「10式戦車」の版間の差分

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小型・軽量な水冷4サイクルV型8気筒ディーゼル機関を採用し、燃費向上や黒煙低減などが図られている。最大出力は1,200[[馬力|ps]]/2,300[[rpm (単位)|rpm]]。[[パワーウェイトレシオ|出力重量比]]は約27ps/t<!-- 防衛省・自衛隊では馬力はps表記なのでpsとしています -->で、90式の約30ps/tと比べれば若干低いが、出力1,500ps重量55tの戦車とほぼ同等である。また、後述のHMTにより伝達効率が改善されており、スプロケット軸出力は90式と同等と発表されているため実質の出力重量比は90式よりも高くなる。なお、国産戦車における4サイクルディーゼル機関の搭載は[[61式戦車]]以来となる。
 
また、[[トランスミッション|変速]]操向機には変速比を最適に制御できる[[無段変速機#油圧機械式無段変速機|油圧機械式無段階自動変速操向機]](HMT, Hydro-Mechanical Transmission)を採用している。車両質量当たりの[[スプロケット]](起動輪)出力は現有戦車に対して格段に向上しているとされ、90式の半分の半径で旋回が可能だという。更に防衛技術研究所の無限軌道に関する研究の成果によりキャタピラから地面に効率的に駆動力が伝達されているとされる。また、後退速度も70km/hを発揮することができる([[2010年]][[7月11日]]、富士学校・富士駐屯地開設56周年記念行事における10式戦車試作車の走行展示にて前進速度と後進速度は同じ70km/hであると解説されている)。
 
水冷4サイクルV型8気筒ディーゼル機関と、無段階自動変速操向機(HMT)を組み合わせにより、動力装置(パワーパック)の高効率・高応答化、そして小型・軽量化を実現している。
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2018年4月8日に行われた第1師団創立記念行事において10式戦車の機動展示を実施しジャンプを披露した。
 
==== 戦略機動性 ====
90式戦車は[[北海道]]での運用を考慮して開発されたために重量が約50トンあり、[[橋|橋梁]]や路面の許容重量と[[活荷重]]の面で北海道以外での平時における配備・運用が難しいとされている<ref group="注">ただし、本州以南に関しては主要国道・都府県道において近年建設された橋のほとんどが昨今の道路事情・車両数増大・車両重量増大に対応する形で強化されており、そういった意味では運用そのものの障害は取り除かれている</ref>。このため、10式戦車の開発においては[[本州]]、[[四国]]、[[九州]]など全国的な配備運用に適した能力、[[砲塔]]・車体一体での[[牽引自動車|トレーラー]]輸送など[[戦略]]機動性の向上が求められた。その結果、90式と比べて全長で約38cm、全幅で約16cm小型化され、全備重量は約6トン軽い約44トンとされている。