえに、たびたびカルラにいじられている。酒に対する耐性は無いに等しく、一献あおると朝まで起きない。可愛いものに目がなく、特にアルルゥに対しては戦場ですら本音が出るほどで、彼女との協撃があったり、アルルゥ絡みのイベントもある。一人っ子であるため、武人を模した玩具の人形を宝物として、とても大切にしており、壊してしまったオボロ(実際に壊してしまったのはハクオロ)をその場でボコボコに殴り続けるほどだった。その後、人形は修復されたものの、速荷の馬車(隣國まで止まらない)に「うっかり」人形が乗っかってしまった時には、鬼神の形相で「ヲイデゲー!」と叫びながら追いかけ続け、街道にヌグィソムカミ(禍日神)が出ると街の噂になったこともある。エヴェンクルガ族の中で生ける伝説とされているゲンジマルに憧れを抱いており、彼との会話から親の名前がウンケイであることが判明した。
: アニメ版ではゲーム版と違い「うっかり」している描写が少ないために、終始落ち着いている印象が強い。このことについて「私がオーディションを受けたのはこんなキャラじゃないんですけどー!(笑)」とは[[三宅華也]]の談<ref>DVD特典キャストインタビューVOL5より。</ref>。
: ゲームの戦闘フェイズでは、日本刀で居合い抜きを織り交ぜた高速の斬撃を放つ。
: 左利きであるが、アニメやゲームのシミュレーションパートでは右利きで描かれることがある(ユニットの向きによって反転している場合がある)。
 
==== ヤマユラ ====
; トゥスクル
: 声 - 日本語:[[京田尚子]]、英語:[[:en:Marcy Bannor|Marcy Bannor]]
: エルルゥとアルルゥの祖母で、ヤマユラ村の村長。各地で知られる高名な薬師で、村人から絶大な信頼を寄せられる人格者。倒れていたハクオロを治療する。祖母として優しく孫たちに接するが、怒ると怖い。オボロからも実の親のように慕われている。「アルルゥはわしの若い頃にそっくりじゃ」とは本人の談で、かなりいたずらっ子だった模様。病弱だったヌワンギの母親に代わり面倒を見ていたこともあり、現在の彼の変わりようを心配している。
: ヤマユラが戦乱に巻き込まれた際、ヌワンギの部下の凶刃からアルルゥを庇って重傷を負う。その際、これから先もエルルゥとアルルゥの側にいてあげてほしいとハクオロに頼む。トゥスクルの心を汲んで了承したハクオロの言葉を聞き、安らかに息を引き取った。これが村人の怒りを爆発させる原因となり、大きな戦いの火付けとなった。
: 作者の菅によれば、前大戦が終わるまではオンカミヤムカイに住んでおり、オボロの祖父とワーベは、共に白い神に助力した間柄だったとのこと。それ故ハクオロがウィツァルネミテアであることを最初から知っており、トゥスクルは後に生まれた自分の息子にその名前をつける。作中冒頭で、エルルゥが正体不明の仮面の男を保護して家に連れて来た際に、男が「白い神のハクオロ」であることに気づき、記憶を失った仮面の男に本来の名前である「ハクオロ」を与えたとされる<ref name="kg184">[[うたわれるもの#ガイド|公式ガイドブック、p184。]]</ref>。トゥスクル亡き後、その名前は國に受け継がれることとなった。
; テオロ
: 声 - 日本語:[[石川ひろあき]]、英語:[[:en:Mike Vance|Mike Vance]]
: 辺境の村ヤマユラの男。村人からは「おやっさん」または「親父」と呼ばれており、「頼りにされている」と自分では言っているが、実際は子供の頃から親父くさい顔をしていたからだという。ハクオロを「アンちゃん」と呼び慕っている。
: ハクオロがケナシコウルペ皇都を制圧した後に、エルルゥとアルルゥを除き全員ヤマユラに戻った。だがその後、クッチャ・ケッチャからの突然の襲撃に際し、ハクオロへとその報を伝えて体制を整える時間を稼ぐために全員で応戦し、そのために皆殺しの憂き目にあった。背中に致命傷となる傷を受けながらもハクオロの元へと向かい、襲撃を報告するという役目を果たした後、皆が出撃して誰も居なくなった部屋で、ソポク達が迎えに来て<ref group="注">アニメ版ではウー、ヤー、ターの3人も。</ref>ヤマユラの村に戻るという情景の中、静かに息絶えた。
: ゲームの戦闘フェイズでは、斧を武器として豪快に戦場を駆ける。参加はトゥスクル建國までだが、家庭用機版の演習モードでは、作中で死亡するまで使用出来る。死亡する際にレベル10以上に達していると形見としてテオロの斧を入手可能。
; ソポク
: 声 - 日本語:[[ゆきのさつき|雪野五月]]、英語:[[クリスティーヌ・オートン]]
: テオロの妻。姉御肌で、親を亡くしたエルルゥ達から身近な女性として家族のように慕われ、また接している。若い時はエルルゥのような可憐な少女だったらしい。クッチャ・ケッチャの侵攻の際、死亡。
;ウゥハムタム
: 声 - 日本語:下山吉光、英語:[[:en:John Swasey|John Swasey]]
:ヤーやターと一緒にいる三人組の一人で、「ウー」と呼ばれている。大柄の男で無口。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。クッチャ・ケッチャの侵攻の際、死亡。
;ヤァプ
: 声 - 日本語:[[加藤将之]]、英語:[[:en:Christopher Ayres|Christopher Ayres]]
:ウーやターと一緒にいる三人組の一人で、「ヤー」と呼ばれている。老人で、よく語尾に「〜ダニ」と付く。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。クッチャ・ケッチャの侵攻の際、死亡。
;タァナクン
: 声 - 日本語:雪野五月、英語:[[:en:Christopher Ayres|Christopher Ayres]]
:ウーやヤーと一緒にいる三人組の一人で、「ター」と呼ばれている。緑の服の若い少年。耳はトゥスクル兵が耳部につけた布のようだが、タァナクンの場合はこれが耳である。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。クッチャ・ケッチャの侵攻に遭い、死亡。
;ハクオロ(故人)
359 ⟶ 384行目:
=== ケナシコウルペ ===
; ヌワンギ
: 声 - 日本語:[[吉野裕行]]、英語:[[:en:Greg Ayres|Greg Ayres]]
: 藩主ササンテが下女<ref group="注">しもおんな、げじょ。身分の低い女性の意。</ref>に産ませた子供であり、インカラ皇の甥。幼少の頃は病弱な母親に代わり、トゥスクルによく面倒を見てもらっていたとのこと。権力を笠に身勝手に振舞う、プライドだけ高い若者。母親の故郷であるヤマユラの集落で子供時代を過ごすが、ササンテの嫡子<ref group="注">ちゃくし。跡継ぎ、跡取りの意。</ref>が夭折<ref group="注">ようせつ。早くに亡くなってしまうことの意。</ref>したため、代わりに跡継ぎとして城へ戻される。幼馴染のエルルゥに好意を寄せている。エルルゥ達と暮らしていた頃は純朴で優しい少年<ref group="注">作中でのエルルゥの発言より。</ref>だったが、欲と権力に塗れた父親の元で長い間過ごしたことで性格が歪み、ひねくれてしまったため、村人たちから嫌われてしまう。普段はトゥスクルのことを「ババア」と呼んでいたが、トゥスクルが暴走した部下の凶刃からアルルゥを庇って重症を負った際は、思わず「'''バアちゃん'''」と呼んだりと、心の奥底では彼女を慕っていたようである。「バアちゃん」とヌワンギがトゥスクルを呼んだことに、ヌワンギのトゥスクルへの隠された想いに、辛い状況でありながらもその場にいたエルルゥは気付く。このことが後にヌワンギが昔の自分を取り戻すきっかけとなる。父であるササンテ亡き後はインカラの下で侍大将となったが、ハクオロたちとの戦闘に敗れ捕えられる。その後解放され、エルルゥに諭され改心したものの、戦をやめるよう進言しに都へ行く途中で運悪く敗残兵の掃討に遭い生死不明となり<ref>ゲームに収録された人物図鑑の記述より。</ref>、以後の消息を絶つ。アニメ版では解放された後、エルルゥの「'''さようなら'''」という重い一言を背中で受け止め、半ば放心状態のままおぼつかない足取りで霧の中へと消えていき、以後の消息を絶った{{refnest|group="注"|最終回で、普通に働いているヌワンギの絵を入れようという話がスタッフの間であったが、「原作と違うヌワンギの結末は絶対に不可」であると原作者から釘を刺されたとのこと<ref>[[#ファン|公式ファンブック、p95。]]</ref>。}}。
: アニメ版ではゲーム版では見られなかったオムツィケル(侍大将)の甲冑姿を見ることができ、専用のウォプタルは目つきが悪いなどの特徴がある<ref>[[#ファン|公式ファンブック、p111。]]</ref>。
: ゲームの戦闘フェイズでは段平(だんびら)のような得物を使用しており、コンシューマ版では数いる敵キャラクターの中で唯一ササンテとの「協撃」が用意されている。
; ササンテ
: 声 - 日本語:[[大川透]]、英語:[[:en:John Swasey|John Swasey]]
: エルルゥ達の村とその周辺を治める藩主で、ヌワンギの父。横暴な性格をしており、重税をかけて村人を苦しめる。喋る際、語尾に「にゃも」がつくのが特徴。鈍重そうな見かけによらず、武人としての実力は高くそれなりに強く、ゲーム版では斬りかかってきたオボロを難なく吹き飛ばしている。ハクオロたちの反乱に敗れ、ヌワンギを囮に自分だけ逃げようとしたところ、母親と一緒で役に立たないと言われ、逆上したヌワンギに殺されてしまう。アニメ版と漫画版では戦う描写がなく、ハクオロに鉄扇を喉に突き立てられあっさりと殺されてしまった。
: ゲームの戦闘フェイズでは鉤爪のような得物を袖から出して戦っている。コンシューマ版ではヌワンギとの協撃が敵で唯一追加された。
; インカラ
: 声 - 日本語:大川透、英語:[[:en:Andrew Love|Andrew Love]]
: エルルゥ達の國のケナシコウルペの皇でササンテの兄、ヌワンギの伯父。やはり弟同様、語尾に「にゃも」がつく。ユーモラスな外見とは裏腹に、弟ササンテ以上に狡猾かつ残虐な性格で、民からの収穫を私事につぎこみ、「'''民あっての國ではなく、國あっての民、そして國はこのインカラ自身'''」とまで言い切る愚皇。自分の髪の毛(アフロ)には並々ならぬこだわりを持っている。皇都陥落の際、皇の最後の務めを拒否し、最後の最後まで贅沢と我侭を通そうとしたため、それを良しとしないベナウィに介錯される。しかしインカラ亡き後、トゥスクル國内では叛意を持つ残党が未だに活動を続けている。
; チキナロ
: 声 - 日本語:[[太田哲治]]、英語:[[:en:Andy McAvin|Andy McAvin]]
: 旅の商人。薬や武器や装飾品から他國の情報まで、人身売買以外のありとあらゆる物を売り買いしている。護身のためか仕込み武器を持っており、忠告と称して「'''自分が刺客なら命を頂戴していた'''」と発言したり、ユズハの病の治療のために必要なムイコーハ(紫琥珀)を欲していることを知っている(そもそも治療に使うものが紫琥珀だとわかっていた)など、あまりにも底が知れない人物。また、ハクオロについても「'''惹かれる'''」のだと、本質の一端を見抜いていた。人身売買は決して請け負わないが商人としてのプライドを貫くために、自分自身の命ならば平気で質に入れる。ケナシコウルペに服従しているわけではなく、ケナシコウルペの滅亡後はトゥスクルと取引を行なっており、ノセシェチカとも取引している場面がある。
: 作者の菅によれば、実はディー(ウィツァルネミテア分身)側の人間である設定があるが、それを説明するシナリオが入れられなかったことが心残りであったとされる<ref name="kg188">[[うたわれるもの#ガイド|公式ガイドブック、p188。]]</ref>。
 
=== オンカミヤムカイ ===
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=== その他の諸國および勢力 ===
; ニウェ
: 声 - 日本語:[[秋元羊介]]、英語:[[:en:Christopher Ayres|Christopher Ayres]]
: 三大強國の1つであるシケリペチムの皇。武と知を兼ね備えた皇で元は狩猟部族の長だった。各地に散らばった部族達を統括し一代で國を三大強國の1つと言われるようにまで成長させた。非常に好戦的な性格で大変気性が荒く、戦うために生まれ、戦うために生きる武人なのだと自ら認めている。'''妖兵'''という「強いものと戦いたい」という欲求を満たすためだけの軍用ではない兵士(攻め滅ぼした國の有望な武将)を幾人も所有し、潜在能力を引き出しては争わせている<ref>[[#ファン|公式ファンブック、p47。]]</ref>。ハクオロに「最高の獣」としての素質を見抜き、獲物と定め執拗にトゥスクルに攻め込む。しかしトゥスクルに軍勢の大半を送り込んでいる隙にハクオロを含む少数の精鋭に城を襲撃される(「狩りは獲物を追い込むのではなく、誘い込むものだ」という発言をしており、ハクオロと戦いたいがためにわざと軍勢の大半を送り込んだ可能性もある)。その際、自分の欲を満たすためだけに多くの命を弄び続けたニウェに対して、怒りを露わにしたハクオロがウィツァルネミテアへと覚醒し、倒される。しかしその最期の時まで「最高の獣」を見出した自分の目に狂いはなかったと満足していた様子。笑い方が非常に特徴的<ref group="注">アニメ版では秋元羊介は監督から「[[東野英治郎]]が演じる[[水戸黄門 (パナソニック ドラマシアター)|初代水戸黄門]]の笑い方をイメージしてくれ」という指導を受けたと語っている。</ref>。
: ゲームの戦闘フェイズでは薙刀を得物として戦っており、初登場の際には大木を一刀両断するなどの芸当を見せた。
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: アニメ版にのみ登場するシケリペチムの武将で、三人揃った時に真価を発揮するとされる。大柄なのがエムロ、中背で髪を編んでいるのがイナウシ、小柄で目つきが悪いのがイコルである。ベナウィ、クロウ達が対等に戦える相手として設定され<ref>[[#ブックレット|DVD特典ブックレット、p7。]]</ref>、一度はクロウを追い詰めるも、決着がつくには至らなかった。シケリペチム侵攻の際、カルラに対して三位一体の攻撃を繰り出すも、圧倒的な力の前に、なす術もなく敗れてしまう。
; オリカカン
: 声 - 日本語:[[小形満]]、英語:[[:en:John Swasey|John Swasey]]
: 北方の[[騎馬民族]]國家・クッチャ・ケッチャの皇。ハクオロを裏切り者の義弟ラクシャインと呼び、同胞と妹の仇としてトゥスクルに攻め込んだ。しかしハクオロに対する憎悪は実はディーによって[[マインドコントロール|精神操作]]された偽りのものであり、トゥスクルへの進攻もハクオロを追い詰めるためにニウェとディーによって仕組まれたものに過ぎず、最期はハクオロがラクシャインでないことには気づくが、用済みとされ暗殺(毒殺)されてしまう。スタッフによれば「騙されちゃった悲劇の武将」<ref name="kg189">[[#ガイド|公式ガイドブック、p189。]]</ref>。
:「オリカカン皇もニウェとその手の者による不幸な被害者だった」という場面について、アニメ版では遺体を故郷の土へ還してやるようにトウカへ命じるシーンが追加されている。オリカカンの死後、國が滅びたわけではなく、別の人物が皇となって存続している模様。
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;ラクシャイン
: 声 - 日本語:小山力也
: オリカカンの義弟。オリカカンやトウカの台詞によれば、己の欲望のために自分の妻と子、クッチャ・ケッチャの多くの同胞を殺めたとされる男。精神操作されたオリカカンが、ハクオロのことをラクシャインだと思い込んでおり、それが原因でクッチャ・ケッチャとの戦争に繋がった。いずれも他キャラクターの台詞のみで、実際には作中での登場はなく「ハクオロと同時期に行方不明になった」となっている<ref name="yj">PS2版収録用語辞典。</ref>。アニメ版12話のアバンタイトル(オリカカンの回想)では仮面を着けている人物であることが描写されているが、上記の[[マインドコントロール|精神操作]]のため実在している人物なのかどうかも定かではなく、ミスリードの可能性も含めて、依然として謎の人物のままである。
; スオンカス
: 声 - 日本語:近藤孝行、英語:[[:en:Josh Grelle|Josh Grelle]]
: 奴隷の売買を國益とするナ・トゥンクの皇。生きた人間を苗床にすることで綺麗な花を咲かせる「ラルマニオヌの花」を栽培するなど、倒錯した美的感覚をもつ残忍な性格。カルラに異様なまでの執着心を抱いており(彼にとってのラヤナ・ソムカミ(日天之神)であるらしい)、昔から手に入れたいと思い続けていた。その愛は'''本物'''であり、当のカルラもそのことだけは認めていた様子。実はカルラに[[去勢|男性としての機能を破壊されている]]が、本人はむしろそのことを「汚い雄の呪縛から解き放たれた」などと言って感謝しており、オカマ言葉で喋る。得物として投擲用のナイフを袖の下に隠し持っており、その腕前は確かなもの。最期は愛するカルラの腕の中で「今この時だけ、誰よりも愛してあげる」と言われながら息絶えた(当のカルラも「嫌いではなかった」と発言している)。アニメ版ではカルラが守りの兵を薙ぎ倒した隙に、デリホウライから痛恨の一撃を顔面に喰らい、そのまま絶命した。
: ゲームの戦闘フェイズでは上述のナイフを操る上、柵(檻)を有効に利用して戦うなどの戦技を見せつける。
; デリホウライ
: 声 - 日本語:加藤将之、英語:[[:en:Nomed Kaerf|Nomed Kaerf]]
: 滅亡した超大國ラルマニオヌの皇子でナ・トゥンクの解放軍「カルラゥアツゥレイ」のリーダー。ギリヤギナ族。当初はその強さゆえに傲慢な性格で、自分の力に溺れていた。カルラに「弱い者の気持ちというものを教えてあげますわ」と自分よりも強い力を見せられたのをきっかけで丸くなり、彼女を生き別れになった姉と面影を重ねる。その幼い頃に生き別れた姉を今でも慕っているが、かなり美化して記憶しているようで、話を聞いたハクオロは「それは正反対だ」と心の中でツッコんでいる。新國「カルラゥアツゥレイ」建國後は皇となり、トゥスクルと同盟を結ぶ。戦後、ハクオロからカルラの様子を聞いて安心し、晴れやかな表情で自國へと帰っていった。
: クンネカムン侵攻の際、トゥスクルの同盟國として参戦していたがために「浄化の炎」から逃れる様子が見られたが、無事であったかどうかは不明のままである。
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: 幼い頃からデリホウライの面倒を見てきた忠臣の老人。デリホウライについては「大器を持つ'''漢'''であるが、未だその器は完成せず、むしろこのままではその器が歪んでしまう」と語っている。デリホウライに体術を教えたのも彼であるとされる<ref group="注">作中の台詞から。</ref>。
; カンホルダリ
: 声 - 日本語:[[最上嗣生]]、英語:[[:en:John Swasey|John Swasey]]
: 三大強國の1つ、ノセシェチカの皇。屈強の肉体を持ち傲慢で自己中心的性格。明確な描写がないため種族は不明だが、シャクコポル族に対して偏見があり、憎悪にも近い嫌悪感を抱いている。戦の才はあっても、視野の狭い独裁者。ポナホイにクンネカムンへの侵攻を命じたが、その後、自身も返り討ちにあいディーによって生きた操り人形にされてしまう。アニメ版では、アヴ・カムゥになす術もなく蹂躙される自軍を目の当たりにした結果「俺様が負けるなどありえない」と特攻し、クーヤのアヴ・カムゥによってあっさりと一刀両断され死亡する。その後、死体をハウエンクアが回収し、ディーが仮面兵を作り出すための研究材料とされてしまった。
: ゲームの戦闘フェイズでは、仮面兵と共にディーの傀儡として登場する。
; ポナホイ
: 声 - 日本語:近藤孝行、英語:[[ジェーソン・ダグラス]]
: ノセシェチカと同盟を結んでいる小國、エルムイの皇。本人が皇になりたかったわけではなく、カンホルダリが自らの支配欲を満たすために傀儡として祭りあげた元漁師で、カンホルダリの言いなりになっている。都合の良い下僕として扱われ、民からは弱腰の無能者とそしられている自分に苦悩している。カンホルダリの死後、「脅されて仕方なくクンネカムンに攻め入った」とトゥスクルに助けを求めたものの、結果は虚しく、後日クンネカムンによってエルムイは滅ぼされてしまう。その際ハウエンクアから「生き続けて苦しめ」等と言われているが、その後の消息は不明。アニメ版では、上記の元漁師などの細かい説明はなく、エルムイの皇として登場する。クンネカムンから反撃を受けた際には、ハウエンクアたちに土下座して「責めは私一人に。民に罪はありません」と慈悲を求めるも、聞き入れられなかった。
 
=== ストーリー上の重要なキャラクター ===
; ディー
: 声 - 日本語:[[池田秀一]]、英語:[[:en:Nomed Kaerf|Nomed Kaerf]]
: 凛とした涼やかな容貌の、オンカミヤリュー族の青年。終始無表情で、畏怖・重圧さえ感じるような気配をまとっている。さまざまな國に現れ、意図的に戦火を拡大せんとする。元はオンカミヤムカイの哲学士で、ウルトリィと師弟関係にあった。自分逹が崇拝している「'''神'''」に対しての好奇心が抑えられず、オンカミヤムカイの宗廟に侵入した結果、ウィツァルネミテアを発見。用もなく眠りを妨げたとして逆鱗に触れる。その際、知識を求めていることを見透かされたために、一方的な契約の代償として自分の肉体を差し出すこととなり、多量の知識(意識)が一度に流れ込んだ影響でディー本人の精神は崩壊してしまう。そのため、憑代とさせられる前の面影はもはや霞ほども残っていない。
: その正体は'''ハクオロと起源を共にするウィツァルネミテアの半身が顕現した姿'''であり、精神は「'''分身'''」である(「ディー本人」からすると「分身」に憑代〈よりしろ〉として肉体を奪われた状態)。オンカミヤリュー族であるため、憑代として「しっくりとくる良質な躰」であると発言している。さまざまな陰謀に関わりハクオロとは度々敵対した。闘争こそが進化の本道であるとし、戦乱を通じて自らの「子供達」をより高い存在へと導こうという超越的な「'''愛情'''」を見せる。闘争の過程で抑圧され、あるいは滅びていく種に対しては「必要な犠牲」と冷酷に切り捨てる姿勢であり、その手段や思想、またそれを「愛情」と呼ぶことそのものも含めて全く相反する思想を持つ自身の「空蝉」であるハクオロとは対立している。ストーリー終盤でハクオロ側から強引に意識の統合を行われ、「力のある者」へと回帰する。
: ゲンジマルに対しては「'''友'''」と呼んでおり、契約を反故にしたために命を奪う結果となってしまったが、「お前まで先に逝くのか」と悔やむ様子も見せていた。
: ウィツァルネミテアは「無限の'''孤独'''から解放されることが願い」だと発言しており、種を昇華させる行為は最終的にこの目的を果たすためである。化石として存在していた時から、この行動原理は引き継がれているようであるが、オンヴィタイカヤン(旧人類)もこの産物であったかは劇中で明言されていないため不明。空蝉と分身が出会ってしまった際に争う衝動が抑えられないのは、自分と同じ次元の存在に飢えていたウィツァルネミテアにとって、もう一人の自分が目の前にいることは歓喜の極み(または憎悪)であり、その存在を確かめたいがために争ってしまうとされている<ref>[[#ファン|公式ファンブック、p65。]]</ref>。
: ゲームの戦闘フェイズでは刀を得物としており、強力な光の法術も使用する。
; ムツミ
: 声 - 日本語:釘宮理恵
: ディーの側に控える、黒翼・血眼の女性。現行の法術・術者の水準を遥かに超越した力を操り、法術とは明らかに別物である不可思議な現象までをも行使する。ディーのことを「お父様」と呼び、ハクオロに対しても何らかの含みのある態度を見せる。
: その正体は、遠い過去(創成期)にハクオロの遺伝子から複製された彼の子供たち「実験体」の内、最もハクオロに近い性質を持った一体。強大な力を発現させてしまったため、研究者たちによって肉体を分解・破棄処分されたロストナンバー「'''製造番号欠番No63'''」。「No63」の語呂合わせで「'''ムツ (6) ミ (3)'''」と付けられた。その名前の意味するところは「'''睦'''{{refnest|group=注|結びつき、繋がりなどの意<ref>うたわれるもの オリジナルサウンドトラックより。</ref>。}}」。アニメ版では肉体が存続している描写が存在するが、原作では脳髄のみの存在となって「父親」であるアイスマン(ハクオロ)にコンタクトを試みた。ディーとハクオロを同一視し「お父様」と呼ぶ。彼女の行動はすべて父の望み(我を滅せよ、出来ぬならば封ぜよ)を叶え、「父を安らかに眠らせる」という理由に起因する。名前が「ムツミ」に決定する前に「ムーミン」やら「ムツゾウ」などという名前を付けられかけ、そのたびにサイキックウェーブをアイスマンに叩き付けて激しい異議申し立てを行う場面が見られた。オンカミヤリュー族の生物学的始祖である。また、カミュはムツミの中に存在するいくつもの人格のうちのひとつであり、ストーリー終盤でディーの呼びかけに答えてムツミへと変貌する。オンカミヤムカイ最深部でカミュの意識に立ち戻るが、ムツミとはある程度意識を共有している状態である。数々の能力の他に、太古の人類が衛星軌道上に創った衛星レーザー兵器「アマテラス」と直接リンクすることができ、衛星軌道上から超出力レーザー「浄化の炎」で標的を跡形もなく破壊することができる。クンネカムン皇都を破壊し尽した他、過去にウイツァルネミテアを滅するためにも使用されたが、それには至らず封印という形となった。
: アニメ版では、前述のアイスマンとの関係の描写が省かれてしまったため、ハクオロのことを「もう一人のお父様」と呼ぶ理由については謎のままの部分がある。
: ゲームの戦闘フェイズでは強力な闇の法術に加え、分身しながらの連続攻撃など、'''始祖'''の名に恥じない力を見せる。
; ミコト
: 声 - 日本語:柚木涼香
: 時折、ハクオロの脳裏に涼やかな鈴の音と共にフラッシュバックする幻影に出てくる女性。
: その正体は、ムツミと同じくハクオロの複製体の内の一体「'''製造番号No3510'''」。ミコトの名付け親もまたアイスマン(ハクオロ)であり、「No3510」にちなんで「'''3(ミ)5(コ)10(ト)'''」と付けられた。その名前の意味するところは、「'''命'''」<ref>うたわれるもの オリジナルサウンドトラックより。</ref>。また、「No3510」という製造番号もミコトにとっては、「'''博士がつけてくれた名前'''」なのであると語っている。ムツミのような特殊能力は見られなかったため、彼女は大勢居る実験用モルモットの内の一体として扱われていた。アイスマンと共に研究施設を脱走し、彼との間に子をもうけるが、後にアイスマンを追ってきた研究者達に捕獲され、「人との間に子を成した貴重なサンプル」として解体・惨殺される。エルルゥが髪飾りにしている輪っかのような物は、古代の研究施設のリング型のマスターキーであり、アイスマンとの接触でミコトに微かな父性的愛情を持ち、彼らの逃亡を幇助した研究者ミズシマがミコトに与えたものである。マスターキーはミコトの「父」からの贈り物としてアイスマンとミコトの間に産まれた子供に贈られ、その後は直系の子孫の長女に引き継がれていった。トゥスクルの代では彼女の姉が死んでしまったためにトゥスクルが受け継ぎ、その直系の長女であるエルルゥに授けられた。また、研究過程では発覚しなかった様だが、ミコトは「動物の声を聞く」という特殊な感応能力を持っており、彼女の子孫には希にその能力が発現する。そうした存在は、動物達と心を通わせるその様から「ヤーナ・マゥナ(森の母)」と呼ばれている。
; アイスマン
: 声 - 日本語:小山力也
: 隠蔽されていたウィツァルネミテアの化石を発見したために、射殺されそうになった考古学者。朦朧とする意識の中、自身の返り血によって目覚めた「化石」の声を聴き、「眠らせてくれ」と頼んだ結果、化石と同化(契約の代償)し、氷の中で長い眠りにつくこととなった。後にミズシマをはじめとする研究者達に発見され、研究材料のためとして蘇生させられる。ミコトを解体したことに加え、肉体を強化する作用のある仮面のレプリカが完成したことを研究者の口から聴いた結果、怒りからウィツァルネミテアの力に目覚め、研究者達を次々と赤いゲル状の謎の物体へと変貌させる(強い肉体が欲しいという願いを歪めて叶えた)。その際、ウィツァルネミテアの凄まじい力に愉悦を感じる心と、こんな残酷なことはしたくないという心がせめぎあい、ムツミの手によって封印されるも、長い年月が経ち封印が弱まるにつれてその心は二つに分かれ、戻ることなく、やがてそれぞれが自我を持つようになった<ref>[[#ファン|公式ファンブック、p64。]]</ref>。
; ミズシマ
: 声 - 日本語:加藤将之
: 生命の創造の研究を進めていた科学者の一人で、主にアイスマンの仮面についての秘密を探っていた。オンヴィタイカヤン(旧人類)。地下での生活を続けている間に、地上の環境に耐えられない肉体となってしまった。そのため新たな生命を創造するという研究を続けていたが、気の遠くなるような時間の中で研究を続けていくうちに、罪の意識が麻痺していき何も感じなくなることを恐れていた、良識ある人物で、「神の真似をし、生命の臓器を弄ぶことなど人の身には余りにも大それていること」だと考えている。実験体であるミコトに対しては、「研究者である自分が名前をつけることはできない」としてアイスマンに名前をつけてあげるように頼んでおり、後に逃亡を幇助した際には「ミコト」という名前に満足していた様子を見せた。
: ゲームの中ではミズシマの他にもマツオなどの日本の名字を持つ研究者が登場している。
 
== 世界の謎(地理、歴史) ==
=== 地理 ===
本作品の世界は'''「古代」でいう日本列島'''が主舞台であり、他の大陸も存在するが未登場である(存在はしているが混沌としている<ref name="kg183" />)しかし、「古代」とは違い地軸が異なり、陸の形もわずかに違う。作中の地図では「古代」の[[千葉県|千葉]]が最南端になっており、東北側が東、近畿側が西である。また、クンネカムンの首都は「古代」の[[石川県]][[金沢市]]と一致する。
 
「現代」では、大陸の中央に'''シケリペチム'''があり、その東方に'''ケナシコウルペ'''(後の'''トゥスクル''')、北西には'''クンネカムン'''、南西には'''オンカミヤムカイ'''がある。ケナシコウルペの東に'''クッチャ・ケッチャ'''があり、南に'''ナ・トゥンク'''がある。クンネカムンの西には'''エルムイ'''や'''ヌンバニ'''、'''ハップラプ'''をはさみ、'''ノセシェチカ'''がある。大陸中央北側の沖合には'''サハラン島'''がある。この島はクンネカムンの領土であり、硫黄の匂いが漂う劣悪な環境。また、生体兵器の失敗作が廃棄されている場所でもある。
=== 本編開始以前 ===
全くの異世界で進行する物語であるように見える本作品だが、実際には'''未来世界の[[日本国|日本]]'''が舞台<ref name="kg183" />となっている。そして、作品世界の起源は終盤で明かされている。スタッフによれば本作品に登場する時代設定は、3つに大別される。過去から順に史実との接点である「'''古代'''」、後述するアイスマンが発見され亜人間達が生まれた「'''創成期'''」、そして「'''現代'''」(本編)である。「古代」及び「創成期」についての概要と、最後の「現代」に至るまでの過程を記述する。本作品に於ける時代設定では、現実世界の「現在」が「古代」に相当する。
; 古代
: 「古代」において、ある考古学者は立ち入り禁止区画に踏み入り、謎の巨大生物らしき化石を見つけるが、それの存在を隠蔽しようとする者の手によって拳銃で撃たれ瀕死の重傷を負う。その際飛び散った血液の一部が化石にかかり、その化石の意識を呼び覚ましてしまう。願いを叶えるという謎の化石の声に対して死に際した考古学者は静かに眠らせてくれるよう頼むと、その願いは考古学者自らの身体を差し出すことで叶えられ、両者は一体となって永い眠りに就く。
; 創成期
: 次に挙げる「創成期」では、環境の激変によって地上に人が住めなくなり、人類は地下に潜って生き存えていた。この時代では膨大な時間と技術を費やし地球を再生することに成功したが、完全に管理された揺りかごのような施設内で過ごすこととなったあまりに永い時間が、自然環境に適応する耐性を人類(以後旧人類)から奪ってしまっていた。
: そんな中「古代」の氷河の中から仮死状態のまま凍結された人間が発見され、さらにその男が被っている仮面らしきものは彼がいた時代(「古代」)より更に数百万年以上も昔のものだということが分かる。「創成期」に生きる旧人類が失ってしまった耐性や適応力を持つ「古代」の人類唯一の生き残りである彼を旧人類達は'''アイスマン'''と名付け、彼の遺伝子を元にした実験体-動物の耳と尻尾らしき器官をもった生物(亜人間)を作り出し、自分達を地上に適応させるための実験(恐らくは、動物の持つ生命力や環境適応力を人間にも付与するための遺伝子合成実験とその性能試験)を行う。しかし計画半ばで1人の研究者が情にうたれ、自分達の恐ろしい所業に苦悩した末にアイスマンと実験体たちを地上へと逃亡させる。
: 地上に逃れた彼らは子を授かり平和に穏やかに暮らしていたが、特に重要なサンプルであるアイスマンを手放したままでは居られなかった旧人類達によって研究所へ強制的に連れ戻され、アイスマンの妻となっていた実験体'''ミコト'''は解剖されてしまう。これに激怒したアイスマンは突如巨大な異形へと変貌、我を忘れて暴走し衝動の赴くままにその力を振るい出す。死を恐れ、強靭な肉体を求めて愚行を繰り返す旧人類達を、怨嗟と皮肉を込めて未来永劫死ぬことの出来ない、とても生物とは思えないような赤い異形の粘液体へと変異させ、また緊急異常事態に他施設からの断絶や攻撃を恐れる声を聞き、彼ら以外の施設の全てを一瞬にして破壊した。アイスマンは深い愉悦を感じつつも同時に制御不能になった自分の破壊衝動を止めることを望むようになる。その想いを受けた特別な実験体である'''ムツミ'''が「死」という形で願いを叶えようとし、施設をハッキングして人工衛星からのレーザー攻撃を敢行するも彼を殺しきることは出来ず、仕方なく「眠り」という形で封印することで、彼のその望みはようやく叶えられた。
: その後、相反する感情を抱えたままの彼は封印の内で何度となく目覚めと眠りを繰り返し、いつしかその意識は「分身(ぶんしん)」と「空蝉(うつせみ)」のふたつにはっきりと分裂してしまう。
: かくして旧人類は滅亡し永い時が過ぎ行くに従い、研究所に捕らわれていた実験体(亜人間)達は旧人類たちの束縛から解放されて野に広がり文明を築いていった。機能のほとんどを失った研究所の施設はムツミを始祖とする宗教國家「オンカミヤムカイ」によって「聖地」として封印され、一部の者を除いてほぼ全ての亜人間達は自分達の起源を忘れ去った。
 
以下、この「大陸」に多くの亜人間達が暮らす時代を「現代」として本作品のストーリーは進行することになる。
; ディー(声:[[池田秀一]])
: 凛とした涼やかな容貌のオンカミヤリュー族の青年。終始無表情で、畏怖・重圧さえ感じるような気配をまとっている。様々な國に現れ、意図的に戦火を拡大せんとする。元はオンカミヤムカイの哲学士で、ウルトリィと師弟関係にあったが、そのころの面影はもはや霞ほども残っていない。様々な陰謀に関わりハクオロとは特殊な関係にある様だが…。
: その正体はハクオロと起源を共にするウィツァルネミテアの半身が顕現した姿であり、精神は「'''分身'''」である(「ディー本人」からすると「分身」に憑代(よりしろ)として肉体を奪われた状態)。戦乱を通じて生き残るべき強靭な種と淘汰されるべき脆弱な種を独善的に選び、自らの「子供達」をより高い存在へと導こうという超越的な「愛情」を見せる。独善的な種の選定をあくまで「愛情」と形容し、『その過程で脱落した者など知らぬ、目に入らぬ』とばかりの姿勢とその手段を受け入れられない自身の「空蝉」であるハクオロとは対立している。ストーリー終盤でハクオロとの意識の統合を行い、『うたわれるもの』へと回帰する。
; ムツミ(声:[[釘宮理恵]])
: ディーの側に控える、黒翼・血眼の女性。現行の法術・術者の水準を遥かに飛び越た力を操り、法術とは明らかに別物である不可思議な現象までをも行使する。ディーの事を「お父様」と呼び、ハクオロに対しても何らかの含みのある態度を見せる。
: その正体は、遠い過去にハクオロの遺伝子から複製された彼の子供たち「実験体」の内、最もハクオロに近い性質を持った一体。ディーとハクオロを同一視し「父様」と呼ぶ。彼女の行動はすべて父の望みをかなえ、父を安らかに『眠らせる』という理由に起因する。強大な力を発現させてしまったため肉体は研究者たちによって破棄処分されたロストナンバー。アニメ版では肉体が存続している描写が存在するが、原作では精神のみの存在となって『父親』であるアイスマン(ハクオロ)にコンタクトをこころみた。彼女の名前は『製造番号欠番No63』の語呂合わせで『ムツ(6)ミ(3)』と名付けられた。かの名前に決定する前に『ムーミン』やら『ムツゾウ』などという名前を付けられかけ、そのたびにサイキックウェーブをアイスマンに叩き付けて激しい異議申し立てを行う場面が見受けられる。オンカミヤリュー族の生物学的始祖であり、かの一族の最も適合した肉体を寄り代にして降臨する。カミュの意識を押しのけて現出しハクオロ達と敵対するが、二人を封印するために意識と肉体をカミュへと返還する。
; ミコト(声:[[柚木涼香]])
: 時折、ハクオロの脳裏に涼やかな鈴の音と共にフラッシュバックする幻影。ハクオロの失われた過去に関係していると思われる。
:ムツミと同じくハクオロの複製体の内の一体。ムツミとの差異は彼女はただの大勢居る、実験のためのモルモットの内の一体でしかなかったという点。ハクオロとの間に子をもうけるが、研究者達によって「サンプル保存」という名目で惨殺される。因みにエルルゥが髪飾りにしている輪っかのような物は、古代の研究施設のリング型のマスターキーであり、ミコトに娘のような情を抱き彼女とアイスマンの逃亡幇助をした研究者ミズシマの物である。2人はその後子を授かり、そのマスターキーはミコトの「父」からの贈り物としてその子供に贈られた。その後ミコトの直系の子孫の長女に引き継がれるものだがトゥスクルの姉が死んでしまった為、トゥスクルが所有し長女であるエルルゥに授けた。ミコトには「動物の声を聞く」という特殊な感応能力を持っており、彼女の子孫には一定確率でその能力が遺伝される(トウカがアルルゥを森の母と呼んでいたのはこの能力を持った子孫が他にも存在しその人達が森の母と呼ばれていた為)。トゥスクル、エルルゥ、アルルゥはミコトの直系にあたる。彼女の名前の名付け親もまたハクオロであり、「製造番号No3510」にちなんで『3(ミ)5(コ)10(ト)』と名付けられた。その名前の意味するところは、「命」。
 
== スタッフ&主題歌 ==