「放射性炭素年代測定」の版間の差分

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== リザーバ効果 ==
大気圏及び水圏での炭素14濃度分布は、拡散、循環、均衡の影響を受けるため不均一である。中緯度地域の表層海水は大気より400年以上、深層海水は700年から1000年以上古い年代を示す。更に時代と地域により年代差は変動する。また、南半球の大気は北半球と比較し40年古い年代を示す。つまり、南半球の大気を起源とする有機物の場合、画一的に40年を差し引く必要があることになる。
 
遺跡の土器に付着した炭化物を測定する場合、その土器が食品の調理や貯蔵に用いられた際に海水に由来する塩分を使用された場合、浸透した海産物の影響で年代が古く推定される。典型的な弥生後期の土器の分析で、実際より100年ないし500年古く推定される。このため、この測定法で弥生時代や古墳時代の始まりが数百年遡るとされた考古学的年代推定があやまっていた可能性がある<ref>[https://www.rekihaku.ac.jp/outline/publication/ronbun/ronbun8/pdf/185010.pdf 弥生移行期における土器 使用状況からみた生業 - 国立歴史民俗博物館] 国立歴史民俗博物館研究報告 第185集 2014年2月 p283-347</ref>。
 
 
=== 年縞堆積物 ===
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;試料そのものが汚染されている
* 特に炭素年代測定でいわれているのが、古い炭素を含む[[化石燃料]]<ref>石油、石炭、ガスなど。</ref>を使った自動車の排気ガスなどを吸収した植物が、本来あり得ない時代を示す事があることである。{{要出典|date=2007年6月}}状況判断は機械的に出来ず、関係者の恣意、バイアスが入る可能性を排除できない。{{要出典|date=2007年6月}} 前述の海洋リザーバー効果もその一例である。
 
== 実例 ==
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青森県東津軽郡[[外ヶ浜町]]の[[大平山元I遺跡]]の縄文時代草創期の土器製作時期が、通説より4500年も古い(早い)1万6500年前と1999年4月に発表された。この実年代は、[[ワシントン大学]]の[[Minze Stuiver|スタイヴァー]]らが炭素14年代を年輪年代や珊瑚年代を使って暦年に換算する国際較正曲線 (INTCAL 98) を使ったものである。また、[[弥生時代]]の開始期は通説では紀元前5 - 紀元前4世紀ごろであったが、2003年3月の[[国立歴史民俗博物館]]の発表では約500年古い(早い)約3000年前(紀元前10世紀終頃、つまり、九州北部の弥生時代早期が前949年 - 915年から、前期が前810年頃から、中期が前350年頃から、それぞれ始まった。)に遡る結果が出た。2003年5月の[[日本考古学協会]]総会での報告は、衝撃、当惑、賛成、反発などとともに拒否、嘲笑などに覆われた。
 
その後、土器に付着した炭化物が海産物に由来する塩を使って調理や貯蔵されていた場合、前述した海洋リザーバー効果により年代が100年から500年古く推定されることが明らかとなった。このため、[[国立歴史民俗博物館]]は2014年に計測をやりなおした結果を発表し、過去の推定に間違いがあったことを認めている。
 
== 出典 ==