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'''ブレーキパッド'''(brake pad)とは、[[ディスクブレーキ]]を構成する部品の一つである。[[ブレーキローター]]をキャリパーにセットされたブレーキパッドで押さえることにより、[[摩擦]]による制動が可能となる。なお、[[ドラムブレーキ]]の摩擦部材は[[制輪子|ブレーキシュー]]と呼ばれる。
 
== 素材 ==
パッドは10~2010 - 20種類程度の複数の材料を成型した[[複合材料]]である。
成型方法により、[[レジン]]モールド材(樹脂による成型)、[[焼結]]材([[紛体]][[冶金]])の2種類に大別される。
 
レジンモールド材は、主に骨格材料([[チタン酸カリウムウィスカー]]〈[[石棉|アスベスト]]代替素材、金属繊維)、[[潤滑]]材料([[コークス]]、[[グラファイト]]、[[金属硫化物]])、研削材(金属酸化物、[[鉱物]]、金属)、[[ダンピング]]材([[ゴム]]類)、[[水素イオン指数|PH]]調整剤([[消石灰]]等のアルカリ性物質)、充填材(安価な粉体)等を樹脂([[フェノール樹脂]])で焼き固めたものである。樹脂を用いているため、高温状態にて樹脂が[[分解]]し、[[フェード]]現象が起こりやすい特性がある。よって[[普通自動車|普通]][[乗用車]]、[[オートバイ|2輪車]]等の軽[[負荷]]の用途に用いられている。
 
焼結材は、金属(銅系合金、アルミ系合金)、研削材、潤滑材を高温にて[[焼結]]させた合金の様なものである。温度依存性の低さ、効きの安定性、耐摩耗性から特殊用途([[新幹線]]、[[レーシングカー]])に用いられている。
 
日本では、かつて耐熱性を重視するために[[石綿|アスベスト]]を利用していた時期があったが、[[がん]]の問題から[[1990年代]]以降は利用が止められている。現在はアスベストスの代換原料として[[チタン酸カリウムウィスカ]]が使用されているが、形状、大きさがアスベストに良く似ており、アスベスト同様発がん性が認められている。対応として[[生分解性]]を持たせた物、形状を変えた物が材料メーカーより発売されているが、未だ使用割合は少ない。{{要出典|date=2010年11月}}
 
一般的に金属割合を高めると制動力が強くなるが、ブレーキローターへの攻撃性も増し、消耗度合いが高まることから、経済性、ローターの耐久性、制動時の鳴きなどの問題に対するバランス感覚が、製造メーカー各社の工夫を発揮する余地となっている。{{要出典|date=2010年11月}}消耗品のため、定期的に点検し摩耗度合いを確認する必要がある。[[Image:Brakepad.jpg|thumb|200px|新旧のブレーキパッド。擦り減っているのが分かる。]]
 
== 注意点 ==
ブレーキパッドにはウェアインジケーター(可聴ピン)ベースプレートに付いているものがあり、パッドが磨り減って使用限界に近づくと、このウェアインジケーターがブレーキローターを引っ掻くようになっている。これにより、ブレーキの度に金属音が発せられ、運転者に注意を促す仕組みである。なお、この金属音はそのまま1,000km000 km以上走行すると出なくなるが、自然に直ったと勘違いしてはならない。
(可聴式パッドウェアインジケーター)
 
高級車の一部では、パッドに電線を埋め込み、使用限界に近づくと電線が磨耗し切断に至るようにしてあり、この断線を検出してパッド磨耗警報を表示するものもある。(電気式パッドウェアインジケーター)