「セスナ サイテーション」の版間の差分

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=== 後退翼モデル ===
[[File:Cessna Citation Sovereign.JPG|thumb|300px|セスナ680 サイテーション・ソヴリン]]
*'''{{仮リンク|セスナ サイテーション III|en|Cessna Citation III|label=サイテーション III}}''' ('''Model 650 Citation III''') 初飛行1979年。FAA型式証明1982年。引渡し開始1982年。全く新設計された高速中型機。最大の特徴は飛行性能、高々度ではクラス最速(最大運用速度 M0[[マッハ数|M]]0.83)。直線翼のサイテーション・シリーズは、操縦の容易さとファンエンジンの経済性で新たな市場を開拓し、その後も性能向上を続けてきたが、より上位の市場(ギャレット社製[[ハネウェル TFE731|TFE731]]エンジンを装備するクラス)にはゲイツ社製リアジェット35やダッソー社製ファルコン10などの競合機が覇を競っており、これらの高性能機と張り合って市場で一角を担うには全く新しい機体が必要であった。サイテーションIIIは全く新しくゼロから開発された新しいサイテーションであり、狙うクラスにおいては後発機の強みとして、先達ライバル機とは少し異なったアプローチが為されている。新しい技術を採用し、徹底的な主翼効率追求の為のスパークリティカル翼断面や平滑な表面仕上げを採用、その主翼は翼桁(Carry Through)が胴体外部を通るような低い位置にレイアウトし、胴体断面を有効利用することで居住性を追求、誘導抵抗軽減の為の大きなフェアリングが主翼接合部のみならず胴体をも覆うというのはビジネス機としては全く新しい手法であった。こういった諸々が功を奏し、同出力エンジンの装備機に比べて高高度では圧倒的な高速性能を誇った。試験飛行中には軽いダイブでマッハ0M0.90を記録している。サイテーションIIIは「高性能で高価」な機体であり、それまでの「手軽で安価」というサイテーション・シリーズのブランドイメージを一新した。この高速巡航性能の追求というコンセプトは、後のサイテーションX(後述)に引き継がれていくことになる。初期の顧客には[[プロゴルファー]][[アーノルド・パーマー]]がおり、この飛行機を「III番アイアン」と称し自ら操縦を楽しんだそうだ。
<ref name="alnet650">[http://www.airliners.net/info/stats.main?id=163 The Cessna Citation III, VI & VII from Airliners.net]</ref><ref name="asn650">[http://aviation-safety.net/database/type/type-general.php?type=CE-650 Citation III and VI info from Aviation Safety Network]</ref><ref name="aero-tech3">[http://www.aerospace-technology.com/projects/Cessna "Cessna Citation CJ3 Business Jet Cessna Citation CJ3 Business Jet, USA", ''Aerospace-Technology.com]</ref>
 
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<ref name="alnet650"/><ref name="asn6507">[http://aviation-safety.net/database/type/type-general.php?type=CE-6507 Citation VII info from Aviation Safety Network]</ref>
 
*'''[[セスナ サイテーションX|サイテーション X]]''' ('''Model 750 Citation Ten''') 初飛行1993年、引渡し1996年、発売当初の価格は1,200万USD。マッハ0M0.92で巡航可能な高速機、大西洋横断可能な航続距離も誇る。超音速旅客機[[コンコルド]]の退役後は、2008年までは世界最速の民間航空機であった。2008年に登場したガルフストリーム社製G650モデルの巡航速度はマッハ0M0.925である。サイテーションXの高速巡航を可能にしているのは、高出力エンジンと高速性能を追求した後退翼。搭載しているアリソン3007Cターボファンエンジンは、サイテーションIVなどのギャレット社製TFE731と比べて推力は64%増しと高出力であるが、同時に大きさは2倍近くもある巨大エンジン。高々度飛行において高出力・低燃費、低騒音で2,500時間もしくは5年間の保証に耐える信頼性を備える。ボーイング777の主翼設計チームの協力を得て開発されたという主翼は、後退角37°(ビジネスジェットでは最も深くボーイング747に近い)のスーパークリティカル翼で、主翼上面の衝撃波の発生を遅らせるような工夫がされている。胴体も速度を出す為に、抵抗を可能な限り減らす形状をしており、同程度の出力のエンジンを装備する飛行機より明らかに断面が細く、キャビン容量よりも速度性能が重視されたことが分かる。胴体下面フェアリングは主翼の付け根部分でふくれ、機首下面から尾部までつづき、胴体が発生する有害抵抗を抑える複雑な形状、胴体はサイテーションIIIのものを基本とし、キャビン長はやや長くなっている程度であるが機体全長はかなり長くなっており、整流の為にそれだけの長さが必要であったのであろう。試験飛行では軽いダイブでM0.99の最高速度を記録している。サイテーションXに一度でも乗れば、パイロットも乗客もその性能に魅了されたという。巡航速度が速いことで知られるボーイング747旅客機を見下ろしながら高速で追い抜いて行くと、追いぬかれたパイロットは決まって「いま上を追い抜いて行った飛行機は何か?」と聞くのだそうで、管制官が「サイテーションX」であることを告げると皆黙ってしまうのだとか。1997年、サイテーションXの設計チームはコリアー・トロフィー授与(セスナ社2度目の受賞)「理想のビジネスジェットの設計、開発、型式証明取得に成功し、アメリカ航空史上初めてマッハ0M0.92の高速巡航性能を持つ航空機を実現させた」が受賞理由。
<ref name="alnetx">[http://www.airliners.net/info/stats.main?id=166 The Cessna Citation X from Airliners.net]</ref>
<ref name="ce-citationx">[http://citationx.cessna.com/home.chtml Cessna Citation X web site]</ref>