「チリ地震 (2010年)」の版間の差分

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日本では、2月28日午前8時30分に[[気象庁]]が会見を開き、当初は午前11時過ぎにも注意報あるいは[[津波警報]](最大2m予想)を発表するとしていた<ref>原則として[[遠地地震]]による津波の場合、もっとも早く到達する時刻の2時間前をめどに警報・注意報を発表することにしている。</ref>ものの、[[ハワイ]]で2m近い津波が観測されたことから、津波警報([[大津波警報|大津波]])を三陸沖に発表するといった内容を伝えた。時間は、「午前9時を過ぎればいつでも発表できるようにする」として、当初の予定を大幅に前倒しすることも示唆した。
 
気象庁は、2月28日9時33分に[[青森県]][[太平洋]]沿岸、[[岩手県]]、[[宮城県]]に大津波警報(3メートル予想)を、[[北海道]]から[[沖縄県]]の太平洋沿岸地域と[[岡山県]]と[[東京湾]]内湾、[[伊勢湾|伊勢]]・[[三河湾]]の内海に津波警報を、北海道[[日本海]]沿岸南部、[[オホーツク海]]沿岸、[[陸奥湾]]、[[大阪府]]、[[兵庫県]][[瀬戸内海]]沿岸、[[広島県]]、[[香川県]]、[[愛媛県]]瀬戸内海沿岸、[[山口県]]瀬戸内海沿岸、[[福岡県]]瀬戸内海沿岸、福岡県日本海沿岸、[[長崎県]]西方、[[熊本県]][[天草灘]]沿岸に[[津波注意報]]を発表した<ref>気象庁:[http://www.jma.go.jp/jp/tsunami/focus_03_20100228093335.html 大津波の津波警報の発表] 2010年2月28日</ref>。大津波警報が発表されたのは、[[1993年]][[7月12日]]に発生した[[北海道南西沖地震]]以来17年ぶりであった。だが翌年[[2011年]][[3月11日]]には[[東日本大震災]]が発生し、この際も大津波警報が発表された。2年連続で日本では大津波警報が発表された。
 
その後、気象庁は段階的に、津波警報(大津波)から津波警報への切り替え、津波警報から津波注意報への切り替え、津波警報や津波注意報の解除を行った。すべて解除されたのは3月1日10時15分で、最初に発表されてから24時間42分に渡って、いずれかの地域に警報か注意報が発表されていたことになる。
 
気象庁は同日の会見で、津波の予測が過大であったとし、警報・注意報が長引いたことを謝罪した。ただし最悪のケースを想定したもので、判断ミスはなかったとしている<ref>[http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/100301/dst1003011033013-n1.htm 【チリ大地震】すべての津波注意報解除「予測過大だった」気象庁謝罪] 産経ニュース 2010年3月1日掲載</ref><ref>[http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2010030102000198.html 津波注意報を解除 「予測過大」と気象庁おわび] 中日新聞 2010年3月1日掲載</ref>。一方、このチリ地震では当初大津波警報を出していたにも関わらず結果として大きな被害が出なかったため、太平洋沿岸の住民らの油断を招き、翌年に発生した[[東日本大震災]]での被害を拡大させたと指摘する意見がある<ref>河北新報『[http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201603/20160315_33048.html <アーカイブ大震災>津波2度大丈夫 油断に]』、2017年2月閲覧。</ref>。
 
なお、[[仙台管区気象台]]と[[盛岡市|盛岡]][[地方気象台]]が3月1〜2日に[[岩手県]][[久慈市]]や[[宮城県]][[気仙沼市]]など4市3町・19地点で行った、建物に残った津波の痕跡から高さを推測する方法による現地調査では、[[岩手県]][[陸前高田市]]の両替漁港で1.9m、[[気仙沼漁港|気仙沼魚市場]]で1.8m、[[岩手県]][[大槌町]]の大槌漁港で1.3mと、津波の高さを推定した<ref>。[http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010030500984 岩手で推定1.9メートルの津波=入り組んだ地形影響-気象台調査] 時事通信 2010年3月5日掲載</ref>。これらの地域は東日本大震災による津波で壊滅的な被害を受けた。