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[[File:1937-china-map.jpg|thumb|right|300px|1937年に日本で描かれた地図]]
'''支那'''(シナ)とは、[[中国]]またはその一部の地域に対して用いられる地理的呼称、あるいは王朝・政権の名を超えた通史的な呼称の一つである。現代の中国において、この呼称が悪意的、侮蔑的呼称であるとされることもある<ref>Bob Tadashi Wakabayashi, "The Nanking Atrocity, 1937-38: Complicating the Picture" (2007), Berghahn Books, p395-398</ref><ref><nowiki>http://www.sino-platonic.org/complete/spp229_shina_china.pdf</nowiki></ref>。
 
== 言葉の由来 ==
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}}</ref>。
 
日本で中華人民共和国を「シナ」と表現する[[政治家]]として、[[石原慎太郎]]がいる。石原は、[[1999年]](平成11年)[[3月10日]]の[[東京都知事]]選出馬表明の[[記者会見]]で「シナは、[[清]]が滅んで[[中国大陸]]が混乱した時、[[孫文]]がつくった言葉だ。孫文は[[台湾]]でも[[中国大陸|大陸]]でも国父として尊敬されている。なぜ[[日本人]]が使うと[[差別]]になるのか、さっぱりわからない」と、その理由を語っている<ref>朝日新聞[[1999年]]3月13日夕刊「窓」</ref><ref name="chugoku19990311">[[中国新聞]][[1999年]]3月11日朝刊『石原氏、中国を「シナ」と表現』</ref>。
 
[[小林よしのり]]は、自身の著書で「シナ」を使っているが著書内で「『シナ』は差別語ではない『秦』を語源とする。『チャイナ』と同じ中国を歴史的に見る名称である」や「ここで統一された『シナ』には[[満州]]も、[[チベット]]も、[[ウイグル]]も、[[内モンゴル]]も、[[台湾]]も、含まれていない」(著書からの引用)としている。この為、中国に存在した王朝を「シナ王朝」と表現したりしている<ref>[[小林よしのり]] 『[[ゴーマニズム宣言スペシャル・天皇論]]』 pp.277・278</ref>。また、小林と[[有本香]]の共著『はじめての支那論-中華思想の正体と日本の覚悟』([[幻冬舎]])の本の帯には、「ウザい隣国・中国は『支那』と呼ぶべし。」などと書かれている<ref>[http://www.ch-sakura.jp/publications/book.html?id=1558 日本文化チャンネル桜公式サイト・出版メディア紹介]</ref>。
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言論界においても、主に右派で使われることが多く、例えば[[2008年のチベット騒乱]]を受けて発刊された[[西村幸祐]]編の『チベット大虐殺の真実—FREE TIBET!チベットを救え!』([[オークラ出版]])がある。この書籍では中国共産党政権による[[チベット]]弾圧に批判的な論者による批判が掲載されているが、多くの論者<ref>編集者の西村幸祐のほか主に右派論客とされる、[[畠奈津子]]、中宮崇などの寄稿が「シナ」を使っている。ただし批判的な論者でも[[青木直人]]などは「中国」としている。</ref>が「シナ」を用いている。
 
また、[[日本会議朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]メンバーや右翼思想に対する日本政府対応持つ者が参加した批判する[[建国義勇軍]]が、新聞社や[[親中]]派の[[野中広務]]に弾丸と一緒に送りつけた犯行声明文では「支那、[[朝鮮]]の国益を守り、善良なる日本国民の嫌悪感、怒りを高めた」などと書いていた<ref>朝日新聞2003年9月13日朝刊</ref>。そのため、これらの「シナ」を使う一部の論者は、[[中国共産党]]政権批判とセットとなっていることから、「中国」の呼称を用いたくないから使う傾向があるともいえる。
 
[[インターネット]]上では、中国に反感を持つ層が「シナ」を使う例が多い。フリーライターで「プロ[[2ちゃんねらー]]」を自称する[[中宮崇]]が、ヤフーチャットで他人を蔑むために使う常套句のひとつに「支那土人」があるが、中宮は「支那土人政府は、日本のインターネットにも大量の支那土人工作員を派遣して、[[プロパガンダ]]活動を行なっている」などと主張しており<ref>[http://nakamiya893.jugem.jp/?eid=1161 昨日の日記 支那土人、同胞殺して金メダル] 中宮崇の世相日記「些事争論」2008年8月23日 </ref>、前述の石原慎太郎が駄目であるとする「支那」を用いている。一方で田中克彦は、[[保守主義]]者の使う国家としての中国を国名を使わず「シナ」というのは、誤用であると指摘している<ref name="asahi20030603" />
 
中国メディアの今日頭条は南北朝時代から日本人にとって数百年間「中国」という言葉は日本の本州西部に位置する中国地方だったと指摘し、1912年に登場した中華民国、現在で「中国」と聞いて中華人民共和国を想起するようになったのは戦後からだとしている<ref>{{Cite web|url=http://news.searchina.net/id/1612162?page=1|title=日本における「中国」、山陽・山陰地方の意味から現在の意味に変化した理由|accessdate=2018/06/25|publisher=レコードチャイナ}}</ref>。
一方で田中克彦は、[[保守主義]]者の使う国家としての中国を国名を使わず「シナ」というのは、誤用であると指摘している<ref name="asahi20030603"/>。これは「シナ」は王朝・政権の名を超えた通史的な呼称のひとつであるにもかかわらず、現代の国家に対し用いた場合には、矛盾するため誤用になるわけである。また国民国家に対し使うことになるため「[[漢民族]]」だけでなく、統治下にある少数民族もその範疇に入る。
 
また英語の「チャイナ」など、多くの言語では「シナ」と同じ語源を持つ呼称が用いられていることを理由に、あえて「支那(シナ)」を使う人もいる。[[小谷野敦]]も自身の著書で、[[インドシナ半島|インドシナ]](印度・支那)を含む[[東南アジア]]で中国に対してシナ系の呼称を用いることを挙げ、王朝時代を含む中国の歴史・文化に対して「シナ」と呼んでいる<ref>{{Cite book|和書|author=小谷野敦|authorlink=小谷野敦|date=2010-02|title=天皇制批判の常識|series=新書y 231|publisher=洋泉社|isbn=978-4-86248-517-5|page=95}}</ref>。
 
=== 文化的な使用 ===