「ファランクス (火器)」の版間の差分

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<!-- Vehicle/missile specifications -->
|armour=
|primary_armament=1×[[20mm口径弾|{{convert|20|mm|abbr=on}}]][[M61 バルカン]][[ガトリング砲|M61 20mm 6砲身ガトリ バルカ砲]]<ref name="1987 almanac"/>
|secondary_armament=
|engine=
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|steering=
}}
'''ファランクス'''(Phalanx)は、[[アメリカ合衆国]]の[[レイセオン|レイセオン・システムズ]]社製、艦艇用近接防御火器システム([[CIWS]])であり、Mk.15の名称が付けられている<ref name="1987 almanac">Thomas, Vincent C. ''The Almanac of Seapower 1987'' Navy League of the United States (1987) ISBN 0-9610724-8-2 p.191</ref>。6[[銃砲身|砲身]]の[[ゼネラル・エレクトリック]]社製20mm [[ガトリング砲]] [[M61 バルカン|M61A1]](「バルカン」の名称で知られる)を用い、捜索・追跡[[レーダー]]と[[射撃管制装置|火器管制システム]]を一体化した完全自動の防空システムである。[[対艦ミサイル]]からの防御を主目的とする<ref name="murdoconline.net">{{cite web|url=http://www.murdoconline.net/archives/003558.html |title=Murdoc online March 20, 2006 CIWS now does surface targets, too |publisher=Murdoconline.net |date= |accessdate=2010-04-13}}</ref>。
 
名称は、[[古代ギリシア]]で用いられた[[重装歩兵]]の密集[[陣形]]「[[ファランクス]]」に由来する。
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== 開発経緯 ==
[[File:USS King (DLG-10) with Phalanx CIWS prototype in 1973.jpg|thumb|250px|left|「[[キング (ミサイル駆逐艦)|キング]]」の艦尾に搭載された試作型のファランクス([[1973年]])]]
[[第三次中東戦争]]に続く[[消耗戦争]]の[[1967年]][[10月]]に、[[エジプト]]沖で哨戒中の[[イスラエル]][[駆逐艦]]「[[エイラート (駆逐艦)|エイラート]]」が、[[ポートサイド]]港の[[エジプト軍#エジプト海軍|エジプト海軍]]の[[ミサイル艇]]から発射された[[ソビエト連邦]]製の[[P-15 (ミサイル)|P-15]][[ 対艦ミサイル]]に[[撃沈]]された。この'''エイラート号事件'''は、[[西側諸国|西側]][[海軍]]に対艦ミサイルの脅威を知らしめた。[[アメリカ海軍]]は、この事件を契機に対艦ミサイル防御システムの開発を開始することとなった。
 
[[1969年]]に研究が開始され、[[1970年]]に[[プロトタイプ]]実験、[[1976年]]に評価試験が行われ、[[1980年]]より配備開始。
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::* [[マウント]]の改良により俯仰角を大きく取れるようにする( -25°{{~}} +85°)
:: などの改良を受けて、“PSuM(Phalanx Surface Mode:対水平面ファランクス)”と呼ばれる新型射撃システムが搭載され、
::* 小型の水上目標(体当たりしてくる[[自爆]][[ボート]]など)
::* 低速低高度の空中目標([[無人航空機|無人機]]や[[爆弾]]を積んだラジコン飛行機など)
:: への対処が可能になった。
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=== アメリカ ===
[[画像:US Navy 100629-N-0754Y-012 The aircraft carrier USS George Washington (CVN 73) conducts a live-fire exercise of its Phalanx Close-In Weapons System (CIWS).jpg|thumb|250px|「[[ジョージ・ワシントン (空母)|ジョージ・ワシントン]]」に搭載されたファランクス Block1B<br/>奥は[[シースパロー (ミサイル)|シースパロー]][[艦対空ミサイル#個艦防空ミサイル|個艦防空ミサイル]]]]
[[アメリカ海軍]]は、[[1980年]]に[[ミッドウェイ級航空母艦]]「[[コーラル・シー (空母)|コーラル・シー]]」に搭載されたのを皮切りに[[1990年代]]までのほとんどのアメリカ海軍艦艇が装備していた。[[アメリカ沿岸警備隊|沿岸警備隊]]の一部[[カッターボート|カッター]]にも搭載された。
 
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[[護衛艦#汎用護衛艦(DD)|汎用護衛艦]]では、[[はつゆき型護衛艦|はつゆき型]]の[[1979年|昭和54年度]]計画艦の3番艦「[[みねゆき (護衛艦)|みねゆき]]」から新造時に装備されるようになっている。また、他の[[護衛艦]]にも順次追加装備されている。[[自衛隊]]では当時のファランクス Block0で使用していた[[劣化ウラン弾]]を採用せず、独自に[[タングステン]]弾の「86式20mm機関砲用徹甲弾薬包」を開発・装備している。この[[弾薬]]が開発されるまでの一時期は、[[航空自衛隊]]の[[F-4 (戦闘機)#日本|F-4EJ ファントム]]で使用していた[[弾丸]]を使用していた。
 
[[1996年]]6月には[[ハワイ州|ハワイ]]沖で行われた[[環太平洋合同演習]](Rimpac96)で、[[あさぎり型護衛艦|あさぎり型汎用護衛艦]]「[[ゆうぎり (護衛艦)|ゆうぎり]]」が、標的曳航中のアメリカ海軍第115攻撃飛行隊(VA-115)所属のNF500(CAG)[[A-6 (航空機)|A-6]][[艦上攻撃機]]を誤って[[撃墜]]している([[パイロット (航空)|パイロット]]は脱出)。
 
Block1は[[むらさめ型護衛艦|むらさめ型]]以降、Block1Bは[[たかなみ型護衛艦|たかなみ型]]4番艦「[[さざなみ (護衛艦)|さざなみ]]」以降に導入されているが、[[ひゅうが型護衛艦|ひゅうが型]]、[[いずも型護衛艦|いずも型]]2番艦「[[かが (護衛艦)|かが]]」、および[[こんごう型護衛艦|こんごう型]]、[[あたご型護衛艦|あたご型]]にはBlock1Bが搭載(こんごう型は換装)されたものの、いずも型1番艦「[[いずも (護衛艦)|いずも]]」、[[あきづき型護衛艦 (2代)|あきづき型]]にはBlock1もしくはBlock1Aが搭載されている。
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; 『[[空母いぶき]]』
; 『[[ジパング (漫画)|ジパング]]』
: [[第二次世界大戦]]時へ[[タイムトラベル|タイムスリップ]]した架空の[[イージス艦|イージス]][[護衛艦]]「[[ジパング (漫画)#DDH-182 みらい|みらい]]」に搭載されたBlock1Aが、[[日本軍]]と旧[[アメリカ軍]]の[[航空機]]や[[爆弾]]の迎撃に使用される。
; 『[[戦国自衛隊 (劇画)#続・戦国自衛隊|続・戦国自衛隊]]』
: [[戦国時代 (日本)|戦国時代]]へタイムスリップした[[ワスプ級強襲揚陸艦]]「[[エセックス (強襲揚陸艦)|エセックス]]」に搭載されたBlock1が、[[自衛隊員]]が操縦して[[特別攻撃隊|特攻]]を仕掛けてきた[[CH-53E (航空機)|CH-53E スーパースタリオン]]の迎撃などに使用される。
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: [[オーストラリア]]に[[災害派遣]]で向かっていた最中に[[第二次世界大戦]]時へ[[タイムトラベル|タイムスリップ]]した、[[おおすみ型輸送艦 (2代)|おおすみ型輸送艦]]「[[おおすみ (輸送艦・2代)|おおすみ]]」に搭載されたBlock1と[[たかなみ型護衛艦]]「[[さざなみ (護衛艦)|さざなみ]]」に搭載されたBlock1Bが、襲来する旧[[アメリカ軍]]機に対して使用される。
; 『日本北朝鮮戦争 自衛隊武装蜂起』
: [[はつゆき型護衛艦]]「[[はまゆき (護衛艦)|はまゆき]]」「[[まつゆき (護衛艦)|まつゆき]]」に搭載されたものが、[[難民]][[]]に紛れて攻撃してくる[[不審船|工作船]]を攻撃する際に使用される。
; 『[[ルーントルーパーズ 自衛隊漂流戦記]]』
: [[異界|異世界]]へ飛ばされた[[自衛隊]][[国際連合平和維持活動|国連平和維持軍]]派遣艦隊の各艦に搭載されており、対空・対水上[[射撃]]に使用される。
: この内、おおすみ型輸送艦「[[しもきた (輸送艦・2代)|しもきた]]」「[[くにさき (輸送艦)|くにさき]]」に搭載されているものは現実とは違ってBlock1Bに換装されており、[[魔法]]攻撃からの迎撃や、襲撃してきた異世界の[[海賊]]に対しての対水上射撃に使用されている。
: また、架空の[[ましゅう型補給艦]]「しだか」は、現実の同型艦には未だ搭載されていないBlock1Bを搭載している。