削除された内容 追加された内容
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
64行目:
 
== 製品概要 ==
ソニーが8ミリビデオ規格を構想した際には、カセットが小型で取扱いやすい「家庭用VTRの本命機」という位置づけで、据置型・カメラ一体型ともに既存規格を置き換えるフォーマットとして期待された。しかし、各社の商品開発はカセットサイズが小型である特徴を活かせるカメラ一体型が先行した。
 
[[1985年]][[1月8日]]、[[ソニー]]が8ミリビデオの第1号機「CCD-V8」を発表した<ref>[http://www.sony.co.jp/Fun/SH/2-2/h4.html]</ref>。他には[[8ミリ映画|8ミリフィルム]]の後継[[規格]]を模索していた富士写真フイルム(当時、現・[[富士フイルムホールディングス]]<ref>2006年10月1日に行なわれた[[持株会社]]制への移行に伴い、<small>旧</small>富士写真フイルムの事業は<small>現</small>[[富士フイルム]]に引き継がれたが、富士写真フイルムはこの分社化よりも以前に8ミリビデオ分野から撤退しており、継続していた8ミリビデオテープの製造・販売も分社化前日の9月末日をもって打ちきっている。</ref>)や[[キヤノン]]・[[ニコン]]・[[ミノルタ]]・[[京セラ]]・[[ペンタックス]]・[[リコー]]などの[[カメラ]]メーカー、[[シャープ]]・[[三洋電機]](VHS<!--VHS系の一体型ビデオカメラは発売していない-->・[[日立製作所]]・[[東芝]]などの家電メーカーが新たに参入した。一方、[[日本ビクター]]や松下電器産業(当時、現・[[パナソニック]])を中心とするVHS陣営はVHSフルカセットとの互換性を持つ[[VHS-C]]を前面に押し出し、両者による激しい[[規格争い]]に突入することとなる。この規格争いの結果、ビデオカメラの小型軽量化が急激に進み、本体形状は現在みられる片手支持スタイル容易で長時間録画確立サポートていたことなど、元々[[VHS-C]]との比較では8ミリが有利な点が多かった。
[[1985年]][[1月8日]]、[[ソニー]]が8ミリビデオの第1号機「CCD-V8」を発表した[http://www.sony.co.jp/Fun/SH/2-2/h4.html]。
他には[[8ミリ映画|8ミリフィルム]]の後継[[規格]]を模索していた富士写真フイルム(当時、現・[[富士フイルムホールディングス]]<ref>2006年10月1日に行なわれた[[持株会社]]制への移行に伴い、<small>旧</small>富士写真フイルムの事業は<small>現</small>[[富士フイルム]]に引き継がれたが、富士写真フイルムはこの分社化よりも以前に8ミリビデオ分野から撤退しており、継続していた8ミリビデオテープの製造・販売も分社化前日の9月末日をもって打ちきっている。</ref>)や[[キヤノン]]・[[ニコン]]・[[ミノルタ]]・[[京セラ]]・[[ペンタックス]]・[[リコー]]などの[[カメラ]]メーカー、[[シャープ]]・[[三洋電機]](VHS系の一体型ビデオカメラは発売していない)・[[日立製作所]]・[[東芝]]などの家電メーカーが新たに参入したが、[[日本ビクター]]や松下電器産業(当時、現・[[パナソニック]])を中心とするVHS陣営はVHSフルカセットとの互換性を持つ[[VHS-C]]を前面に押し出し、両者による激しい[[規格争い]]に突入することとなる。この規格争いの結果、ビデオカメラの小型軽量化が急激に進み、本体形状は現在みられる片手支持スタイルを確立した。
 
この規格争いの結果、ビデオカメラの小型軽量化が急激に進み、本体形状は現在みられる片手支持スタイルを確立した。
従来、家庭用[[ビデオカメラ]]([[カムコーダ]])の主用途は子供の成長記録であったが、[[1989年]]にソニーから発売された「[[パスポート]]サイズ・ハンディカム」''CCD-TR55'' は、その劇的に小型な本体サイズもさることながら、旅行に持ち出すというコンセプトが子供を持たない若者を中心に受け入れられ、一時は生産が追いつかなくなるほどの爆発的ヒットとなり、撮影対象が広がったことを示した([[ハンディカム]]の項も参照)。
小型化が容易で長時間録画をサポートしていたことなど、元々[[VHS-C]]との比較では8ミリが有利な点が多かったが、この TR55 の発売以降、市場は8ミリに大きく傾くこととなった。そして[[1992年]]にVHS-Cから転向した[[シャープ]]が[[液晶モニター]]一体型の「液晶ビューカム」を発売し新しい撮影スタイルを提案した。これが大人気商品となったことで、8ミリビデオの優勢が決定的となった。VHS-C陣営の松下電器はその一方で欧州メーカー向けに8ミリのビデオカメラを[[OEM]]生産しており、いつでも自社販売に踏み切れる環境にあったが、実現することはなかった。
 
小型化[[1989年]]にソニー容易で長時間録画をサ「[[パスポート]]サイズ・ハンディカム」''CCD-TR55'' を発売てい。その劇的に小型な本体サイズもさることながら元々従来は家庭用[[VHS-Cビデオカメラ]]([[カムコーダ]])比較で主用途8ミリ子供の成長記録だった中、旅行に持ち出すというコンセプト有利子供を持たい若者を中心に受け入れられ、一時は生産追いつなくなるほどの爆発的ヒットとなり、撮影対象が広がったが、ことを示した([[ハンディカム]]の項も参照)。この TR55 の発売以降、市場は8ミリに大きく傾くこととなった。そして[[1992年]]にVHS-Cから転向した[[シャープ]]が[[液晶モニター]]一体型の「液晶ビューカム」を発売し新しい撮影スタイルを提案した。これが大人気商品となったことで、8ミリビデオの優勢が決定的となった。VHS-C陣営の松下電器はその一方で欧州メーカー向けに8ミリのビデオカメラを[[OEM]]生産しており、いつでも自社販売に踏み切れる環境にあったが、実現することはなかった。
一方アメリカにおいては、当初はVHSフルカセット規格のカムコーダーが優勢であった。アメリカ人の嗜好ではビデオカメラが大型である事はさほどのデメリットにならず、またVHSのレンタルビデオが普及した事から、ビデオソフトの再生機を兼ねる事のメリットが大きかったからである。また日本人向けに小型化されたビデオカメラは、アメリカ人の大きな手では操作がやりにくく(ボタンを押すのに爪楊枝が必要だと言われた)、わざわざアメリカ人向けに大型化したビデオカメラが輸出されるような状況であり、8ミリビデオ規格の小型化のメリットが十分に活かされなかったからである。だが[[1990年代]]より、韓国製の安価なVHS[[ビデオテープレコーダ|ビデオデッキ]]が普及した事から、ビデオソフトの再生とビデオ撮影は別のデッキで行う趨勢になった。そのような情勢にあって、フルカセット規格のVHSとの互換性を謳ったVHS-Cの特徴はあまりメリットにはなりえず、8ミリ規格が優勢となった。
 
一方アメリカにおいては、当初はVHSフルカセット規格のカムコーダーが優勢であった。アメリカ人の嗜好ではビデオカメラが大型である事はさほどのデメリットにならず、またVHSのレンタルビデオが普及した事から、ビデオソフトの再生機を兼ねる事のメリットが大きかったから。また、アメリカ人の嗜好ではビデオカメラが大型である事はさほどのデメリットにならず、また日本人向けに小型化されたビデオカメラは、アメリカ人の大きな手では操作がやりにくく(ボタンを押すのに爪楊枝が必要だと言われた)、わざわざアメリカ人向けに大型化したビデオカメラが輸出されるような状況でありだった。そのため、8ミリビデオ規格の小型化のメリット十分に活かされなかったからである。だが[[1990年代]]より、韓国製の安価なVHS[[ビデオテープレコーダ|ビデオデッキ]]が普及した事から、ビデオソフトの再生とビデオ撮影は別のデッキで行う趨勢になった。そのような情勢にあって、フルカセット規格のVHSとの互換性を謳ったVHS-Cの特徴はあまりメリットにはなりえず、8ミリ規格が優勢となった。
一方で据え置き型のデッキとしては、8ミリ規格はあまり普及しなかった。テープサイズの小ささを生かした保管場所をとらない家庭用ビデオデッキとして宣伝がされたものの、8ミリビデオ規格が発表された頃には、ビデオデッキの用途はテレビ放送の録画よりも、むしろレンタルビデオソフトの再生のほうに移行しつつあり、レンタルビデオとして圧倒的に普及したVHS規格の首位を覆すに至らなかった。また8ミリ規格の旗振り役として業界を主導したソニーが、ベータ規格の死守という二兎を追った事も、影響していると思われる。またソニーはレンタル店向けに、ビデオソフトの増加に伴っての、保管・陳列スペースの節約というメリットを訴え、8ミリビデオ規格のビデオソフトの普及を推進するも、そのようなレンタル店側の事情はユーザー側にとっては関係無い話であり、結局の所はレンタル店側は店舗の大規模化によって、ビデオソフトのタイトル数の増加に対応する事となる<ref>ビデオソフトのタイトル数増加に伴う、レンタル店の保管・陳列スペースの節約は、後にDVDへの移行によって果たされる事となる。</ref>。ソニー以外のメーカーでも後から8ミリビデオ規格に参入した日立(SATELLA)や東芝([[ARENA (東芝)|ARENA]])も薄型の据え置きHi8デッキを発売し、BS録画に最適と謳っていたがVHS機よりも数万円ほど高価(ソニー、富士フイルム(ソニーからのOEM)などのスタンダード8ミリデッキはモノラル音声の廉価機種が存在していた )であり当然のことではあるがVHSほどの長時間録画も出来ずVHSテープが3巻パックで安売りが当たり前になりつつあった中8ミリテープの場合割高だったためこれらもヒットするには至らなかった。結局の所据え置き型は、撮影したビデオの[[観賞]]・[[編集]]用としての用途が中心となり、VHS/ベータの次世代規格としての目論見は果たせなかった。しかしこの現状を踏まえたソニーは、VHSと8ミリビデオの両規格を搭載したダブルデッキタイプの製品を発表し、こちらはある程度の普及を見た。
 
一方で据え置き型のデッキとしては、8ミリ規格はあまり普及しなかった。テープサイズの小ささを生かした保管場所をとらない家庭用ビデオデッキとして宣伝がされたものの、8ミリビデオ規格が発表された頃には、ビデオデッキの用途はテレビ放送の録画よりも、むしろレンタルビデオソフトの再生のほうに移行しつつあり、レンタルビデオとして圧倒的に普及したVHS規格の首位を覆すに至らなかった。また8ミリ規格の旗振り役として業界を主導したソニーが、ベータ規格の死守という二兎を追った事も、影響しているもあったわれる。またソニーはレンタル店向けに、ビデオソフトの増加に伴っての、保管・陳列スペースの節約というメリットを訴え、8ミリビデオ規格のビデオソフトの普及を推進するもした。しかし、そのようなレンタル店側の事情はユーザー側にとっては関係無い話であり、結局の所はレンタル店側は店舗の大規模化によってビデオソフトのタイトル数の増加に対応する事となる<ref>。なお、ビデオソフトのタイトル数増加に伴う、レンタル店の保管・陳列スペースの節約は、後にDVDへの移行によって果たされる事となる。</ref>。ソニー以外のメーカーでも後から8ミリビデオ規格に参入した日立(SATELLA)や東芝([[ARENA (東芝)|ARENA]])も薄型の据え置きHi8デッキを発売し、BS録画に最適と謳っていたがVHS機よりも数万円ほど高価(ソニー、富士フイルム(ソニーからのOEM)などのスタンダード8ミリデッキはモノラル音声の廉価機種が存在していた )であり当然のことではあるがVHSほどの長時間録画も出来ずVHSテープが3巻パックで安売りが当たり前になりつつあった中8ミリテープの場合割高だったためこれらもヒットするには至らなかった。結局の所据え置き型は、撮影したビデオの[[観賞]]・[[編集]]用としての用途が中心となり、VHS/ベータの次世代規格としての目論見は果たせなかった。しかしこの現状を踏まえたソニーは、VHSと8ミリビデオの両規格を搭載したダブルデッキタイプの製品を発表し、こちらはある程度の普及を見た
置き型のデッキ例外としては旅客機の機内上映用機器があるが、あくまでも業務用機器であり消費者が店頭で見かけることはない。
 
ソニー以外のメーカーでも後から8ミリビデオ規格に参入した日立(SATELLA)や東芝([[ARENA (東芝)|ARENA]])も薄型の据え置きHi8デッキを発売し、BS録画に最適と謳っていたがVHS機よりも数万円ほど高価だつた。なお、ソニー、富士フイルム(ソニーからのOEM)などのスタンダード8ミリデッキはモノラル音声の廉価機種が存在していたものの、8ミリビデオの仕様から、VHSほどの長時間録画も出来なかった。VHSテープが3巻パックで安売りが当たり前になりつつあった中、8ミリテープは割高だったためこれらもヒットするには至らなかった。据え置き型は、撮影したビデオの[[観賞]]・[[編集]]用としての用途が中心となり、VHS/ベータの次世代規格としての目論見は果たせなかった。しかしこの現状を踏まえたソニーは、VHSと8ミリビデオの両規格を搭載したダブルデッキタイプの製品を発表し、こちらはある程度の普及を見た。
 
置き型のデッキ例外としては旅客機の機内上映用機器があるが、。これはあくまでも業務用機器であり消費者が店頭で見かけることはない。
 
8ミリビデオのテープをデータ保存用に応用したものが[[8ミリデータカートリッジ]]である。